2001年 3月31日(土)日立寄りの海                  
    犬も歩けば光明を見た

風雨の中のガマン比べ
空を覆う厚い雲の下を、堤防の先端へ急いだ。
外洋側のテトラは、500メートルほど続いている。
そのテトラに、点、点、点と、10人ほどの釣り師が張り付いていた。
「.......?」
さほど気にもせず通り過ぎる。
帰りも衝撃的な目撃がなければ、単なる釣りの風景で終ったのだが....。

堤防先端には先客が一人、ノビタが狙っていた所に投げ竿を4本並べていた。
期待していた所なので、少々落胆。

先客の反対側に竿を出したのが午前7時。
冷凍庫から吹き出して来た様な北西の風が、堤防の上をヒューヒューと吹き抜けて行き、体の芯まで冷えていく。
午前7時半頃から風にパラパラと雨が混じり、先客と2人でガマン大会モードに突入。
先客がリタイヤすれば、その場所はノビタのもの。
ところが相手も強者で、風雨の勢いが増し、釣れるのはヒトデだけなのに、一向に帰る気配を見せない。

チーズは何処へ消えた?(番外編)
朝、寝起き30分ほど、今、本屋でベストセラーになっているという「チーズは何処へ消えた?」を読んできた。
お話しは、2匹のネズミと2人の小人が、チーズの沢山ある所で毎日幸福に暮らしていたのだが。
ある日突然、チーズが何処かに消えてしまう。
単純な頭脳だが優れた本能を持つネズミは、すぐそこから出て、新たなチーズのある場所を探しに行き、素晴らしいチーズの山を発見する。

複雑な頭脳を持つ小人は、事態を分析しようとして物事を複雑に考え、かつ新たな場所を探しに行く危険性を考え、いつまでもそこにいる。
小人は食べる物がなくなり、体力を失っていくがその場所に執着し離れられない。
とうとう小人の一人が、そこを出て行った。

この本は、いかに早く変化を知り、かつ変化に素早く対応するかの必要性を説いている。
    
シラスの親分
新しい事に懐疑的な保守的な人、複雑な頭脳を持っているが故に大胆な行動に出られない人は要注意、昨日の続きが今日、今日の続きが明日的暮らしをしていると、不幸になりますよと警告しているのです。


シラスは何処へ消えた?
北西の風が強まり、雪混じりの雨が勢いを増してきた。
昨夜の予報では、茨城北方面は曇りだったのに、またもハズレ。
お陰様で防寒具はズブ濡れ、水気がジワ〜っとパンツまで浸透し、体の状態はますます最悪になっただよ。

8時頃、やっと5センチほどのシラスが2匹釣れた、それっきりだ。
シラスは何処へ消えた?。
ネズミの様に、此所を去るのが賢明なのか。
先ほど釣った2匹は、これから釣れる前ぶれなのか。
午前8時半、磯1号5.3メートルの竿先が、風に大きく揺れながら不自然な振動を繰り返した。
キタ、キタ、キタ〜〜♪。
                                  
  7匹釣れた、魚は魚
ゆっくり仕掛けを海から回収すると、風にたなびきながらシラスが5匹付いていた。
ポッと、お頭の中で線香花火がはじけたが、それから20分、アタリ無し。
この20分をネズミならどう見るか。

午前9時、馬鹿やっててもしょうがないと竿を仕舞う。
隣りのカレイ釣り師は、ズブ濡れになりながらヒトデを釣っているが帰る気配がない。
本日の我慢大会は、ノビタの負けである。
釣れた7匹は、海にリリース。


ノビタは見た
冷たい雨に霞む堤防の上を、北風を背にショボショボと歩いていた。
と足元に、赤錆びた鉄の輪に結ばれた白いロープがある。
「......?」
目が、点、点、点と白いロープの行き先を追って行くと。
何とーーーーーー!。
青い海面にギラリと、銀色に輝く4個の魚体、クロダイだ〜〜。

堤防から下、海面まで5メートルほどあるが、大きさは目測30〜40センチとみた。
此所で黒鯛が釣れている噂は聞いていた、宝くじ並みだろうと興味はなかったが。

百聞は一見にしかず!。
たしか、6時半にこのポイントを通過した時は誰もいなかった、すなわち6時半から9時までに釣ったのだ。
それも黒鯛4枚、宝くじを4枚も、一人で、わずか2時間半ほどで当てるか。
これはもう偶然とは呼ばない、必然的と断定しても宜しい。

  
 ひたすら待つ、その一瞬を
日立フイッシングセンターの”お魚暦”を見ると、3月はまだ黒鯛が釣れない時期である。
今年は早々と、黒鯛の乗込シーズンに突入したようだ。

この目撃は嬉しかった。
シラスにも見放され、意慾も、希望も、期待も失せた暗いトンネルの先に、今、光明が忽然と現れたのだ。


しばらくシラスに戯れ、玩物喪志になりかけていた。
シラスちゃんグッバーイ、黒鯛釣り師さんサンキューー。
黒鯛よ、決めた、お前に決めた。
難易度100%の強敵(ノビタにとって)、ヤッタル、待ってろよ!。
氷雨が何やねん、勇気凛々、ピチ、ピチ、チャプ、チャプ....♪だ。
問題は、この興奮、熱情、闘志をいつまで持続できるかだが...。

誰か道連れを誘おう。
ただ此所は足場も難易度100%。
坊主の道連れは止む無しとしても、三途の川へは誘えない。
と言うことで、ネット仲間は無理と判断。
写真を見て来る分にはかまわないが、スパイクブーツ&ライフジャケットという入場券は御忘れなく。
この様な足場で釣りが出来る釣り師は....。
残り物には福は無し、早い者勝ちですぞチャンチャン。
 
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