2000年 9月30日(土)日立沖の船釣り                

 
     船釣りは今、青物が旬♪


                               
             船上でのご来光
出船前
午前4時半、昨夜風邪を引いたらしいミカの運転で、自宅を出発。
まだ暗い住宅街を、ブシュ、ブシュ、ブシュと、苦しげなエンジン音を響かせながら飛び出した。
この車も10年は乗った老兵なのだ。

今日は2年に1回ペースで、ノビタに付き合う超ビギナーのミカが相棒だ。
まだミカは船にも乗った事がない。
それで沖釣りである。
結果は神のみぞ知るだ。

日立港第5埠頭の駐車場は、多くの車で埋めつくされていたが、まだ若干余裕があった。
日立フイッシングセンターサウス店の前に車を止めて、電灯の灯りが眩しい店内に入って行った。

入ると、お姉さんの元気の良い、
「おはようございまーーす♪」
が飛んで来た脇に、何とー、りょうさんと虎さんが立っていた。
りょうさんと、虎さんは、小名浜方面に向かう途中に、立ち寄ったらしい。
午前5時前、若い2人は、まだ薄暗い外に出て行った。

ミカ用に貸し竿とリールを借り、それにタコベイトのイナダ仕掛け、重り80号を仕入れて、船着き場に向かった。
「まだ1時間もあんのよ、どうすんの!」
ミカが、ぶーたれている。
龍翔丸に釣り人はまだいないが、既に竿がポツポツと並び、その脇にクーラーボックスが置かれていた。
荷物を置いて、釣り人は何処かに行ったらしい。

     一路北へ
出船
午前6時、今日の龍翔丸には20人程が乗船、その中に日立沖堤のルアーマン佐藤氏もいた。
彼とは、たまに沖堤や、日立FCSで顔を合わすので、挨拶を交わした。
彼は船首、ノビタとミカは操舵室の下、右舷に腰を据えた。

ドドドドドーーと、豪快なエンジン音を轟かせ、いざ行かん太平洋。
無敵の艦隊”龍翔丸”が行く。

釣れるか釣れないかは運まかせ、風まかせ。

予報通り太平洋は怠惰の海、伸び切って真っ平らだ。
空は薄い雲で覆われ、風は穏やかな北風、気温は暑くもなく寒くもなく、絶好の沖釣り日和なり。
これで釣れりゃー...。

日立港を出ると、北北東に進路を取った。
沖合い5キロメートルほどを、島と平行に突っ走る。
凡そ1時間、島の脇を北上した所で停止、第1海戦。
水深20〜25メートルと浅場である。
第1海戦は、仕掛けを降ろして3分ほどで終了。
船上釣果無し。

船はUターンして南下、魚群探知機で魚影を追いながらの迷走遊泳を続ける。
魚は何処だ〜。
何度目かの停止で、左舷側に釣果が出た。
その内、右舷でも出始める。
魚信が無いので、タコベイトに冷凍イワシを付けてみると、1回だけカツーンと、異変を報せる信号が手元に届いたが、それっきりである。

                                            
陸をすぐ側に見て
ふい撃ちの1匹目
午前9時を廻った頃、それが来た。
開始のベルが鳴り、まず危なかしいミカを助けて、重り80号付き、枝間120センチ5本針仕掛け全長6メートルを、海中に降ろしてやる。
竿の長さが2.7メートルと、仕掛けより短いので、狭い船上では扱いが難しい。

ミカの次に、ノビタの重り80号仕掛けを降ろす。
水面下20メートル、海底スレスレの所で、エンヤードットを始めて2回、終了のベルが鳴り響く。
(これから勝負ではーー?)
そして移動なのだ。
決して楽ではない。
楽をして釣れるとは思っていないけど、疲れます。

廻りに迷惑がかかるので、仕掛けを上げる時は急がねばならない。
エッサ、ホイサ、エッサ、ホイサと、汗を飛ばしながらリールを4巻きか5巻き。
いきなり”ガーン”と、リールを巻く手にブレーキが掛かり、竿がなぎ倒された。

予想外のふい討ちである。
「途中で掛かったんだな〜!」
船頭が、頭の上の方から叫んでいる。
サポータのお兄さんが、タモを持って来た。
ハリスだって、道糸だって、頑丈1点張りだ。
ヨタ、ヨタ、ヨロ、ヨロになりながらも、力まかせにリールを巻いて来る。
魚の追撃を交わし、水面に浮上させたのは、38センチのイナダ。
歓喜と、感激の初の1匹は、仕掛けを回収する途中の、ふい討ちだったのだ。

    開始のベル待ち
2匹目はお祭り
午前9時半、魚場は既に5〜6回替わっている。
開始のベルと共に、まずミカの仕掛けを降ろし、続いてノビタの仕掛けを降ろす。
海底から、しゃくりながらリールを巻いて来ると、途中で、丸太が突き当った様なドシーンの衝撃を受けた。
「キターー!」

右隣りの人にも来た様だ。
イナダは横走りする。
この暴走で、隣りの人の仕掛けに絡まりやすい。
この為、大急ぎで巻かないとまずいのだ。
右隣りと、その左り側のノビタが、2人で同時に必死でリールを巻いて来る。
水面近くで、ノビタの仕掛けが軽くなった。
「..........バレ?」
海面を見ると、隣りの仕掛けとクロスしたまま、イナダが水面に浮上していた。
サポータのお兄さんが飛んで来て、仕掛けを上げ、イナダを空きのポリタルに放り込んだ。
隣りの人が心配になり、
「それは自分のでは?」

仕掛けが隣りの人から解放された後、海面を見ると、隣りの人の仕掛けが、まだ海につかり、その下にイナダがいる。
隣りの人が、仕掛けをたぐり上げると、1匹、2匹、3匹と3点掛けだった。
始めに引き上げた1匹は、やはりノビタの物だった。

                                       
ミカも重り80号に耐えてヒット♪
そして爆発〜
午前10時、10数嫂が浮かぶ魚場に来た。
しばらく魚影を確認していた船が停止し、
「ビーーーーーー♪」
再び開始のベルが鳴った。

ベルが鳴ると直に左舷側から、ざわめきが上がった。

続いて船首、右舷前方、殆ど同時。
船上は一気に活気ずき、騒然となる。
一瞬の光芒である。
この瞬間は、死にもの狂いで、重り80号をしゃくらないと、後で後悔する。
たとえ腕が痺れても、御疾呼を漏らしそうでも、1に忍耐、2に我慢、3に闘志で、しゃくりまくるしかないのだ。

なのに、ノビタ組みは、タレンコ、タレンコとまだミカの仕掛け落とし。
開始の合図から、ノビタの仕掛けを落とすまでに、貴重な1分をいつも失っている。
ノビタの重りが海底に着底した、と同時に大きくシャクル。
そのままシャクリを繰り返しながら、
「アモーレ、アモーレ、アモーレミィヨー♪」
と、仕掛けを引き上げて来る。

    
    周囲は左も
これが、今日始めの1匹を上げた時の教訓を生かしたノビタの戦法である。
突然、隣りのミカが叫んだ、
「お父さんキターー!」

と同時に、ノビタの竿もなぎ倒された。
それも今までにない強烈さでだ。
「コンニャローーー!」
もうミカどころではない。
強烈な引きに、数秒じっと耐える。
海面に突き刺さりそうな竿先、それをギリギリギリと力一杯引き上げ、そのまま竿を倒しながらリールを1巻き。

また、竿を引き上げ倒しながら2巻き。
同じように3巻きと、ジワジワと引き上げて来る。
最後の最後まで、この抵抗力は衰えなかった。

隣りのミカは、既にイナダを引き上げ、針外しに苦戦していた。
ノビタもやっとのことで、イナダを水面に浮上させた。
思った通り、浮上したイナダの下にもう1匹。
何とーーー、さらに、その下にもう1匹、計3匹のトリプルだ。

                                       
     右も船だらけ
3匹の針外しをしている間に、終了の合図が鳴った。
船上大爆発の時に3本は、チャンスを物にしたとも思えるし、逃したとも思えるし...。
この後も、場所を替えながら、パタ、パタと釣り、ミカもノビタも2匹追加した。


船上にワラサが上がる
午前10時半を廻ると、食いが止まった。
船は魚影を求めて、北から南へ、南から北へと、太平洋を所狭しと走り廻る。

昼前くらいに、再び釣り開始のベルが鳴った。
また、重り80号を、エンヤードット、エンヤードットと、1シャクリ、2シャクリ、3シャクリ....5シャクリ、限界だーーー。
腕が痛くなり、持ち上がらない。
ミカは2シャクリでダウンし、ボーッと海を見ていた。

船首の方でルアーマンが、大物をヒット。

  
釣果 ミカ3本、ノビタ 7本+1匹(サバ)
竿が、満月の様に曲っている。
なかなか敵は浮上して来ない。
長い攻防の末に、やっと水面に浮上した、デカ〜イ!。

サポーターが無事タモ入れし、フィニッシュ。
サイズ60cmのワラサ也、お見事!。

この後、カンパチが左舷側でポツポツ上がったようだが、午前10時頃の勢いは無くなり、午後1時に沖上がりとなった。

沖堤ルアーマンの佐藤氏は、ルアーでイナダ8本ゲット、彼の話では、今日はあまり良い方でなかったと言う。
釣れる時は、今日の比でないとのこと。
何かノビタもはまりそうだぜ。
次は船からルアーで攻めるか。

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