2001年 3月24日(土)磯先漁港                   
     今日も撃沈の章
                                             全国運動
運命交差点
まだ暗い交差点から、青い信号灯が決断せよとせまってくる。
”死ぬべきか生きるべきかそれが問題だ”ハムレットではないが決断の時だ。
左に曲れば阿字ケ浦、右に曲れば磯崎漁港。
阿字ケ浦も磯崎も全く情報は皆無である。
先週釣れた常盤の海を捨て、新たな場所を開拓しようとしていた。

信号が青から黄色へ。
「弘法場所を選ばず」
と、信号を右に突っ込んだ。
これまでと同じ過ちをまた繰り返す。
結果、累々と続く玉砕の歴史、それでもまだ懲りない。
我が辞書には「懲りる」という字はないのだろうか。

      
薄明に人影無し
一番乗り
午前5時15分、海岸線を左折し磯崎漁港に進入しようとすると、薄明の中で、漁業関係者とお思われる人が入口のゲートを開けている。
グットタイミングだ。
ゲートが開くと、漁業関係者の2トン車の後について漁港に入って行った。

空も海も急速に白く輝きを増す。
あえぐようにドドーン、ドドーンとテトラに打ち寄せる波。今日の海は穏やかだった。
港内に人影無し、一番乗りである。
風も弱く、なま暖かい。
暦はまだ3月だが、粘っこい空気には5月のむせる様な若葉の匂いを感じたが錯覚?。

魚の気配はない
堤防先端まで行き、荷を降ろした。
ボール紙に包んだパニック仕掛けを剥がし、道糸に繋ぐ。
竿2本に仕掛けをセットし、釣りを開始したのが5時半。
                                   
    穏やかな夜明
仕掛けを投入して10分、20分、神経光線を竿先に集中する。
魚のアタリ無し。
....1時間経過、2時間経過、竿先は波に引かれて単調な御辞儀を繰り返すだけ。

いつか緊張のゴムがたるんで馬鹿になる。
離れた所にいる釣り人の所に行き様子を聞くと、
「先週はテトラ側で、100匹近く釣った人がいたけど」
それは凄い!、と驚いて見せたが、場所の選択を誤ったことを知る。
(やはり阿字ケ浦方面に行くべきだったか)

隣りの人に数匹
隣りに釣り人が来た。
パニック仕掛けの上に浮子を付け、15メートルほど遠投するとすぐに、仕掛けを海から回収している。
回収した仕掛けにはシラスが3匹ついていた。
このあとまた2匹釣り上げたが、それが最後だった。
後はノビタと同じ様に、無、静、沈の世界。

  
次々と人が湧いて来る
午前8時、堤防の内も外も釣り人で賑わって来た。
天気晴朗春うらら。
おじさん、おばさん、お姉に、お兄に、子供達、堤防全体に、ひま、ひま、ひまが蔓延して行く。
午前10時、緊張のゴムがとうとう伸び切った。
もうあかんと堤防の上に引っくり返り白川夜船、夢は千里を駆け巡る。

ノビタの釣り天国知ってますか
午前11時、目が覚めると。
隣りの人は相変わらず隣りにいる。
何も釣れないのに、あきもせず浮子を見ていた。
たいしたもんだと偉く感心する。
桃栗3年柿8年、ダルマは9年、忍の1字か。
待つ相手は4〜5センチのたかがシラスだが、メダカに比べりゃ大物か。
                                    
ひたちなか市のMさん
ノビタも1本の竿は浮子仕掛けにしていたが、浮子はただ波間にプカプカ漂っているだけ。
ひまを持てあまし、隣りの人と話しをすると、
「インターネットでノビタの釣り天国知ってますか」
と聞かれて、眠気がぶっ飛んだ。
ノビタですと答えると、今度は隣りの人が、ぶっ飛んだ(様だった)。
隣りの人は、ひたちなか市に住むMですと、名字を教えて頂いた。
しばらく2人で、釣りの話しなどで盛り上がる。

ボーズの帰還
午後12時、納竿。
早朝の、期待に満ちた元気は、百万光年の彼方に消え去り、今日も疲労と空虚を背負って帰って来た。

    
女性アングラが行く
シラスは撃沈だったが、毎年この時期、此所で出会う磯崎のシラス釣り名人に会えた。
まだ元気に生きておられたのだ。

釣り歴25年もやってると、毎年その季節にその釣り場で会う人が、1人減り、2人減りして行く事が寂しい。
会えなくなった方は、御亡くなりなっているのだ。
魚にとっては嬉しいことだろうが...。

Mさんに挨拶して帰ろうとすると、
「大漁だったら投稿します」
と言っていたが、何時まで粘るつもりなのか。

   
                                 磯先のシラス釣り名人
若い女性アングラーも見た。
めずらしい。
男女平等と言う世の中なれど、釣り場は圧倒的に男子世界である。

桜が散り、若葉が萌える頃まで、後1ケ月。
いよいよ釣りシーズン到来だ。
石持が沖釣りの外道で釣れたと聞く。
毎日、10センチずつつ岸に近ずいているのかもしれない。
サヨリは鹿嶋方面で釣れたらしい。
タナゴは水温が13度になると釣れ始まる、あと1.5度だ。
確実に水温は上昇している。
堤防に、砂浜に、川に、魚の大群が音を立てて近ずいて来る。
もうすぐ貧果ともさらばだ。
 
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