2000年 3月11日(土)日立港某堤防                
   坊主!

                                                寒い朝


今朝は冬に逆戻り、とにかく寒い。
川に沿って伸びる堤防を、行き止まりまで走り、バイクを止める。
時計を見ると、午前5時40分。

目の前に、釣り人の進入を拒否するコンクリートの壁が、頑とそびえ立っている。
それは、かって東西ドイツを分けたベルリンの壁よりも低く、かつ厳重に監視されている分けではない。
その高さ2メートル、縄梯子がかけてあり、不自由であるが乗り越えられる。
あまりその役目を果たしていない壁、無用の長物のような気もするが、深く追求しない方が良さそうだ。

来る途中で追い越して来た2人に、先に壁を登られた。
続いてノビタが登る。
先に登った2人のうち、若い人の方が、壁の下から壁の上のノビタに、
「荷物を受け取りましょう」と、声をかけてくれた。
「大丈夫ですよ」
と壁の上から返事をする。

同類相憐れむ、武士は相身互い、釣り場では有形無形の釣り狂連盟が、暗黙のうちに成り立っていて、互いに助け合うのだ。
壁を乗り越えると、先を歩く2人を、足早に追い抜いた。
(お先に失礼!!)
場所取りに遠慮はしていられない。

   
  午前6時、満員御礼
先端まで500メートルほどか、ガーン!、おびただしい先客。
ノビタの読みが甘かった。
今朝の寒さなら、釣り人も出て来ないと踏んでいたのだが。
戦う意欲が、風船から空気が抜けるように消えて行く。
途中で抜いて来た二人が、ノビタの目の前を通り過ぎて行く。
それを追う気は、さらさらない。

釣れそうもない場所
ノビタが足を止めた場所は、内湾にケーソンが2基置いてある前。
障害物のある所に魚がいる。
ともかくこの場所で、駄目元の釣りをしてみよう。
竿を湾内に2本、外洋に1本。

海底にいるカレイに向かって、心の中で叫ぶ。
「さー来い、カレイよ何処にいる。いや元へ、カレイ様何処にいらっしゃる?、ノビタの所に来て下され〜!!。」

                                             
この様な所に
風は西風、向かい風なので飛距離が伸びない、仕掛けは堤防から40メートルほどの所に落下。
先週カレイをゲットした所は重りが砂地に潜り、海底からそれなりの抵抗力を受けた。
所がこの場所にはそれがない、どうやら海底の地質は固いらしい。
この様な場所に、カレイは本当にいるのか?。

外洋側は湖より静かなベタ凪。
海は澄み、海の底の海藻や砂地が見える。
こんな海は、ほとんど期待出来ない。

   
   外洋はべた凪
海水温8.3度、平年より1度低い、水温もまだ低く過ぎる。
時間の無駄かと思いつつ、竿に付けた鈴の音を待つ。
餌は投げた時のまんまで戻ってくる。
帰るべきか、帰らざるべきか。


騒々しい頭の中

1時間、2時間....、竿は鳴かず、震えず。
静かに時間だけが過ぎて行く。


    
                                      人は多いのだが...
竿をじっと眺めている姿は、
「静かなること林の如く、動かざること山の如し」
と、”風林火山”なのだが、お頭の中は騒々しい。

「無駄な抵抗は止めなさ〜い。
貴方の周囲には、魚がいませ〜ん。
今すぐ投降しなさ〜い!。」
もう駄目か〜。
矢尽き刀折れ。絶対絶命。
「天は我を見捨てたか〜」
注)映画「八甲田山」で、北大路欣也が叫んだセリフ。

「まだ早い、負けるなノビタここにあり」(一茶)
その時、大音声!
「40センチオーバー、座布団カレイ様おなり〜!」
「ひかえおろう〜、ひかえおろう〜、恐れ多くも日立港のカレイ大王様なるぞ!」(水戸黄門)
と、此所でカレイ大王が海から見参するはずなのだが.........。

馬鹿馬鹿しい。
こんな事考えていると、帰るに帰れなくなる。
どうやら今日も、相手がいない不戦負けだ。

納竿
午前9時、次々とやって来る釣り人や、アベックで賑わう堤防に見切をつけて、撤退!
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