2000年 11月11日(土)東海某堤防                  

        木枯らしと「悲愴」の1日

                              
現代最高のミュージカル(ニューヨーク・タイムズ紙)
ラ・マンチャの男
最近のノビタの釣りは、「ラ・マンチャの男」で唄われる”見果てぬ夢”がよく似合う。

  <見果てぬ夢>(騎士遍歴の唄)

  「 夢は稔り難く  .....
   胸に悲しみを秘めて  .......
   道は極め難く  腕は疲れ果つとも
   幻の魚をめざして  我は歩み続けん
   (遠き星)



「ラ・マンチャの男」は、皆さんご存知のドン・キホーテの物語で、ブロードウェイのマーチンベック劇場の舞台で、30年以上も公演されているミュージカル。
これは、「アラビアのロレンス」で有名なピーター・オトールと、「ひまわり」で有名なソフィア・ローレンとが共演した映画にもなりました。

 騎士の花コスモス
ノビタは、この映画の方を見たわけです。
日本でも青山劇場、日生劇場などで、松本幸四郎(松 たかこ の父)が、30年以上ドン・キホーテを演じ続けています。
1度見たいと思っているのだが、なかなか見にいく機会がありません。(釣りに忙しい日々なので)

ドンキホーテは槍を片手に、愛馬ロシュナンテに跨り、星をめざししたが、現代のドンキホーテは、竿を片手に愛車のホンダ・リードに跨り、幻の魚をめざしています。



                               
         天気晴朗なれど風強し
ボーズが続く
いつまで続くボーズぐせ。
釣りは難しい、分かっているのだが、ひょっとしてを期待して今日も午前と午後、2回も出陣した。
結果、またまた満身創痍となり、夢は崩壊、絶望の渕に落下した。
ベートーベンのピアノーソナタ第8番、ハ短調「悲愴」が、木枯らしの中で鳴り響いた1日だった。
この絶望の渕から何時はい出せるのか、人間のはかなさ、未来が見えない。



午前の部
午前3時過ぎに駐車場につき荷物を背負い、歩きかけたところで、hiehieさんに声を掛けられ驚かされる、挨拶を交わしお先に失礼して現場へ。
待ち合わせポイントには、既にOが来ていて、見ろ、見ろとノビタは彼のバケツに誘導されたのだが。
バケツの中には、人間の餌にしかならない小アジが3匹泳いでいただけ。
サイズはどうであれ、アジがこの海に入ることには間違いないようなので、慌てて準備を始めた。

 
ブラックリにハゼが
釣れないアジ
湾内なので外洋の影響は、さほど受け無い所だが、今日は時々、うねりが足元の堤防の上にのりそうな勢いだ。
釣りを開始したのは午前3時半、電気浮子に全く変化無し、電気浮子は、波のうねりに身を任せているだけ。
Oも同じだ。

午前4時頃、となりの先客が話をしにきたので、聞くと、彼は午前0時頃来て、まだ1匹もアジが釣れないと溜め息をついている。
それを聞くと、ますます望みが薄くなってきた。
彼と話をしていると、暗闇から突然、かくべいさんの顔が。
相変わらず、満面賑やかな顔をしての登場。
お陰で、暗くなりかけたこちらの気分が、幾分持ち直った。

彼の話では、ネット仲間が我々より先の方に随分集まっているはずという。
彼は風邪ぎみで体調がスローダウンし、40時間マラソンレースの釣りは控えていると、ゴホゴホ咳をしながら話ていた。
ひょっとすると38度を越す高熱を押して、出てきたのでは?。
この人は、たとえ明日をもしらない重体でも、カレイ爆釣なんて聞いたら、這っても来るような雰囲気を持っている。
3分ほど話し、彼は暗い闇の中に消えて行った。

ネット仲間族集合
結局、午前7時過ぎまでアタリ無し、ブラックリでアイナメも狙ったが、スレでハゼが掛かっただけ。
Oと一緒に先の方に様子を見に行くと、いました、いました、ネットの仲間達が。
かくべいさん、hiehieさん、BABOさん、銅鑼えもんさん、拓さん、栃なべさん。
彼らは、黒鯛を一人1匹から2匹釣り、アジには振られた様ですが、結構景気が良い様です。

誰かが竿を持ち叫んでいる。
そちらに行ってみると、タモの中で黒鯛がハネている。
我々と話に夢中になっていた拓さんのサビキ仕掛けに、掛かったのだ。
拓さん、危機一髪、運を拾ったようだ。
そこに遅れて、りょうさん、まきやんの若夫婦が登場、ますます周辺は賑やかになって来た。
冷たい北風が吹く快晴の冬空に、空に負けない明るい顔、顔、顔。
ノビタは午前8時にOに別れを告げ、ボーズを背負い撤退。

  
    天気晴朗なれど波高し
午後の部
午後1時、久慈川河口。
やはり海は大荒れだった。

堤防の先端にバイクを止め、しばらく様子を見る。
北風が強く、川側に投げると、アゲインストの風になる。
逆に海側に投げると、追い風になるので、投げやすいが、海側は波が怒涛の勢いで走る最悪のコンディション。
先客は堤防全体で8人ほど。
この時点では石持狙いと見たが、後で知ったが違った。



                                           
怒涛が走る海側
正体不明のアタリ
90%期待薄だが、餌まで買ってしまったので、ともかく川側に1本だけ竿を出してみた。
ビュービュー吹きまくる北風を真向かいに受ける為、仕掛けは50メートルほどが飛距離のベスト、それ以上は飛ばない。

そのまま竿をテトラに立て掛け、海の写真を撮っていると、お隣りのおじさんが、おーい、おーいと叫んでいる。
竿のある場所に戻ると、ビビビー、ビビビーと振えながら、竿が大きくお辞儀を繰り返している、風に揺れる動きとは違う、アタリだった。
すぐ竿を両手に持ち、大きく合わせたが、手応え無し、ノー・ヒット。

胴付き3本針の仕掛けを回収し、点検すると、一番下の餌が半分食われただけで、他の餌は損傷なし。
餌が無くならないということは、フグ族が不在なのだ、ホッ。
結果的には、石持も不在だったが...。

  
    久慈川河口で砕ける波
大捕物の正体は?
仕掛けを再度、先程と同じポイントにぶっ込み、様子を見ていると又アタリ。
ビシッ、ビシッ、ビシッ、ビビビビーーー、ビビビビーーーと竿先が川に引っ張られる。
今度はバラスまいぞと、しばらくそのまま竿を放置し、いつまでもアタリが繰り返されることを確認し、大きく竿を後ろに倒し合わせた。

ズッシーンと、今度は間違いなく相手とガップリ4つに組んだ様だ。
リールを5〜6メートルほど巻いたところで、突然、重厚な手応えがフッと消え、弓の様に曲っていた竿が、真っ直ぐ天を仰ぐ。
バラシた!、と疑うことなく思い込んだのだが。
リールを高速回転させて来ると。
いきなりズシーンと痛烈な強打を浴び、竿がなぎ倒された。
竿は、そのままガンガン、引き込まれる。
1時、ノン・コントロール状態に陥った。
相手の引きにまかせるしかない、強烈な引き。

大きくポンピングしながら、何とかこちらのペースに戻し、ジワジワとテトラの際に引き寄せる。
リールを巻きながら、4メートルほど下の波打ち際まで降りて行った。
波打ち際のテトラの影に、敵が波に浮き沈みしながら図体を横たえている。
その正体を見た途端、失望と、落胆の、底無し沼に突き落とされた。
ノビタの予想は、スズキだったのだが。

                               
       今日は無理だぜ(ヒラメ釣り)
波打ち際で、バフ、バフと喘いでいたのは、60センチは越えるかと思われるマルタだった。
仕掛けごとぶ千切るしかないと、道糸を掴み、引っ張ると、引き波に引っ張られ針が外れた。

ふっとテトラの下から上を見上げると、何と3人のギャラリーがこちらを見下ろしている。
「何だったーーー、石持か?」
砕ける波に負けない大声で、
「マルタ、マルターーーー!」
ギャラリーは何も言わず、パッと散ってしまった。

撤退!

この騒ぎの後は、全くアタリ無し。
他の釣り人が、海から仕掛けを回収した時、小さい魚が付いていたので、石持の子供が釣れたのかと思ったが、それはヒラメ釣りの餌で、生アジだった。
周囲の釣り師は、皆、ヒラメ狙いなのだ。
今日、ヒラメを釣った人はいない、そのうちポツリ、ポツリと人も減って行く。
この荒れた海で、ヒラメは無理だと思うのだが、これだけの人が集まるのは、かなりの実績があるからだと思う。
午後2時半、これ以上戦っても無駄と、久慈川河口を撤退。
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