2001年 1月13日(土)日立方面                   
  I can’t open the Sky!
                                        朝焼け
重い荷物
朝5時半、街灯に照らさた駐車場は、ガラ〜ン。
止まっている車は5台ほど。
夏なら信じられない光景だ。

この時間帯は、極上の寒さ。
街灯の下にバイクを止め、白い息を吐きながら荷物を降ろす。

コマセ類の入ったバケツ、それに竿ケース、これを両手に持った。
残りの練りコマセ袋、リール、小道具、人間の餌、ポットなどが入ったバッグを背負って、まだ暗い堤防へ。

50メートルも歩くと腕が痛くなり、足が重くなり、汗が吹き出す。
立ち止まり、重いコマセ入りバケツと、軽い竿ケースを、右から左に持ち替えた。
そしてまた、40〜50メートル進んでは立ち止まり、両手の荷物を持ち替える。
これを繰り返しながら、ヨロヨロ、ヨタヨタしながら進んで行く。

先客有り
途中1人釣り人を見ただけ、堤防には他に人の気配を感じない。
目的の場所に近ずくと、
「オハヨーーーッス!」
   
コメバル
元気のいい声を、10メートルほど先から投げられた。
かくべーさんだ。
彼は、ノビタより30分早く来たらしい。

寒さに震えながら海水を汲み、コマセを作っていると、どんどん空は白んで行く。
先の方から、GAMIさんと、NAKさんがやって来た。
彼等は、午前3時半に来たと言う。
その気合、気迫、闘志には敬意を表す。
でも結果がともなわないと...、馬鹿だ、阿呆だと呼ばれる現代ですぞ。
                                          
  コメジナ
全員集合
この後、我々と同様に、黒鯛釣り超初心者のOと、T.Fさんが到着。
遅れて、黒鯛釣り師のドラえもんさん。
NOBUさんも来た、彼はGAMIさん達の方へ、投げ釣りに行く。そして、黒鯛釣り師キンさんが登場。
     
ウニ
キンさんは、急な用事が出来て、黒鯛釣りが出来なくなった事を報せに来たのだ。
昨日、彼が準備したコマセを一式持参してきて、それを頂いてしまった。
暖かい缶コーヒーまで差し入れてもらい、恐縮至極である。

キンさんから仕掛け、棚取りの方法を教えてもらうと、何かすぐにでも黒鯛が釣れる様な気がしてきたのだが..。
キンさんが、自分なら此所ではなく、あちらを選ぶと指差した場所がある。
その場所は、いつの間にか人で埋まったが、今日の潮況から見ると、正しい選択だったのかもしれない。
後悔先に立たず、いつもこの様な失敗を繰り返す。

                               その時をじっと待つ
魚は何処に行った?
朝吹いていた西風が午前9時頃に止み、一時、陽射しも出て来た。
1時間、2時間、3時間、4時間、5時間経過....アタリ無し。
”タイム イズ マネー”。
我々はその”タイム”を、ぼやき、ぐちり、焦り、半分自棄糞になりながら、どんどん浪費して行く。
黒鯛釣りは、莫大なタイムを浪費するだけの見返りのない豪勢な遊びか。

隣りのOが壊れたテープレコーダの様に、
「クロー ダイ(苦労大)」と、喚いている。
神経質な、黒鯛への影響が気になるが、この寒さと、焦燥と、倦怠と、挫折を、やり過ごすには喚くしかないかと、放っておく。
釣れるのは、小メバル、小メジナ、アイナメ、ウニ、タコ、本命は何処にいる?、足元の海底からこちらをじっと窺っているのか。

初心者登場
昼頃には太陽も空も雲に消え、冷たい南風が吹き、気温は急激に下がって行った。
午前中に30、40センチ級の黒鯛が岸寄りで、何枚か上がったようだ。
その話しが届く度に、一瞬、真剣になり竿を持つ、でも10分もすると今までと同じ置き竿。
寒くて手がかじかみ、釣りに集中出来ないのだ。

  
サッパも釣れた
午後1時、突然SAIさんが来た。
格好は、この道10年のペテラン風だが、実態は生まれて始めて筆降ろしをする超初心者である。
でも彼は本気だ、立派な竿ケースに、新調の投げ竿2本を用意して来た。
まず彼は、形から入ろうとしている。

Oが、竿にリールの取り付け、仕掛けのセット、ベールを降ろす投げ釣りの基本を仕込んでいる。

此所は堤防である、周囲には捨て石が埋まってあり、初心者には難しい練習場だ。
仕掛けを何度か根掛かりさせ、SAIさんは早々に帰って行った。
この時期は釣れない、初心者は1に練習、2に練習と、釣果は一切考え無い方が良いと思う。

午後4時、隣りのおじさんが
朝のうち潮に流れがあったが、9時頃から終日、浮子は右にも、左にも流れなくなった。
海は鏡のように真平ら。
何もいない池で、ヘラブナ釣りをしている風景だ。
午後2時、3時、4時と時間だけが過ぎて行く。
黒鯛釣りは甘くない、辛く、しょっぱく、苦い、ということをしみじみと体験した。
                                  
うらやましい35センチ黒鯛
突然、ドラえもんさんの隣りにいた人にヒット。
タモに納まり引き上げられたのは、お腹がパンパンに張った35センチの黒鯛だった。
何故、黒鯛は我々5人をスキップして、その端にいたおじさんに来たのか。

釣りの妙諦は、運、勘、根と言われるが、アインシュタインは、
「神がサイコロをふることはない」
と否定する。
すなわち”世の中の全ては必然の結果であり、偶然などというものは存在しない”ということ。
偶然を期待し、泣き、笑いするノビタには、到底理解できない言葉だ。
おそらく、おじさんの今日の運勢は、最高の巡り合わせだったのさ。

Never Give UP!
午後5時半、起死回生の一打は、とうとう来なかった。
まだ戦うと言うかくべーさんを残して、全員撤収。
Oは、
「勇気ある撤退だ!」
と、威勢がいいが。
実際は、矢尽き刀折れ、の玉砕である。

ダイエーの中内 功会長が、経営から退くと決めた後、
”I can’t open the sky !”
という英語を披露したそうだ。
日本でしか通用しない英語だ。
彼の訳ではこうなる、
”そら(空)〜 あき(開き)まへんは”
Give UP宣言である。

ノビタは、今日はGive UPしたが、あきらめない。
Never Give UP!だ。
”痴(こけ)の一念、岩をも徹(とう)す”である。
しばらくは、黒鯛奮戦記が続くでしょう。


 
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