2001年 10月6日(土)日立沖釣り                  
   イナダ爆釣だったけど船中ビリ
                                 朝日に染まる港内を
安易な道
ここ2週、連続で魚に振られ、いささかうんざりしていた。
最近の陸釣りは、ハイリスク.ローリタンだ。
釣りたい。
それも安易で、簡易で、容易で、かつ確実に。
要は、ローリスク.ハイリターンの釣りがしたいのだ。
ならば文明の力、魚群探知機を駆使する沖釣りしかないと、本日は沖釣りを選んだ。

夢見るTK氏
日立フイッシングセンターサウス店に着いたのは、まだ夜の明けきらぬ朝の5時。
店がもっとも活況を盛する時間帯である。
この時間は、沖釣り船や、日立沖堤に渡船する客で店内は騒然となる。
E子さんが、
「おはようございま〜す、おはようございま〜す」
を連叫し、口、耳、手、足をフル回転させて客を捌いていた。

「TK氏は来た?」
昨夕、サウス店で会った黒鯛釣り師TK氏、沖釣り初挑戦なのに、ノビタと勝負すると身の程知らずにほざいていたが....。
「もう船に乗ってますよ」
とE子さんが笑っている。
遅れをとったかと、ノビタも船着き場へ。

   
手を振る人は、いなかった
薄明るい船着き場で。
TK氏が車のトランクを開け、ガサゴソ、ガサゴソやっていた。
挨拶をすると、満面嬉しくてたまらんばいと言った顔で振り返り、
「今日は負けませんよ」
とまた挑戦の挨拶だ。
「1匹だった、2匹だったの勝負にならなければいいけど」
と、よくある釣況パターンで返す。
彼は左舷側、ノビタは右舷側とお互い姿が見えない位置に別れたが。
結果的には、これで恥じをかかずに済んだのだ。
もし隣りに彼がいたらと思うとゾッとする。

出港
陸も、空も、明るさを増してきた。
風は僅かに西から吹いている。
今日も絶好の釣り日和だ。
寒いと思い着込んで来たせいか、やけに暖かく感じる。

午前6時、龍翔丸は日立港第5埠頭の船着き場を離れた。
長大な波の尾を曳きながら、ハイテック船龍翔丸は威風堂々と港内を行く。
朝日を浴びて淡いピンク色に染まる大型貨物船、倉庫、灯台、大型クレーン.....。
堤防の上は、釣り人の黒い影が点、点、点と蠢き。
港内は今、夜に別れをつげて、静かに息を吹き返したようだ。
同船の釣り客は、港の景色より遥か遠くをじっと見つめている。
まだ娑婆の呪縛から開放されていないのか、その顔は厳しい。
                                    
入食い突入だ〜
外洋に出ると多少うねりがあった。
龍翔丸のドッドッドッドッ....のエンジン音が、百万の援軍を率いているように頼もしく。
秦の始皇帝もかくもあらんか、である。

浮世の憂鬱や奧悩で腐りつつある魂が、どんどん浄化され溶明となり、身は大自然と混合し一体化し。
いつか釣り師達の顔から、厳しさが消え。
同船異夢か、同船同夢か。
一獲千金を夢見る顔、顔、顔に変っていた。

今か今かと待つ身はつらい
港を出て10分。
爽やかで柔和な大気が漂う海上に船は停止した。
「仕掛けを落とせ」
の吹鳴が、大気を裂くと。
ドボン、ドボン、ドボンと次々に仕掛けが海に投入され。
待つこと2〜3分。

早くも、みよし(船首)の方で「!」が。
そして「♪」が、宙空に舞い上がる。
とうとう左隣りの客にも40センチほどのイナダが来た。
今度は俺の番と、
「食いつけ、食いつけ」
と竿に念波を送ったが。
竿は、波のうねりに呼応して上下運動を繰り返すだけ。

   
イナダ釣りの船、船、船
食い逃げ
一瞬、竿先がガツ、ガツ、ガツと小刻みに震え、弾かれた。
海面下で何かが起こったのだ。
続いてまた、一瞬、竿先に同様の異変。
竿を持ち、しゃくったが。
手応え無し。

重り60号の仕掛けを海中から回収すると、6本針のうち2本の針は餌が無くなっていた。
食い逃げだ!。
自作の仕掛けだが、ソイの17号針は餌の冷凍イワシに比べ大き過ぎたようだ。

やっと釣れた
そしてやっと。
竿が、ガガーン、ガガーンと頭を下げながら大きく身震い。
「キタ〜〜」
「こなくそ〜」
ピーーンと水中に突き刺さった道糸が、バターナイフの様に海面を右に左に切り裂く。
ハリス8号、充分過ぎる太さだ、心配御無用と。
強引に、容赦なく、ガンガンとリールを巻いて来る。

何とかイナダを船上に引き上げたが。
枝間90センチの6本針は仕掛けの長さが5メートルとなり。
竿の長さ2.7メートルでは、扱い憎いたらありゃしない。
身長1メートルの幼児が、佐々木小次郎の長い刀を振り回すのと同じように、仕掛けの長さをもてあまし、効率すこぶる低下。
それでも面倒と仕掛けを改善せず、釣り続ける。
7時までに、やっと2本ゲット。
この後、船は場所を移動。
                                  
場所を移動したが...
イナダの絨毯
移動した先の海中には、イナダが絨毯の様に群れていた。
仕掛けを投入すると、すぐアタリ。
周囲は戦場と化す。
仕掛けが棚の12メートルまで沈んで行く途中で、ヒットし。
いきなりググーーッ、グググーーッの引き。
イナダの強烈な引きを制し船上に引き抜く。
その後の仕掛けの返しにもたつき、数が伸びない。

8時半、右隣りは北海道の帯広から来た人、彼のポリバケツは既に何十本かのイナダで埋まっていた。
ノビタは、まだ8本。
やっと気がつき、手返しを早くする対策に針を3本にした。

途端に、手返しに勢いが出たが。
今度は足元に置いていた予備の仕掛けと、イナダの掛かった仕掛けがからまり、ダンゴ状態となる。
今日の運勢は、中途半端な運だったのか。
まだ時間は充分あると、あせらずゆっくり仕掛けを解いていたが。
”一寸の光陰軽んず可からず”、後で後悔する。

入れ食いが続く
左隣りの客が、
「もうたくさんだ。もういいよ。」
と叫んでいる。
やっと仕掛けを解き、これからだと思っていた身には、きついお言葉だった。

      
本日の釣果
何度めかの仕掛け投入。
仕掛けが棚に落ちて行く途中で。
いきなりドドドドドド....の暴走族の手応え。
覚えのある引きだ。
そして糸ふけ、そしてまたドドドドドドド.....の暴走。
これは間違いなく、きゃつだ!。

力一杯、滅茶苦茶にリールを巻き続け、船上に獲物を引き上げると。
お馴染みの50センチほどのメジマグロだった。
この後、また同型のメジマグロを追釣。
食い逃げもかなりの頻度だったが、概ね絶好調!。
いつしか龍翔丸の周囲に何艘もの船が集結していた。
そのまま海上に貼り付き動かない。



もう少し釣りたかった

イナダ爆釣が続くさなか。
ノビタもやっと人並みに掛かり始めた午前9時半、場所移動の合図...。
「月にむら雲 花に風」か。
落ちこぼれ組みには、後ろ髪を引かれる移動だった。
(”全ての道はローマに通ずる”とは限らない)
と心で、船長に呼びかけたが聞こえるはずもなし。
移動後はパッとせずEnd。

船が港に戻ってからTK氏に戦果を聞くと、32匹釣ったとニコニコ饅頭。
ノビタも同じくらい釣ったよと答えると、(まだ数えていなかったので...)
「あ〜良かった」
と、ホッとした様な顔をした。
多分、ノビタに差をつけられなくて良かったと思ったのであろう。
ああこの日誌が、彼の目に触れない事を祈る。
                                          
Oのヒラメ
本日釣果
 イナダ     34〜38センチ  18本
 メジマグロ      45センチ   2本

隣りの北海道帯広の方  イナダ    47本
                メジマグロ   3本
その隣りの人        イナダ    49本

Oがとうとうヒラメをゲット
夕刻の午後4時半、Oが顔をテッカ、テッカに輝かせ、ノビタの家に飛び込んで来た。
「やったぞーー!、ヒラメじゃヒラメ♪」
実物をブラ下げて、玄関の前に立っていた。
62センチ、湊よりの海で釣ったらしい。
まるで小さな台風が我が家を襲った様な騒ぎだ。
見せ代としてヒラメを半分頂いたので、お返しにメジマグロを持って帰った。
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