2000年 4月30日(日)旭村方面                    

 
       
今年初の石持をゲット!

                                            夜が明けた戦場
走れ!ノビタ
4月29日午後10時、玄関を出て暗い庭へ。
気温はまだ20度近い、風は吹いていない、大丈夫だ!。
頑健な老兵ホンダリード50CC、ガソリンは満タン。
忘れ物はないか?.....無し。
満潮は午前2時、時合は近い。

夜の国道245号を旭村に向かってエンジンフル回転。
走れ!ノビタ。
青と、黄色の光を放つパイロットゴルフ、まだ大勢の人が練習をしていた。
パチンコ店、ガソリンスタンド、モデルハウス展示場、コンビニ、..などが、赤、青、黄、白、橙の光りを宙に乱射している。
まだ街は活気に溢れ、騒然とし、宵の口のようだ。

  
   日の出直前、餌も尽きた
先客に場所を取られる
明るい灯りが切れ目なく続く国道51号を左折。
途端にそこは、漆黒の闇に包まれた不気味な世界。
不漁続きで、お脳の中は焦燥感で煮えたぎり、逆襲に燃えるノビタには怖いもの無し。
闇の路をブッ飛ばし、妖怪の森を抜けると海岸だ。

空も海も海岸も真っ黒で区別がつかない、白い波がボーッと浮き出て、幾重にも浜辺に打ち寄せている。
今日の波は穏やかなのか?。
打ち寄せる波を見ていても分からない。
それでも気になる。
此所の突堤は2メートルを越えるうねりでは釣りにならないのだ。

突堤に向かうでこぼこ道を進むと、先客の車が目に飛び込んできた。
心細さが、この瞬間に吹き飛んだ。
バイクを降り、ヘッドランプの灯りを頼りに、突堤先端に向かって歩く。
何と、ノビタの指定席が、先客に占領されていた。

那珂湊の方
先客の邪魔にならないように、北側の海を攻めることにする。
風は北風、風を正面に戦うことになる、決定的に不利だ。
仕掛けの準備をしていると、後客が一人やってきた。
ノビタに隣りでやる了解をもらいにきた。

1言、話した後、
「失礼ですが、ノビタさんではないでしょうか?」
不意打ちをくらい、一瞬、言葉を失った。
何故ノビタが分かったか聞くと、バイクがあった、旭村のこの場所で昨年すれ違いをした(昨年秋の朝拙め、背中合わせで釣りをした後、ノビタの日誌でそれが分かった)、毎週ノビタのHPを見ているので今週は此所に来る事を知っていた。

当然と言えば当然である。
彼は那珂湊の方だそうだ。
このすぐ後ににもう一人来て、釣れていますかと聞かれたので、まだ1匹も釣れていませんと答える。
答えとしては間違っていないようだが、適切な答えではなかったと反省。
まだ仕掛けを準備している最中なのに、釣れるも釣れないもない分けで。
後で知るのだが、彼は那珂湊の方の弟さんだった。

                                    
     日の出を背に峠を登る
敵は眼前にいる
投げ用竿として磯5号4.5メートル1本、浮子釣り用竿として磯2号5.3m1本を出した。
石持の浮子釣りは生まれて初めての経験だ。
文字通り今夜が初夜なのだが、守備よく行くのか。

午前0時半、釣りを開始してから1時間半、浮子釣りは全く反応無し。
浮子を一流しする度に休み、タバコを吹かしながら満天の星をぼんやり見ては、また釣りを再開するの繰り返し。
放っておいた投げ竿を手に掴み、仕掛けを回収する、
「.....?」
何か重い。
堤防に引き上げる、何と!、24センチ程の石持が、失神してブラ下がっていた。
今年、初めての1匹!この1匹が、全てを教えてくれた。

敵は目前だ!。
バルチック艦隊との距離、3000メートル。
至近距離だ。
司令艦のデッキに立つ日本連合艦隊司令長官、東郷平八郎の右手が、頭上から水平に下りた。
砲撃開始の合図だ。
半旗が登る。
「皇国ノ興廃、コノ一戦ニアリ、各自一層奮励努力セヨ!」
「ノビタ二等兵頑張リマース」

       
妖怪街道
入れ食い
あわてて餌を取り替え、漆黒の海に仕掛けを投入。
ほんの1〜2秒か、海底からのアンサーが手元に電流の如く伝わってきた。
グッ、グッ、グッー。
1、2、3...呼吸を整え、のけぞるように竿を後ろに倒す。

負荷0グラムの状態から、いきなり負荷1キログラムにぶち当ったような手応えが返った。
リールをガンガン巻く。
周囲にあるテトラを気にしながら、暗闇から魚を一気に引き抜いた。
26センチほどの石持が足元に転がる。

あせる気持ちを押さえながら魚を外し、餌を取り替え、仕掛けを海に戻す。
竿を置く、直ぐに、ケミホタルの青い光が、闇の中で上下に振動。
入れ食いだ!。
(旭村方面の石持は魚信が控えめだ。日立の大みか周辺は育ちが悪いせいか、ドアを足で蹴破るようなドカーン、ドカーンの魚信だが、あの豪快さは、此所にはない。)
午前1時半までにポツリ、ポツリと7匹ゲット。
この時点で期待薄の浮子釣り用竿を仕舞った。

浮子釣りの誘い
丁度浮き釣り用竿を仕舞い終わった所に、那珂湊の方が、浮き釣り用の場所を譲ってくれると言いに来た。
餌が無くなったので、帰るとの話だ。
彼にその釣果を見せてもらうと、20匹ほどの石持がクーラの中に入っていた。
「ほとんど入れ食いでした」の話し。
投げ釣りに未練があったが、浮子釣りで石持を釣ってみたいという気持ちの方が勝った、今仕舞った竿を、また取り出し、仕掛けの準備を始める。

那珂湊の方がやっていた場所に行き、暗い海に電気浮子の赤い灯りを漂せる。
浮子は右から左に、沖に向かって流れて行く。
一流し、2流し、3流し、赤い灯りは波に呑まれ、浮いては沈みを何の法則もなく、繰り返す。

そして来た!
突然、竿を握っている右手に、グ、グ、グと海中からの引きが伝わった。
目を点にして浮子を凝視する。
浮子は今までと変らず、浮いては沈みを繰り返している???。
何故だ?。
紅い灯りが漆黒の海中に、滲むように消えて行くのではないのか?。

手元への信号が強さを増し、磯2号の竿先が海面側に吸い寄せられた瞬間、大きく合わせを食らわした。
ガツーン、根掛かりしたのかと思わせる反動。
その瞬間、竿が前のめりに、のされた。
小型のリールを力一杯、ギリギリと巻く、重い。
かなりの大物だ。

敵のドドーン、ドドーンの反撃に、磯2号の竿が何度も水面近くに、のされる。
足元から2メートルのテトラまで近ずいた。
竿先は、折れ曲るような弧を描いている。
ファイト〜、一発、リポビタンD!。
一気に魚を持ち上げ、引き上げた。
何と〜!、26センチと30センチのダブル♪!!。

      
石持20〜30センチ、22匹
浮子釣り成功
この2匹を釣った瞬間、海での浮子釣りの極意を知ることが出来た。
(釣り歴20年が笑わせる....)
浮子釣りは、浮子を消す魚信だけで判断するのではないということ。

浮子釣りをする時は、浮子と竿先の間に伸びる道糸に、絶えずテンションを持たせておくことが肝心。
道糸は弛ませず、遊びをもたせないようにしておき、魚族の魚信を手元で判断するのが、海での浮子釣りの常識のようだ。

この後、浮き釣りの要領が分かってからは、3匹に1匹はバラスが、ほとんど入れ食い状態であった。


餌の切れ目が縁の切れ目
午前3時、餌は残りカスしかない、途端に食いが落ちる。
堤防にノビタの他3人いたのだが、いつの間にか一人になってしまった。
不気味な堤防だが、満天の星を眺めていると、怖さを忘れる。
今から200年ほど前ならば、いつか自分も夜空の星になるのだと、それを信じていたろうが、現代人は知恵の悲しさで、そんな夢は見れない。
                                                  
カミさんの庭
午前4時、地元の釣り人が3人ほどやってきた所で、後始末を始めた。
午前4時半、堤防を後にする。
自宅に着いたのは、午前5時半。
カミさんが植えた花が、爽やかなので、パチリ。
釣ってきた石持を発砲スチロールの壊れた蓋に並べて、パチリ。
本日釣果、20〜30センチ石持22匹。

情報にも賞味期限があると、あせりつつも、なかなか文が進まないノビタ。
何とか書き上げほっとしました。

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