2000年 9月23日(土)常盤の海                   

         冴えない釣り

                               
         開始直前のルアーマン2人
お彼岸なのに
東の空は、まだ暗い雲の海。
その暗い雲間を割き、白い雲が北から南へ水平に走る。
夜明は近い。
国道245号線の信号を突っ切り、突き当り、そして左折。

ビビビビビーーと、機械音を周囲に振り撒きながら、まだ暗い道を突走った。
この道は久しぶりだ。
本当に目的地に運んでくれるのか?。
どんどん北に向かって行く。

どのくらい走ったか、行き止まりのようだ。
今来た道を、あせりながら南に戻る。
大分時間をロスして目的地に着くと、大変な車。
午前5時、しだいに空は白んで来た。
堤防沿いを歩いて行くと、はるか先端に鈴なりの人が見える。
今日はお彼岸だと言うのに、この人の山は何だ。

生気の無い人々
堤防を歩く歩調は、次第にスローなブギになって行く。
テトラ側の所々にルアーマンがいた、黙々とルアーを海に投げている。
まだ海は応えてくれないようだ。
先端付近に近ずくと、外洋側も内湾側も人、人、人.....。
釣れないせいか、静かだ。
竿はただ並んでいるだけ、釣り人はただ突っ立っているだけ。
風林火山の”静かなること林の如く”。

人のいない所は最悪の場所
ノビタが熟慮したポイントは、蟻の這い出る隙間もないほどの竿群で埋まっていた。
今日の狙いは、そこで縞鯛を狙う予定だった。
必勝を期し、日立フイッシングセンタで昨日、袋イソメも買ってきた。
予定ではかなりの確率で、縞鯛が宙を乱舞するはずだった。

  
    海は小波が騒いでいた
それなのに、縞鯛がいると睨んだ場所は、青物狙いの竿に、全て占拠されていたのだ。

帰るには、早寝と、此所までの走行距離、餌代などあまりにその代償が大きい。
幸いアミコマセも持って来たので、人のいない堤防の澱みでトリック仕掛けを垂らし、その脇で気休めに縞鯛を狙ってみた。
そこは吹き出しもなく、弛みに弛んだ澱みなので、今日の様な海が穏やかな時には、最悪の場所だった。




それでも小物は釣れた

トリック仕掛けに、始めに来たのは、小アジ。
次がメジナ、そして小メバル。
以降何も来ない。
縞鯛の竿はピクリともしない。
意気も上がらない。
ボンヤリと、半ば投げやりの釣りになった。
始めの位置から4メートルほど、竿を移動すると、やたら小メバルが釣れた。
それを餌に、青物釣りも始めたが、こちらは全く魚信がない。

空振りルアーマン
今日は、次々と見知らぬ人達に話かけられる。
おそらく堤防全体が、沼の深い澱みの様に生気が無かったので、ノビタが何やら忙しそうに、コマセやら餌を交換していたのが、目立ってしまったのか。
                                       
      袋イソメと真珠
ルアーマンが来て、
「3度もバイトしたけど、ヒットしねーんだよ!」
(お気の毒様)
しばらくボヤイていたが、テトラ側で投げていた仲間の呼び声に、早足に戻って行った。
ノビタも付いて行くと、どうやら足元でナブラが起こったらしい。
彼らは1時間ほどして、手ぶらで帰って行った。

きれいな奥さん
小メバル釣りにあき、仕掛けを堤防の上に引き上げ、外洋側の海をボンヤリ見ていると、まだ若くきれいな奥さんが走って来て、
「竿がピク、ピクとお辞儀をしていましたよ〜」
と、知らせてくれた。
縞鯛釣りの竿のようだ。

奥さんに、
「それはフグですよ、その竿は釣れる分けないんです」
と答えながら、奥さんと一緒に竿の所に戻った。
竿は、ピクリともせず静止している。
奥さんは信じられないと言った顔で、
「どうしましょう?、さっきはヒクヒクしてましたよ!」
奥さんの気がかりを晴らそうと、竿を上げ仕掛けを回収すると、真珠の玉のような物が、袋イソメの先にくっついて上がって来た。
ゴミかと思いながら目の前に近ずけると、何と、超ミニサイズのフグチャンが、針先で膨れていた。
自分の数倍もある餌を攻撃し、悪戦苦闘をしているうちに、針が背中に掛かってしまったようだ。

小メバルの空揚げ
2人連れの釣り人が来て、ノビタのバケツを覗き、
「小メバルですか?」

  
  今日もカモメを撮りました
「オーYes!、これで青物を狙うんです」
と答えると、
「これ!、空揚げにして食べると、結構美味いんだぜーー!」
と、仲間に教えている。
(幼児虐待なんで、極力他に釣り物がないとき以外は抑制しましょう)

入れ替わり立ち代わり次々と見知らぬ人が立ち寄るので、結構忙しい。
お蔭様で、退屈しのぎにはなった。



青物の群れ
ボラの大群の後を、青物の大群が追いかけて来た。
さきほどの奥さんと見ていたら、奥さんが御主人の所へ、御注進に走る。
青物は、奥さんの動きが気に食わなかったのか、一斉にボラを見捨てて、Uターンして消えた。
またルアーマンが来た、
「今日は先端廻りでカンパチが合計4本上がっただけ、駄目だね〜!」
ノビタが目撃したのは、そのうちの1本、この静かな堤防上で、それだけ釣れていたとは以外に感じた。

                                             
今日の釣果
午前9時半、縞鯛と青物に振られ、体から元気が蒸発、何とか体から力をかき集め、ノロ、ノロと後かたずけをして現場を後にした。
むなしさ一杯を背に負い、重い足取りで、トホ、トホ、トホ、と帰って来た。

この日の午後、ドラえもんさんに会い、彼が縞鯛を釣った時の模様を教えてもらったので、これを参考に縞鯛に再チャレンジするか。



 
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