2000年 6月17日(土)旭村の海岸                  

 
  
石持が乱舞した夜!

                                    
          6月17日早朝の花
明るい内は駄目
午後6時半、陽は既に没したが、まだ昼間の明るさだ。
堤防には3人の先客と、O君がいた。
皆、腰を掛けて、じっと海を見つめている。
海は結構なうねりがあり、足元を時折大きな波の山が、浜に向かって走り抜ける。

O君もまだ0匹、魚の気配を全く感じないと言う。
暗くならないと釣れないのか?。
釣りの準備だけして、O君と暗くなるまで待つことにした。
午後7時、空が大分黄昏てから、釣りを開始。
黄昏の海に浮かぶ白い浮子は、水面に反射する光りの乱射で、視認が難しい。

釣れない時間がしばらく続いた。
浮子を見る注力がなくなり、目は浮子を見ていても、実際は何も見ていなかった。

   
暗くなるまで待て(しばし休戦)
ノビタの始めの1匹
突然、O君の叫び声、
「アタッテル、アタッテル」
「本当?」
起こされたようにぎょっとした、海を凝視すると、ノビタの浮子は視界から消えていた。

竿を持ち大きくシャクルと、ググッと充分な手応えが返った。
「キタ、キタ、キタ、キタゾ〜〜♪」
波の音に消されないように、デッカイ声で叫ぶ。

「魚信を他人に教えてもらう何て、釣り師じゃね〜よ!」
O君に、一発ぶちかまされる。
そんなのは聞こえない振りをして、
「本日始めの1匹は、オレダ、オレ、この堤防でだー!」
上がったのは、26cmほどの良形だった。
所が、後が続かない。
しばらく沈黙の時間が流れる。

O君の始めの1匹
10分ほど経過したか、ふっと隣りを見ると、何と〜!。
O君が、セ〜ノ、エンヤ〜ドット、エンヤ〜ドット♪と、鯨波の声を上げ、背中を曲げたり伸ばしたり、大漁踊りをしているではないか。
「こりゃー大きい、こりゃー大きい」
と、大声を連発している。

獲物が、堤防際まで近ずいた。
足元に押し寄せる波のせいか、大物なのか、モタモタしている。
「早く抜き上げろよ、何やってんの〜?。」
ノビタの目を意識した演技?、何やねん?。
やっと抜き上げた魚は、ノビタの期待に反し、30cm近い良形だった。
「でけい!」「でけい!」「でけいな〜こりゃ〜」
ノビタの目の前にブラブラさせながら、大声で叫んでいる。
この後もポツ、ポツだがノビタは差を付けられて行く。

                                        
砕ける波は予想外だった
ヒラメちゃん登場
この後は、我々より沖側でやっている人の一人舞台だった。
O君の皮肉な声が飛んで来る。
「ノビタさん、あれが始めで最後だったのけ〜、やっぱし腕の差か〜!」
自分がそう思っている時は、きつい一発だー。
返す言葉が無いよ、ったく!。

しばらくしてノビタにもやっと魚信。
電気浮子が暗い水面に没し、直後に、海中からググ、ググ、ググーと久々の引きが手に伝わって来た。
「キター、キタぞー」
O君に聞こえる様に、大声を上げる。

リールを捲いていると、途中でフワーっと軽くなった。
バラシ?足元で急に重くなる。
一気に抜き上げると、暗闇に菱形の体型がぶら下がった。
カレイ?よく見ると体長20cmほどのヒラメだった。
「リリース、リリース!」
O君のデカイ声が聞こえて来る。
魚にダメージを与えないよう針を外し、暗い海に放ってやった。

    
外道にヒラメだぜ!
入れ食いの予感
午後9時、周囲の様子を見て廻ると、先端で一人が1匹ゲットするのを見た。
何か、久々の石持を見る様な気がした。
まだ先端には釣る場所もある。

O君が言うように、始めの1匹が、最後の1匹になりつつあるノビタには、藁にもすがる一心だった。
竿と、餌と、魚を入れるビニール袋を持ち、先端に走る。
中央よりやや左側に陣取った。

2〜3投目、浮子が波に呑まれ海中に沈むと同時に、ググ、ググ、グググー。
キタ〜!、忘れかかった魚信だ。
上がったのは20cmほどの石持、まずは一匹、Get!。
その後もポツリ、ポツリ、午後10時頃までに3匹を追加。
O君の所に行き、先端に誘おうとしたが、此方もポツリ、ポツリ、切れ目なく釣れているようなので、誘うのを止めた。
この後、O君がノビタの方に見に来たが、やはりO君の場所が良いと思ったようだ。
釣り人の習性として、やはり自分が1度釣った場所(彼は前も北側で釣った実績あり)は、離れ難い。
でも結果的に、彼はこの読みを誤ったことになる。

入れ食いモード突入
午後11時、夜空に月が輝き、弱い月の光りが大地に注がれ、海も、陸も、人もボーッと影絵のように浮かんでいる。
風はない、ムッとするような蒸し暑さだ。
潮騒だけの、音の消えた薄闇の世界が広がる。

周囲が、俄かに騒然となった。
ノビタだけでない、周囲のあちらで、こちらで、切れ目なく、暗い海から白く輝く魚が、宙に舞い上がる。
入れ食いタイムに突入したのだ。
人々は黙々と、石持に狂い、無我夢中の世界に入った。
釣れ続く、果てしなく釣れ続いた。

バラした数
バラした数も多い。
釣った数と同じくらいバラしたのでは。
これはノビタだけではないと思う。
その証拠に、闇の中から「クソー!」とか、「チッ!」とか、「シマッター!」とか、「ウッ!」とかの、落胆の声が絶えず漏れていた。
手応えを感じた瞬間に、手応えを失うのだ。
                                     
実測29cm
詳細に再現するとこうなる。
暗い海に電気浮子が沈む。
波の吸引力で沈んだのか、魚信なのか、判断するのに3〜5秒ほど待つ。
3〜5秒後に浮子が海面にボーッと赤い光りを放ちながら浮いて来たら、それは波に1時的に呑まれただけのこと。

浮子が沈んだまま、グググッーと手元に引きを感じる。
この時、一気に竿を後ろに倒し、合わせを食らわすのだ。
ズシーンとした手応えが海中から返って来る。
(キター!)
竿を前に倒しながらリールを捲き、竿をガーンと立てる。
(???)

軽い、何の手応えもない。
此所で、落胆のうめき声が、
「クソー!」
バラシである。
魚が釣れ過ぎると、針先が鈍くなる事も原因の一つと思うのだが、果たしてそれだけであろうか?。
面倒なので、針は最後まで交換しなかった。
どうしても、闇の世界の作業は効率が悪くなるので、手抜きが多くなる。

       
ノビタの釣果
夜の釣りは難儀だ
入れ食い状態が、1時間、2時間、3時間と続いた。
仕掛けを海に戻すまでの時間が長く、数はさほど伸びない。
暗い足元での作業は、思うようにいかないのだ。
アクシデントも多い。

バラシを恐れて餌を充分に食わせようと、魚を上げるまでに間を持たせるとダブルとなる。
ダブルは嬉しいのだが、1匹は必ず針を飲み込んでいる。
呑み込むまれた針を外そうと、はり外しを探していると、突然、足元から針外しがブロックの穴に落ちて行った。
予備の針外しを探しに、前の場所に戻り、道具箱をかき回し、慌てて引き返す。

闇の世界では色々な動作が、昼釣りに比べ極端に鈍くなる。
視界が、ヘッドランプに照らされる一点に絞られるからだ。
餌を替えたり、呑み込まれた魚の針を外す作業も昼の倍以上にかかる。

竿の先端で道糸が絡まると、昼間なら簡単に外せるが、夜はこれにも梃子摺ってしまう。
バッシーと竿先を、ブロックに挟んで折る人もいた。
餌を替える為に、寝かせていた竿を、危うく人に踏まれそうにもなった。

夜釣りで爆釣を経験した事が無い人は、56匹でも爆釣のイメージとは遠いのかもしれないが、夜釣りの56匹は容易ではないのです。
要は、5分に1匹の計算の時は、仕掛けを海に戻すまでのロスタイムが5分であり、実態は入れ食い状態なのです。

   
                                       夜明け、ヨタヨタのO君
餌がない
午前1時を過ぎると、一人去り、2人去り、堤防は閑散として来た。
でも石持は釣れ続ける。
皆さん、餌が無くなり帰って行くようだ。
まさかこんなに入れ食いになるとは思わず、餌を殆どの人が、青イソメを2パックほどしか用意して来なかったのでは?。

ノビタも餌がなくなり帰るつもりでO君の所に行くと、何と既得な人が、O君に沢山餌を進呈して行ったとのこと。
O君に餌を貰うと、消えかかった闘志が、又、再燃焼して来た。

自分の持ち場に戻り、入れ食いモードにのめり込む。
釣れた、釣れた、もう笑いが止まらないくらい釣れた。
一生に何度あるか分からないが、この爆釣に酔い、神経を麻痺し、熱中した。
午前3時近く、O君が此方に移動して来た。
ノビタしか居なかった場所に、O君と2人になる。
ただ既に、爆釣は終焉モードに入っていた。
それでもポツリ、ポツリと数匹追加したが、午前3時半、周囲が白けて来ると、全く魚の気配が消えてしまった。

納竿
午前4時、まだO君の餌は余っていたが、打ち止めにした。
O君が数を数え様と言ったが、クタクタとなり面倒になってきた。
それでもO君が数え終わると、ムラムラときてノビタもブロックの上に置いてある板切れに、ビニール袋の魚をドサッとぶち開け、数えた。
                                           
朝5時半帰宅、玄関の花
56匹!、O君を引き離した。
「腕じゃねーよ、場所だ、場所!」
ほざくなかれ、
「場所の選択も技の内だ!」
と返す。

最近ノビタの口に乗り、釣りにはまったO君は、机上の論理だけでなく、実地で技を見せなきゃ話にならないとほざいていたが、ノビタも面目をやっと保ことが出来たわけだ。
このO君、次回はイカで勝負と来た。
身のほど知らず目!

本日の釣果
  石持
    ノビタ  20〜30センチ−−−56匹
     O君  20〜30センチ−−−38匹

 
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