2000年 10月7日(土)鹿嶋方面堤防釣り             

     
鹿嶋では値打の低いシマダイ


                               
         朝6時半は、まだ恐怖の海
夢は鹿嶋を駆け巡る
ある日の朝である。
(来た、来た、カモが...)
「オーーッス!」
O君だ。
ノビタがさりげなく、
「今週は、鹿嶋に決めたよ」
「何を狙う?」
O君が、シコシコと疑わし気な目で、探りを入れて来た。
からかっているのだろうと、疑っているのだ。
何せ、彼に言わせりゃノビタはペテン氏なのだ。

ここで、マッチをひと擦り、
「ウスバハギ!、サイズは40〜55センチてとこ、先週は入れ食いだったようだよ」
藁小屋(わらごや)で、子供が火遊びをしているようなもんだ。
O君のお頭の中にボッと火がつき、あっと言う間にメラメラと燃え上がった。
目からパチパチと火花を散らし、
「よっし行こう!、Sに話した?」
(ガハハハハハと悪魔が高笑いしている)
ここで、Sも連れて行くことに決定。

炎に包まれたO君のお脳に、仕上げの油を注いでやる。
ウスバハギ大漁の写真を見せてやったのだ。
M.Tさんの、バケツに窮屈そうに突っ込まれた4〜5匹のウスバハギだ。
この後、M.Tさんからメールを頂き、仕掛けの詳細が分かった。
この時から”夢は鹿嶋を駆け巡る”状態の毎日となる。


 
  この怒涛前後の人数は同じだった
鹿嶋は遠い
ところが、直前にS君が家庭の事情で行けなくなり脱落。
これは少なからずシヨック、鹿嶋までのカーナビ付き、4輪駆動がなくなったのだ。

10月7日午前3時半、自宅をホンダのリード、走行距離2万9千キロメートルの老兵に乗り出発。
闇に包まれた国道245号を南下し、
一路O君宅へ。
バイクを飛ばすと寒さが身にしみ、鼻水が止まらない。


O君宅に着いたのが、朝の4時。
O君の車に乗り移り、O君宅を出発したのは、午前4時10分。
国道51号を鹿嶋に向かう。
鹿嶋神宮を午前4時50分、この辺で51号を左折、何せO君も鹿嶋は初めて、ノビタは昨年S君の車に乗せてもらったが、カーナビまかせ、お頭の中は空っぽだ。
地図も無し、目的地よりかなり北側、鹿嶋コンビナートの中央付近に侵入してしまった。

鹿嶋フイッシングセンター
グルグルとコンビナートの中を走り廻っていると、神のお助け、目の前に「鹿嶋フイッシングセンター」がデーーンと見参!。
駆け込み寺に走る哀れ人のように、O君と2人で店に飛び込んだ。
すると、「大洗フイッシングセンター」のHPに、スズキを抱えて写っていたかわいい女性が、ニコニコと出迎えてくれたのです。

彼女が観音様に見えました。
店員さんに鹿嶋某堤の道順を聞くと、手書きの詳細地図を渡され、大変親切に教えて頂いた。
お店で買い物もしない客に、親切に教えて頂きありがとう御座いました。(「日立フイッシングセンターサウス店」で、時々買い物をしています...関係ないか)
この地図は良くできていた。
今度は迷わず目的の場所に向かい、午前6時、無事駐車場に到着。

                                
        1年越しに攻略した先端!
大荒れの海
車を降りると、いきなり北東の風にビューーと、顔を嬲られる。
O君が、
「何ジャーー」
と叫んでいる。
防波堤越しに海を見ると、ショック!。
海は一面ウサギが飛び、怒涛が幾重にも砂浜に打ち寄せている。

”天は又、我を見捨てたもうた”ようだ。
50cm級のウスバハギの夢が、ガラガラと音を立てて崩壊して行く。

強い北風を正面に受け、フー、フー言いながら歩いて30分。
午前6時半、高台の切れ目まで来ると、低い側の堤防は波を被り黒光りしていた。
ウスバハギのいるポイントへの踏破は、此所でしばらく波の様子を見て判断することにした。

狂気の沙汰のルアー釣り
O君と店開きを始めた。
北東の風強し、小物が風に吹き飛ばされそうになる。
時折り、ドドーンとテトラに波が砕け、ザーーーッと堤防の上を波が洗う。
その度に、逃げの体勢を取る落ち着かない釣りだ。
それでもO君は此所で、シマダイとカワハギを数匹上げ、その度に得意そうに、腕を叩く。
ノビタにもシマダイが3匹ほど来たが、小学生だったのでリリース。

外洋側は山の様な波の下に、サバとソーダガツオの大群が押し寄せ、鳥や釣り人が、空と地上で大騒ぎ。
波の恐怖よりも、100発100中のルアー釣りに、釣り人は狂った。
時々、大波が、釣れたサバやソーダをきれいに海に流し、釣り人達はズブ濡れ。
それでも釣り人達はその場に執着する。
狂気の世界だ!。

午前10時、先端に続く低い堤防は、まだ黒く濡れている部分もあるが、大部分は白く乾いて来た。
O君に、先端への移動を宣告!。

     午前10時、先端攻略を決意
胆試し?
昨年のこの季節にS君と来て、その時も海が荒れ断念。
目の前に先端を見ながら、くやしい思いをした。
どうしても今日は、まだ見ぬ憧れの釣り場で、釣りをしたかった。

O君と2人で、レッツゴーーー!、先端を目指し走る。太平洋の海原は見ない、見ると戻りたくなるから。
濡れている箇所は、夢中で通り抜けた。
歩いても、歩いても目の前の白い灯台は、なかなか近ずかない。

人気のない堤防に、いつ白い牙を向いて襲って来るか分からない海獣が、ドドーーン、ドドーンと、大きくうねりながら身をすり寄せる。
これは命を賭けた胆試し、無謀な試みだ。
我々に驚いた100羽ほどのカモメが、堤防から一斉にバタバタバタと空に飛び立った。

やっとの思いで高台に着くと、15〜6人の釣り人がいた。
M.Tさんが驚いた様子で、
「よく来ましたね〜」
と出迎えてくれた。
ホッとした瞬間である。
O君は、もうあせあせモードで釣りを開始。
早速、ノビタも開始する。

M.Tさんがイシガキダイ
浮子下を竿1本に調整して足元に落としたが、始めに上がったのはフグ。
続いてシマダイの小学生が1匹。
後ろを振り向くと、M.Tさんが何やら腰をかがめてゴソゴソしていた。

   
                                     M.Tさんのイシガキダイ
どうしたのか聞くと、
「イシガキダイですよ」
と、言いながらゆったりとした動作で、タモを組み立てている。
あせる気配が全然ない。
その落ち着いた動作に、百戦錬磨を見た。

低い堤防を見ると、M.Tさんの馴染みが、真剣な顔で竿を持ち耐えている。
竿の先から道糸が海に伸び、水面から上に縞ダイとカワハギ、その下は海に潜り、黒い影が見え隠れしている。
M.Tさんが戻ると、竿をM.Tさん、タモは馴染みさんに変った。
堤防下5メートルほどか、馴染みさんがタモを黒い影に近ずけると、黒い影は右へ、左へ逃げ廻る。
何とか無事にタモに入ったのは、30cmほどのイシガキダイだった。

シマダイ乱舞
M.Tさんに、浮下の長さ、それと海底の様子を教えてもらった。
その後、狙うポイントをかえると、それからはシマダイの入れ食いモード。
ノビタの仕掛けは、重り負荷5号の棒状浮子に、ハリス2号のアジサビキ9号針、その下に重り6号を付けた。
仕掛けを投入してから1分、ダップン、ダップンの波に揉まれながら海面を漂っていた浮子が、スパッと海に沈み、そのまま海底に消えて行く。
                                         
此所はシマダイが主役
合せた。
海中からのクイーン、クイーンの抵抗を、問答無用とリールを巻いて来ると、シマダイの小学生、中学生がダブル、トリプルで上がって来る。

小学生クラスは海に帰ってもらい、中学生クラスは南無阿弥陀仏と、お持ち帰り組みに入れた。
この他に、ウミタナゴ、ムツ、メジナと入れ食い状態はエンドレスだった。

そしてまた、浮子がスパッと海中に消えた。
竿をビッシと立て、合わせる。
「............???」
この引きは、今までとは違う。
今までの数倍の引きだ。

  うつろな目をしたM.Tさんの30cm強ウマズラ
ハリス2号、頑張れ!。
ドキドキしながら竿を上げ下げし、リールを巻いて来る。
とうとう敵が浮上した。
今までより大きい。
海面に横たわったのは、30cm近いシマダイだった。

O君はコマセ籠をつけた為か、サバの猛攻に会い、途中からカゴを外した。
サビキでサバを釣ったのはO君だけだった。
堤防に転がっているサバを、M.Tさんや、その顔馴染みさん達は、それを餌に食べごろサイズのアナゴを、何匹か釣っていた。


O君はシマダイの他にカワハギを5匹ほど釣り上げたのだが、ノビタにはカワハギは来なかった。
午後1時に竿を仕舞、M.Tさん達と別れ、また胆試しの堤防を、あせりながら駆け抜けて来た。

今日の本命はウスバハギだったが、とうとう最後の最後まで、その姿を見ることが出来なかった、ところが帰り道の堤防で、それを釣った人を見て、O君おおいにくやしがる。
何かまた来週も来るような雰囲気になって来た。
火を付けたのはノビタなので、その時は付き合うしかないか。
家に着いたのは午後4時半、やはり鹿嶋は遠いな〜。

            
本日の釣果
シマダイ、メジナ、ムツ、タナゴ














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