2002年1月12日(土)日立沖〜鹿嶋沖釣り            
      ハイそれまで♪

久々の釣り
昨年10月のアクシデント以来、充電と、焦燥と、休日の浪費を重ねていた。
季節は真冬、釣りには厳しいが。
「坊主を恐れていたんじゃ釣り師は勤まらない」
と、やっと重い腰を持ち上げる。
どうせ行くなら選り抜きの場所で、乾坤一擲
(けんこんいってき)の大勝負と、夢はデッカク。

                                       
闇の海に突進
出撃
朝5時、玄関のドアを開くと、ヒリヒリした寒気がドッと押し寄せる。
外はまだ闇、百鬼夜行の世界だ。
しばらくぬるま湯に漬かっていた精神は脆弱となり。
止めよう、止めようと、見えないロープで後ろに引き戻されそうになる。
「ファイト一発、ウルトラC!」
気合を入れ、闇に向かってダッシュ。

車庫の奥から、久々に老馬ロシナンテ(50CCバイク)を引き出し、キックを蹴ったが。
ノビタと同じく、なかなかエンジンが掛からない。
やっとのことでエンジン爆発、尻から火を噴射し、ウォーン、ウォーンと雄叫びを上げる。

アジさんと会う
朝5時半、日立FCSの店内は、人でゴッタがえしていた。
この店内の混雑は、とても今が冬だとは思えない。
シーズンの夏場の様な雰囲気だ。

すぐ店を飛び出し、船の発着場へ。
港は、船が放射する青や、赤や、黄色い灯りが賑やかに乱舞している。
沖堤渡しの船に乗る釣り人の、長蛇の列を横切り。
隣りの龍翔丸に乗ろうとすると、その列の先頭から声が、
「オーーイ、頑張れよー」
見ると、薄暗い人溜まりからアジさんが手を振っている。
彼の他に、5人ほど会社の仲間がいるはずだが、薄暗くてよく分からなかった。

 
のったりとした凪の海
竿が違う!
船に乗り、早速、竿ケースを開けた途端。
頭の中が白霧に包まれた。
「何とーーーー!」
竿ケースに納まっていたのは、磯1号と、磯2号の竿2本。
持って来た竿ケースが入れ替わったか。
アンビリバボーー!。
この竿に重り60号を下げたらどうなるんじゃ。

戦国時代、走りに走って戦場に着いた侍が、敵を目前に刀を抜いたら、それが何と、”お婆々の杖”だった様なもんだ。

慌てて、船長を探すと。
船のミヨシ(先頭)に船長がいた。
北茨城の佐藤さんと話しをしている。
2人に、竿を忘れたと話すと、笑われてしまった。
船長から竿を借りたが、この失敗が今日の運命を大きく左右したのだろうか。

海は凪でいた
午前6時前、日立沖堤に第一便が出港。
船の上からアジさんが、
「*?XZZZYYYY?**?ーーーー」
と何やら叫んでいたが、船のエンジン音にかき消され聞きとれない。
続いて我々が乗る龍翔丸が、岸壁を離れた。
                                   
写真の3人がヒラメをゲット
夜明前の薄暗い港内を、ドッ、ドッ、ドッ、ドッ....とエンジン音を、後方の闇に捨てながら船は進んで行く。
港内を出ると、夜明前の黒々とした海原が広がる。
もったりとしたうねりはあるが、まずまずの凪。

 はーるばる来たぜ チャン・チャラ・チャーーー
 さーか巻く波を 乗り越えてー♪(北島三郎)

こんな海を覚悟していたのだが、やや拍子抜け。

ヒラメを追い南下
船は日立港を出て、常陸那珂港、磯崎港、平磯港、那珂湊港を過ぎ、大洗港を通過したのは6時40分。
さらに南下して行く。

 追いかけて〜 追いかけて〜 
   追いかけて〜 鹿嶋灘〜〜♪(吉幾三)

と船は、ヒラメを追って鹿島灘の沖へ。
魚場に着いたのは7時半。

天気晴朗、風も無く、絶好のコンディションだ。
煌く朝の陽光と波がもつれあい、海は早くも春爛漫の陽気に満ちていた。
青く霞んで見える筑波山と、丁度対峙する形で船は停止した。

船中初はマトウダイ
間もなく、右舷ミヨシが騒がしくなる。

  
赤ジャンの佐藤さんが..
見ると赤ジャンの釣り人、北茨城の佐藤さんの竿がしなっている。
羨望と、期待と、焦燥の入り混じった熱い視線が彼に集中。

海底30メートルからゆっくり獲物が引き上げられて来る。
水面に浮上するまでの時間は、ほんの3〜4分であったが、随分長く感じた。
待ち人が水面に現れた途端、
「マトウダイや」
の声で、つかの間のドラマは終了。

ヒラメと親指の針と
ノビタの右隣りに、20才前後の女性一人を含む4人が並んでいたが。
女性とその隣りの男性が道糸をもつれさせ、60センチほどのヒラメを引き上げた。
どちらが釣ったのか分からない。

船長が、糸のもつれを解いていた時に。
船長の親指に、針(セイゴ針の17号ほど)が、グッサリ突き刺さる。
よくある事だが、これを外すには、病院のお世話になるしかない。
船長は帰港するまで、針を刺したまま痛そうに仕事をしていた。
お気の毒でした。
結局、ヒラメは女性に軍配が上がる。
                                      餌の活きイワシ
夢は遠くなる
この後、右側の4人は、餌のイワシに歯形を付けられ逃げられたりしたが、全員ヒラメをゲット。
ノビタの左側にいた人もヒラメをゲットする。
ノビタだけ置いてきぼりである。
ノビタは、アタリさえ感じる事はなかった。
うんざり。

ヒラメ狙いは黒鯛釣りと同様に、堅忍不抜の精神が要。
耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ。
と、じっと我慢していたが。
いつか、お頭の中に、アダモの歌が流れて来た。

  あなたは来ない いくら呼んでも
  白い雪が  ただ降るばかり
  ラララーーー ルルルーーーー♪

やっと魚が
一陽来復を見たのは、午後12時半を過ぎた頃。
60号の重りを、海底30メートルほどにある岩盤まで沈め、
「ヒラメさんいませんか?」
とトン、トン、底を叩く。
潮の流れで、そのまま重りを沈めていると、あっと言う間に根掛かりしてしまう。
この為、重りが底をつく度に、仕掛けを1メートルほどスキップさせていた。

   
隣りは何を釣る船ぞ
そのうち又、根掛かりの様な反応が。
重りをグッと引き上げると、何となくもったりした重さ。
「.........?」
そのままズルズルとリールを巻く。
竿がそれなりにしなっている。
いつの間にか船のスタッフが、大きいタモを持って側に控えていた。
「ゆっくり、ゆっくり」
とスッタフにフォローされながら、慎重にリールを巻く。
もったりした重さ、ただそれだけだ。

重りが重いせいか、魚の動きを感じない。
とうとう水面に正体を現した。
えらをガバッと開き、大口をカッとあけ、20センチ程の活きイワシを呑み込み、無念そうに浮上して来た魚を見たスタッフは、
「マトウダイだ」
と言って消えてしまった。
                                        
ゲホッ
船上に抜き上げたマトウダイは、ゲホッとイワシを吐き出し、くやしそうにこちらを睨んでいる。

「ぬくときに舌うちするような大年増」(末摘花の一句)

釣り師の人生は厳しい
昨年のこの時期、嬉しい一枚を上げたのだが....。
今年は、34センチのマトウダイ1匹で終わりか。

  ハイそれま〜でよ!
  フザケヤガッテ フザケヤガッテ
  コノヤローー  (植木 等)

午後1時半、タイムアウト。
船は帰途につく。

午後2時半、フイッシングセンターの前で、ドラえもんさんに声をかけられた。
ドラえもんさんは、日立沖堤に行った帰り。
日立沖堤で、90センチのヒラメが上がった報告を聞く。
釣ったアジが餌だったようだ。
くやしい、やはりノビタは日頃の行いが悪かったせいなのか。
ドラえもんさんは、型の良いタコとカイズ一枚。
予想外だったのか、それとも予想通りだったのか。

マトウダイと、ヒラメが食わなかった餌のイワシ5匹が、今日の収穫となった。
釣り師の人生はきびしい。

   神与え給い 神奪い給う

今年も終わり良ければ、全て良しで行こう。
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