2001年 8月10日(土)日立沖のイカ釣り               
   イカ、イカ、イカ...の海!
                                水面下はイカの王国だった!
手を焼く客
日立フイッシングセンターサウス店に入ると、
「あれぇー、どうしたのかと思ってました」
と、ほっとした表情でE子さん。
時計を見ると、午後4時50分。

朝、イカ釣りを予約する時に、午後4時半までに店に行きます、と言ったので気を揉んだらしい。
船に乗る客は全員乗船している時間だ。
ガソリンスタンドと、コンビニに寄る時間を計算に入れず、家を出た結果である。

この後、店の前に止めたバイクに鍵を差込んだまま船に乗り。
走る船上で、船長からE子さんに連絡を取ってもらって、SOS。
何とかバイクの鍵を無事救出、手を焼かしてしまったと、反省。

出港
午後5時定刻に龍翔丸は本土に別れを告げ、北アメリカ寄りの魚場に向かった。
東風やや強く、空は曇天、されど海は穏やか。
「天気晴朗なれど波高し!」の逆、「天候不順なれど波低し!」である。
ハイテク船はエンジン全開で、ドドドドド....と風を割き、波を蹴散らし、見果てぬ夢を求めて突き進む。
「The end of the word」(世界の果てまで)
ブレンダリー(?)が歌った歌の題名だが。
気分はこんな感じ、軍艦マーチに聞こえる船の轟音がそうさせるのか、太平洋の広大さがそうさせるのか。
人間が単純なせいか、いつも船に乗ると、気宇壮大な気分になってくる。

 
 足に飛びついたイカ太郎
棚が分からず
魚場に着いたのは、午後6時13分。
海は眠っている様に、静かだった。
海上は刻々と灰色から墨色に変化して行く。
東風が冷たいせいか、寒気を感じクシャミを一発。
これは幸先が良いのか、悪いのか。

開始のベルが鳴ったのは、まだ明るい午後6時半。
船長がマイクで何かしゃべっていた。
聞き取れない。
気にせずイカ天仕掛けをドボーンと海中に沈める。
水深メータが、10メートルを指し、20メートルを指し、30メートルを指し、40メートルを指した所でロックレーバーをオン。
何度かシャクルも手応え無し。
周囲ではポツポツとイカが、上がり始めているのに。

始めの2杯
棚が合っていないと思いつつシャクッていると、
「棚を60メートルにして下さい」
と、船の若いスタッフが、アドバイスしてくれた。

仕掛けを65メートルまで落とし、リールを巻きながらシャクッていると、来ました。
元気のいいグイグイグイの信号が、海中から手元に送られて来ました。
重り負荷20号〜60号の柔らかい2.7メートル竿が、ほぼ直角に湾曲している。
エンヤードット、エンヤードット、とリールを巻いて来ると、途中で何度もグイグイの追撃を受け、直後に軽くなるが、まだ手応えは有った。
始めに上ったのは30〜40cmが2杯、嬉しい2杯だった。
空振りのイカ針には、イカの足が恨めしそうに揺れている。
上って来る途中、足を斬って逃げたのだ。


嬉しい外道
イカを5杯釣り上げた後。
イカ天を水深30メートルまで沈め糸ふけを取っていると、いきなりドカーンと異常な体当たりが手元に伝わって来た。
強烈なアタリだ。
「...!?」。
                                
50cmの本カツオが釣れた
怒れる敵は、ビビビビビビーーと竿先を細く振動させながら、右へ、左へと、走りまくる。
こりゃサバじゃ!。
モタモタしていると、向こう三軒両隣りの人に迷惑がかかると。

汗を空中に散布しながら、
「エッサ、ホイサ、エッサ、ホイサ、お猿の籠やだホイサッサ♪」
とリールを巻く。
ビビビビーと、猛烈な連打と引き込み。
その引きに耐えながら、ジワジワとリールを巻いて来た。

突然、頭上から船長の声が落ちてきた。
「オーーッ、カツオだぞーー!」
命を燃焼させて闘った美しい魚体が、観念したかのように水面に横たわる。
道糸を掴もうとするが、ロッドキーパーが無い為、カツオの重さで竿がグラグラ揺れて、道糸が掴めない。
結局、船長にカツオを引き上げてもらった。
カツオは50cm、それにイカ一杯のダブル。
カツオはイカ天を咥え、尾に道糸を絡ませ雁字搦めになっていた。
嬉しい外道だった。

イカ爆釣!
午後7時、海が闇に覆われた途端、イカの爆釣モードに入る。
イカ仕掛けをドボーンと海中に落下させて行くと、水深メータは5メートルで停止、道糸がタラーンと糸ふけを起こす。
まるで仕掛けが、海中にある棚にポンと乗っかった様な感じだ。
シャクルとググッと水面下から反動が返った。
そのまま仕掛けを棚から落とす様に、海底に落下させて行く。
ゴロン、ゴロン、ゴロンと仕掛けは、何段もの棚から落ちる様に、水深30メートルまで落ち停止。

リールのストッパーをオン、一シャクリ。
ズシーンとした重量感が返る。
直後、ポセイドンの手で張り倒される様な強烈な力が加わり。
竿先がグイグイと水中に引き込まれて行く。
コンニヤローーと、体中を軋ませながら竿を起こし。
リールを一巻き、二巻。
海中から、追撃の一打、二打、三打。

負けじと、頑固一徹、此所一番とリールを巻く。
よいとまけの歌を、口ずさみつつだ。
「カーチャンの為ならエーンヤコラ、もうひとつおまけにエーンヤコーラ♪」
とうとう、敵が海面に浮上。
5本針全てにイカ、パーフェクトだ。

何度も、何度もこれを繰り返す。
この海原一帯は、水面下5メートル〜60メートルほどまで、イカの厚い層で覆われている様だ。
                               クーラボックス2個分のイカ
夜の海は魚族のパラダイス
漁り火に照らされた足元の海面は、白濁したモスグリーンの光沢を放ち。
小波にキラキラと光りが乱舞する。

鮮やかなライトブルーの紳士服に身を包んだシーラが、数匹ゆったりと旋回して行き。
白いウエデイングドレスに身を包んだイカが、次々と海面に沸き上がっては、水泡の様に左右に消えて行く。
音の消えた夜の海は、魚族のパラダイスなのかも。
何処からか、オー・シャンゼリゼと歌が流れて来るようだ。

疲れた〜
午後8時半を廻った頃から、さすがに疲労感が全身に広がる。
ガタ、ガタとあちらこちらが軋む老体にムチを打ち、もう一度と。
海を睨むのだが。
仕掛けを入れれば3〜5杯上がるイカ。

精神力はまだ健在で、
「敵は幾万有りとても〜♪」
と頑張るのだが、手も、足も、腰もそれに逆らい、ついて来ない。

この海では、宮本武蔵や、塚原卜伝や、眠狂四郎や、座頭市の様な剣豪級釣り師は不要だが。
スーパーマンとか、貴の花とか、ゴジラ並みの疲れをしらない力が欲しい。
午後8時半を廻った頃から戦いを放棄し、休みがちになる。
午後9時半、皆さんより先に後片付けを始めた。
午後11時、本土に帰港。
日立沖のイカ釣りは大円を描き、一片の悔いもなく完結した。
問題は、これから毎日の様にイカずくしの料理が食卓に並べられる事である。

本日の釣果   クロイカ  30〜45cm  87杯

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