2000年 2月12日(土)日立沖堤                  
      
         春を告げる稚鮎がたったの2匹


                                          ほど良い濁りだったが・・
冷える朝
朝6時15分、気温零下4度。
温い布団が名残惜しい。
”寝ていて転ぶ憂い無し”このまま平和に寝ていようか?
何とか布団から這い出て、茶の間のコタツに移動した。
台所ではカミさんが、カチャ、カチャと朝食の用意をしている。

次の難関は着替え、冬の装備は何せ盛大だ、玉ねぎや、竹の子のような重ね着である。
モモヒキ、肌着用ジャケット、ぬくぬくのワイシャツ、靴下、セータ、ズボン、マフラー、防水防寒用上着の上下、その上にライフジャケット。
着替えを終了し、朝食を完了したのが6時50分。

庭から雀達のさえずりが聞こえてくる、雀達も朝の食事Timeなのだ。
コタツの向かい側で、カミさんがお茶を飲みながら、口からザーザーと、言葉の雑音を絶えまなく流している。
ラジオならスイッチを切れば済むのだが、これはちと切れない。
下手にスイッチを切ろうとしたら、途端に噛み付かれてしまう。
”君子危うきに近寄らず”だ。

時々合図ちを打つが、彼女の話は殆ど聞こえていない、ノビタのお脳は、釣りに、何時出かけるかで一杯だった。
お茶を啜りながら時計を見る、6時50分、7時、7時10分、7時20分...。
7時35分、コタツの未練を振り切り、勢いよく外に出た。
車庫を、オンボロバイクで飛び出したのは、7時40分。
雲1つない真晴れだ。

日立港第5埠頭
7時50分、日立港第5埠頭、凄い車だ、ざっと100台か。
日立フイッシングセンターサウス店で、沖堤への渡船券52番を購入して船着き場に行くと、丁度、入り江から船が出て行くところだった。
地団太を踏んだが、天気良し、釣れる当て無し、とあせらず、のんびり船の帰りを待つ。
いつの間にか、釣り人が5人、船着き場に集まった。
沖堤防に着いたのは、8時半。
釣り人は堤防全体で70人ほどか。

伊藤さんに遭遇
堤防の上に登ると、3人の釣り人が、遠くでおしゃべりをしている。
近ずくと一人は、黒鯛釣り師の伊藤さんだ。
伊藤さんは日立沖堤の正真正銘の主で、おそらく海が荒れていない限り、1年中毎週通っているのではなかろうか。
伊藤さんに様子を聞いた。

    セッセと穴釣りの伊藤さん
水温が10度を切った1月末から、黒鯛のフカセ釣りを止め、穴釣りに切り替えたようだ。
今朝は6時に開始、途端、入れ食いとなり、8時までにドンコを入れ10数匹の釣果。
仕掛けは胴突き2本針、餌は沖アミ、重りは15号。

クーラーの中を見せてもらうと、30〜40センチ級アイナメが5匹、23〜5センチのメバルとソイが各1匹入っていた。
お見事!
ドンコは全てリリース、そりゃそうだ、これだけ美味しい魚が釣れりゃドンコは御役御免となる。
釣れた場所を聞くと、彼の指す所に、鈴を付けた1.5メートル程の短竿が2本あり、柔軟な竿先が60度近く曲っている。
その場所だけで釣れたと言う、余程好い穴だったようだ。

穴釣り心得
テトラには穴が無数にあるが、駄穴が多く、好穴は少ない。
多くの駄穴は、仕掛けを落として行く途中で、複雑なテトラの形状に引掛かり、底まで仕掛けが到達しない。
運よく仕掛けが底に到達しても、魚の居心地が悪く、空き巣となっているケースが多い。
穴は絶えず波で撹乱されるので、重りは15号〜20号とし、仕掛けは20個くらいは要である。
まめに穴を探り、良い穴を発見したら待つ、しばらく待つ。
”山の穴、穴、穴...”だけじゃない、海にも穴、穴、穴...有り。

伊藤さんの釣り
伊藤さんの話では、黒鯛は単なるレパートリの一つでしかなく、ルアーもやれば、投げ釣りもやるし、穴釣りもやるし、タコの探り釣り、藻海老取りもやると、釣りの幅はノビタ並みだ。
藻海老取りの方法を詳しく教えて頂いた。
藻海老は釣りの餌かと思っていたが、塩、胡椒で油でサッと上げると抜群の酒のつまみらしい、聞いていると涎が落ちそうになる。

伊藤さんは、釣り以外の遊びは自分には考えられないと言う。
釣った魚をつまみに、酒を飲むのが最高ですと、笑っていた。

ノビタの狙い
今日の目的は稚鮎と、海タナゴ。
仕掛けを足元の堤防下に降したのが、午前9時。
西風の微風、波も穏やか、冬には優しい絶好の釣り日和だ。

  始めの1匹に全てあり

海タナゴ釣りは、磯2号5.3メートル竿に、コマセ籠、アジ用サビキ仕掛けに沖アミ餌、その下に重り7号の順につけて、足元に垂らしておいた。
この仕掛けには、M.Tさん直伝の仕掛けを施してある。

稚鮎釣りは、磯1号5.3メートル竿に、針2.5号のパニック仕掛け、重り3号をぶら下げ、海タナゴの竿と並べて、足元に垂らし込んでおく。
パニック仕掛けは水面ギリギリになるようにセットした。

海タナゴ用竿も、稚鮎用竿も、竿先が重りの負荷で、クネっと曲ったまんま、風にも、波にも揺れることなく静止している。
半分予想していたとは言え哀し。
でも不思議、あれだけ昨年、我々を悩ましたフグの襲撃がない。
餌の沖アミが、いつまでも残っているのだ。
水温の低下に耐えられず、沖の深場に退散したのか?
それとも何らかの異変で、絶滅したのだろうか?
願わくば、後者であって欲しい。

       春の使者
稚鮎釣れたり
午前10時半、突然、何の前ぶれもなく、キマシタ!
磯竿1号の竿先が、激しく小刻みに震えている。
竿を掴み、ソロリ、ソロリと30センチほど竿を持ち上げると、水面からピチピチと、ワカサギと殆ど変わらない、でも確かに稚鮎が2匹。
春1番を告げる、魚の登場だ。

堤防の上に引き上げる途中で、1匹が水面に落下、1匹は無事取り込んだ。

”魚釣りは始めの1匹に全てがある”、体調僅か6センチ、釣りの対象にしてはあまりに小さいけれど、待ち焦がれた春を告げる使者だ。
結局、春を告げる使者は、この後1匹だけで、何処かに群れは消えてしまった。

                                     
          カモメが2羽
カモメ
青い海に白い点々、カモメだ。
魚気のない冷たい海に、漂っている。
餌にありつけないのか。
魚が来るあてがあるのか、ないのか。
まだ飢えていないのか。
既に悟りを開いた境地なのか。
生きることは厳しい。
頑張れ、カモメ。

   
     何だ、何だ?
午前11時半、黒鯛を狙っていた御夫婦に、動きがあった。
奥さんの竿が、大きく湾曲している。
隣りのテトラで、黒鯛を釣っていた御主人が、タモを持って走る。
しばらくやりとりしていたが、根に入られてThe End。

この頃から南風が強くなる。
南風とは言え、冷凍庫のフリーザーから吹き出してきたような、とっておきの冷たい風だ。
稚鮎は風が吹くと、クモの子を散らすように、消えてしまう。
これから1週毎に、数が増えて来ると思うのだが...。


午後1時の迎えの船で、日立沖堤を後にした。
当然と言えば、当然の結果だが、やはりこの時期は伊藤さんのように、穴釣りが良さそうだ。

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