2000年 5月27日(土)霞ケ浦                     

 
       夢破れて山河あり.....

 
                                           
霞ケ浦上流付近
ペヘレイへの思い.....                          
月曜日、友人から電話で、ペヘレイの話を聞かされた。
キスに似た”美しい女体”と聞こえて、ドキリ!。
魚体だった。
電話では”テヘレイ”と聞こえたのだが、この後、”ごうさん”からの投稿で”ペヘレイ”が正しく、釣り方も大凡検討がついた。

今週末は海も穏やか、天候もまあまあ、石持釣りには絶好のチャンスだったが、それを捨てることにした。
神奈川では一般的な釣りの対象魚となっているようだが、茨城ではあまり知られていない。

ペヘレイ、それはまだ発掘されない金鉱のようなもの。
この金鉱を掘り出し、じっくりと磨き上げると新たな世界が広がるのではないか。
時間の経過とともに、その金鉱は想像の世界で輝きを増してきた。

素敵な人は.....
5月27日、午前2時半起床。
「ファイト〜一発!、リポビタンD!」を飲み欲し、
午前3時、闇夜の世界に飛び出した。
霞ケ浦まで100キロメートル、いつもの老兵ホンダリードには荷が重いと判断、まだ購入して半年の若兵ホンダリード50CCで行くことにした。
さすがに若い、パワーも有りエンジンも軽い、音も軽快だ。

1960年代ホンダは「スーパー・カブ 50 CC」でアメリカ市場を制覇した。
そのマーケット・シェアーは63%。
これは1ケ月ほど前に受講した講義の、本題に対する例として講師が話てくれたものである。
講義の進行を必死に頭の中で追いかけていたが、追つけず茫然となりゆきを眺めていたのだが、スーパー・カブ50CCの話は良く解った。
その話の中で、スーパー・カブ 50CCのキャッチフレーズ、
「素的なひとはホンダに乗る」
が登場したのだ。

この瞬間、心の中で思わず喝采。
(そうだ!、そうだ!、拍手!)
現在はホンダ・リード 50CCに進化したけれど、それに乗る人は今も変らず”素的なひとなのだ”と勝手に思い込み、何か心が浮き浮きして来たのだ。

                                    
      湖に添って伸びる獣道?
麻生町で
朦朧と明けて来た国道51号を南進していると、突然、大きな川と橋が現れた。
地図も持たず、もちろんカーナビがある分けじゃなし、道路標識だけを頼りに来た。
「これが霞ケ浦か?!、遠かった〜!」

コンビニを探して、橋を渡ると、左側にファミリーマートがあった。
人間の餌を購入し、ついでに此所は霞ケ浦か聞くと、何とまだ北浦!。
霞ケ浦は遠い、本当に遠い。
店のお兄さんに、麻生町までの道順を教えてもらい、また走る。

国道355号線に入り、インターネットで検索した麻生町付近の地図を見ながら進む。
地図上の「亀宗百貨店」を探して行くと、左側に鉄筋ビルの廃屋が現れた。
壊れた窓ガラス、コンクリート上を幾状にも走る茶色の雨垂れ。
コンクリートの壁に「亀宗百貨店」の文字跡がボーッと読みとれる。
ビルの中は、幾千もの蜘蛛の巣が走る空洞の闇の世界か。

次の目印である家具センターを探すと、何と、そこも廃屋になっていた。
壊れたサッシや看板が、風に吹かれて哀しく軋んでいる。
輪廻転生ならず、その魂は今、冥界をさ迷っているのか。

        岸辺の公園
霞ケ浦に着く
スタンドの脇を左に折れて、湖に添って走る細いコンクリート道に出た。
道を上流側に進むと、ルアーマン達の中を、縫うように散歩するお爺さん達2人連れがいた。
彼等に、ペヘレイを釣りに来たのだと訪ねてみた。
そのうちの一人が、
「この辺で釣ったの〜見だごとねぇな〜」
と、もう一人に同意を求めると、
「去年は1度見だごとあっけど〜」
何とも希薄な答えが返って来た。

彼らと別れて道を進む、花畑のある公園があった。
その中に入りバイクを止めた。
岸辺に出ると一人で浮子釣りをしている人がいた。
彼は鯉を釣りに来た人だった。
彼の話では、この辺でペヘレイが釣れるよ、とのこと、先程の話で失速し落下した気持ちが、また急上昇した。
広い釣り場に、彼とノビタだけである。

                                      
       泥んこの湖
釣り開始
午前5時、ペヘレイ釣りの準備を始める。
湖は御汁粉のような泥んこ状態。
見るからに食欲が減退しそうだ。
こんな所にいるのか?

準備した餌は、ブドウ虫、ハチ、毛虫、ハエ、名前も知らない虫、虫....エトセトラ、エトセトラだ。









磯1号、5.3メートル、飛ばし浮子B、針は袖針5号、ハリス0.8、浮子下を1メートルほどにして、岸から20メートルほどの所に仕掛けをポチャーンと落とした。

南東の風があり、小波が立ち、浮子が見えにくい。
しばらく放って置くと、魚が掛かっていた。
結構な引きだ。                                 
      邪魔物
なかなか敵は浮上して来ない。
「.........???」
足元に近ずいた所で、茶色の水面にギラリと平べったい魚体を現した。
ブルーギルだ。

危惧していた邪魔物だ。
大きさは23〜24センチ。
在来種を滅ぼす、外来種の1種だ。
これは駆除すべきではないか、と思いつつリリースした。
この後も、次々とブルーギルの追撃を受け、辟易し、午前6時にこの場を撤退した。

   
ルアーマンと鯉釣りが共存共栄
ペヘレイは何処に
湖の岸添いを走る道を、上流に向かって進んで行く。
ブラックバス狙いと、鯉釣りが点々と続く。
相当の釣り人がいるのだが、この広大な霞ケ浦では、この100倍ほどの釣り人が来ても有り余るほどのスペースが有りそうだ。
海ではこうは行かない、場所を確保するには相当な努力を強いられる。
場所の広大さだけは、うらやましい。

漁港の先端で釣りをしている人達がいた。
もしかするとペヘレイ釣りかと様子を見に行った。

                                     
       漁港の先端で
釣り人の一人、お爺さんにペヘレイを釣っているのか聞くと、
「んにゃー、鯉釣りだー」
この辺にいないのか聞くと、突然、
叫び声を上げた。
「んりゃーー!、鯉でねーがーー!?」
彼が凝視する方を見ると、親子連れの、息子の方が鯉を上げたようだった。

もう1度聞き直した、
「毎日釣りに来るけど、わっしっやー見だごとねー、んだけど釣って見たいと思ってる、入ればの話すだがー」
この辺にはいないようだ。
ますます神秘的な魚に思えてきた。
そうだよな〜、ペヘレイは海のキスに似た美しい魚体(文字を見ないと、”女体”と間違いそうになる)。

高貴な姿を、そんなやすやすと人に見せてたまるかだ。
安ぽい女郎のように現われるブラックバスやブルーギルとは違うのだ。
まさしく高嶺の花なのだ。

     
形骸は浮世の名残
鳥の形骸
岸辺に添って進む。
ルアーマンと鯉釣りが点々と、切れ目なく続く。
途中、通行止めがあり、細い川沿いの道を迂回していると、ぎょっとする光景が目に飛び込んで来た。
屍の無い鳥の形骸だ。

翼を広げ、うつ伏せの形で羽根が散乱していた。
羽根は雉(キジ)だった。
おそらく野犬に襲われたのであろう。
激しい混然とした争いの中で、鳥と犬は一体化したのか。
これは輪廻転生の抜け殻なのだ。

空しい撤退
この後、道に迷いつつ、小川町、玉里村を抜け、恋瀬川の橋を渡り、反対側の霞ケ浦町に廻った。
何処まで行ってもルアーマンと鯉釣りばかりだ。
ペヘレイ釣りに会うことはなかった。

誰もいない島の先端で、ペヘレイ釣りに再挑戦、凡そ2時間、釣れるのは相変わらずブルーギルのオンパレード。うんざりだ。
ペヘレイのような高貴な魚が、こんな泥んこの湖にいるとは到底思えなくなって来た。
それにしても何だこの暑さは、真夏の暑さだ。

午前10時半、これ以上戦っても傷口が大きくなるだけと、現場を後にした。
自宅に戻ったのは、午後0時40分。
娘のアキが慌てたように二階から降りて来て、昼飯の用意をしてくれた。
目の前に、缶ビールを運んで来て、
「どうだった?...そう、こういう日もあるか、悪いけどパソコンに火を入れたままだからじゃーね」
そのまま二階に戻って行った。
(何がじゃ〜ねだ、もっと優しくしろ〜〜!親父の話を聞け〜〜!それでも娘か〜〜!)
The  END!
 
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