2001年 7月7日(土)常盤の海                    
     賑やかな夜釣り

                                   昨夜の雨が嘘のよう
閑散とした駐車場で
豪雨が過ぎ、雨脚が細くなった午後8時過ぎ。
駐車場は、雨に打たれた数台の車がひっそりと停まっていた。
”おもちゃのマーチ”があるか、キョロキョロ見渡したが無い。
Oは、弱気になったか?。
午後8時には来る様な事を言っていたのだが..。

午後7時の予報では北茨城地方に雷注意報。
確かに、いつ雷神が見参してもおかしくないほど黒い雲が地面に近い。

駐車場から釣り場に向かおうとすると、薄暗い駐車場を背にチバフクさんが近ずいて来た。
豪雨を避ける為、かくべーさんと一端現場から引き上げ。
雨が小降りになると、かくべーさんはまた現場に走ったらしい。

チバフクさんに手を振り、現場に急いだ。
普段なら釣り人のヘッドランプが、堤防のいたる所で動いているのだが、今夜はまるで光らない。
港の灯りが遠い箇所は、闇の世界だ。

   
朝ボラケの釣り師かくべー
恐怖心
ポツリ、ポツリと天から落ちて来る滴が気になる。
悩みは、ありもしない妄想から生まれるという。
その妄想に萎縮する人間、妄想をけちらす人間がいる。
恐怖心も同じか、雷の恐怖にUターンしそうになりながら、夢中で先を急いだ。

途中夜釣りをしている人が3人ほどいたが、かくべーさんではなかった。
かくべーさんは何処だ。
ノビタの居る位置から先は闇である。
チバフクさんを待つことにした。

地獄の果てまで
5分ほどタバコを吹かしながら待っていると、チバフクさんがやって来た。
彼と2人でかくべーさんの所へ。
しばらく行くと、かくべーさん、隣りにT.Fさんがいた。
「地獄の果てまで ついて行く」(美川憲一「さそり座の女」)
の、同志に会ったような安堵感、恐怖心が遠くなる。

                                 
釣り師かくべーの29cmメバル
釣りを開始したのは午後8時半。
磯1号5.3メートルの竿にサビキ+コマセ籠、針に餌をつけず足元の水面下に落とした。
もう1本の磯2号5.3メートル竿は、電気浮子付きのサビキ仕掛け。
こちらはコマセ籠無しで、針に沖アミを付ける。

アジ釣れる
釣りを開始して10分ほど経過。
磯1号の竿先が、突然。
コンバンハ、コンバンハ...♪と、大きく御辞儀を繰り返した。
「マッテマシターー♪」
と叫びながら竿を上げると、18cmほどのアジ。
その直後、電気浮子が前ぶれもなくズボッと海中に消えた。
ドッキ〜ンと、心臓が。
期待外れ、1匹目と同形サイズのアジだった。
食いが悪い、15分に1匹程度のスピード。

かくべーさんのイカ騒動
かくべーさんが、釣れればもっけもんのイカ仕掛けを、黒い海に投入していたが。
それにヤリイカが連続ヒット。
その度にT.Fさんが呼ばれタモ入れ失敗。
2人の悲しい叫び声が、何度も空気を振動させる。
ノビタを呼ぶなよ、呼ぶなよと念じていたら、とうとう御声が掛かかり。
かくべーさんの6.2メートルのタモを使う破目に。
ランタンの灯りが照らす海面を覗くと、30cmほどの茶色ぽい生物がいる。

タモ網を水面下に沈め、ソロソロと近ずけていると、
「あれーー、もう1匹いるよ!?」
かくべーさんの素っ頓狂な声、一瞬ドキリ。
1匹さえ難しいのに、2匹掬えってか?。
ノビタには1匹しか見えないのだが....。

ともかく網を獲物に超接近、クライマックス土壇場。
危険を察知したイカチャンが、スーーーッと仕掛けから手を離し、暗い海へ消えた、それも夫婦(2匹)で。
かくべーさんの落胆、続けてイカのグッドバイ賛歌、
「また逢う日まで 逢える時まで♪」(尾崎紀世彦「また逢う日まで」)
この日、これが永遠の別れに。
イカ夫婦は九死に一生を得る、チーーン♪、南無阿弥陀仏。

    
むなしいルアータイム
釣り馬鹿5銃士揃う
午後9時頃、O現わる。
来た途端、大声で此所に来るまでの大変さを喚き始めた。
おそらく雷の恐怖、釣り人のほとんどいない堤防への心細さから解放された安堵感が、そうさせたのであろう。
ともかくこれで、かくべさん、T.Fさん、チバフクさん、O、ノビタの”雨にも負けず 風にも負けず”の釣り馬鹿5銃士が揃ったわけだ。

ところがランタンのある狭い所に、ノビタとかくべーさんと、Oの3人が肩を寄せ合う様に、一人2〜3本の竿を出したので、アジが釣れる度にお祭り続出。
お祭りを横目に釣りをしている方は、今だ、今だ、来い、来いと、他人の不幸が嬉しい。
こんな時って来ないのだ。

かくべーさん今日も♪
有名な、金砂町ドラえもん式フカセ釣りを試していたかくべーさんが。
突然、回りの迷惑省みず、獣のような叫びを発した。
「オヒョーー、デケェイ、凄い引き!」
叫びは、哀願に。
「タモ、お願いしま〜〜す!」
知ら〜んと、聞こえない振りをしていたら。
タモ入れ、ど素人のT.Fさんが、よせば良いのに。
イカの失敗にもめげずスタンバイ。
(この人は、起上り小帽坊主の様にめげない)
                                     
茫然自失?のO
獲物はなかなか岸に近寄らない。
逃げないかな〜、逃げろ、逃げろと心の中で叫ぶ。
もし逃げたら、大きかったな〜と、慰める言葉も用意しておいたが。

時間にして2〜3分、残念、取り込み成功。
全員のヘッドランプと、羨望の目にさらされたのは、ブラウン色に輝く30cmほどのメバル。
Oが、
「俺の名前、書いてない?」
と、くやしさ半分の問いを。
彼曰く、この冬、釣った小メバルに全て名前を書いてリリースしたと主張。
体の成長とともに文字も大きくなり、はっきり分かるはずと。
残念ながら美しい魚体に、そんな大きい名前は刻まれていなかった。

山口百恵の歌が
午後10時を過ぎると、アジは極端に数が減り、30分に1匹程のスピードに。
じわじわと、山口百恵の”横須賀ストーリー♪”になってきた。
「これっきり これっきり
        もう これっきりですか〜♪」
午後11時、これっきりの1匹を誰かが釣った後は、うんともすんとも音信不通となる。

そしてノビタの独占タイム
午前2時、いつの間にやらT.Fさんは帰宅。
久々のアタリが、堤防の縁にたらした竿に。
いきなり、エンヤドット、エンヤドット♪と、ノビタだけ入れ食い。
電気浮子の赤い灯りがズボッ、ズボッと暗い海面から消え。
その度に、分け分からん事を叫びながら汗を飛ばして、竿を上げたり、下げたり。

   
アジさんのルアーも振るわず
隣りは、シーーーン。
(うらめしそうな空気が漂っていた)
ノビタ元気一杯、大いにはしゃぐ、超快感。
実際は20cm前後のアジでも、
「デカイ、デカイ、30cmオーバーだよ、こりゃ〜♪」
と連発、あいた口が塞がらない。

隣りから、「ウルセーナ〜、ったく」とひがみ声。
それを無視して、竿さばきも、
「オットト〜、オットトト〜♪」
大物風に、そのうち演技に自己陶酔、疲れたーー。


しばらくしてやっと隣りのOにも。
Oが1週間、極秘に考案した超秘密仕掛けに小アジが1匹ブラ下がった。
ユニークなその仕掛け、隣りのかくべーさんに発見され、大笑い。
”これでも釣れるんだ〜賞”もんである。
この後全員、仕掛けに関係なく時速20匹状態に突入。

カンパチの群れが
明るくなった午前4時、アジさんがシーバスロッドを下げてやって来た。
既にアジのアタリ無し。
アジさんに遠投したら釣れるハズと言われたが、もう心は秋空。
アジさんがジグサビキを始めるも、空振り多し。
どうした分けか、太刀魚の姿も見えない。
太刀魚の天敵が、この港に侵入して来たか。

20メートルほど離れた所にいたルアーマン3人が、良形のアジらしき物を上げた。
すぐもう一人が、同形サイズを上げる。
アジさんが、あれはカンパチだ!、と早速メタルジグオンリーで、カンパチを狙う。
チャポーン、ノーヒット、チャポーン、ノーヒット..........。
反対側を攻める。
「カンパチが群れてる!」
アジさんの声。
かくべーさん、O、そしてチバフクさんと、次々にカンパチ釣りに参入。
水面下に、ルアーを追う茶色い魚影が数匹、カンパチだ。
しばらく様子を見ていたが、誰にもヒットせず。
まだ25cm前後と型が小さいので、ジグも20g以下でないと無理なのかも。

                                      
本日釣果
納竿
午前6時、皆に別れを告げて撤退。
途中、会社の同僚数人に会う。
聞くと、全員ジグサビキでアジを10匹前後釣った様だが、太刀魚は1匹も釣れないと、不思議がっていた。

これは今日だけの現象なのか、永遠なのか。
帰る途中、同じ団地に住むSAKさんと入れ違いとなる。
これからカワハギ釣りだと言う。
おもしろい様に釣れるよ、と話していたが?。

家に帰り、カミさんに朝食のおかずにアジのタタキ、残りは子供達にハンバーグにするよう注文、快諾して頂く。
缶ビールをグイ飲み、何とも言えない満足感、今日は久々のHappy End。

本日釣果   アジ  18〜24cm 40匹ほど(アジさんにも御裾分け)
         おまけ 石持 20cm 1匹(Oがまた笑う)
 
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