1998年 12月31日(木)久慈川河口          
竿納め
                                      鏡のような川、流れもない
9時半頃、久慈川河口に着いた。
曇っていた空もしだいに雲がなくなり、陽が射してきた。
例年この時期、手の平サイズの沼カレイが2時間足らずで14〜5匹釣れた所だ。。
風もなく河口は鏡のように穏やか、川の流れも殆どない。
これでは一寸無理かな〜、とりあえず竿を2本出す。



     
                                                
                                          引っ掛け釣りの2人(点)

流側で2人が盛んに竿を斜め上下に振るっていた。
引っ掛け釣りだ。
冬場水温が下がり、魚の動きが緩慢となった時にギャグ針で川の中層を引き回し、魚を引っ掛ける。
釣りの手法としては邪道と言う人もいる。
竿を思いっきり上下に振り、それを繰り返すので、結構な運動となる。

突然、淀んだ空気の中に、鈴の音がリリーンと鳴り響いた。一瞬緊張が走ったが、すぐ元の静けさに戻ってしまった。




      
川に流れがない
その後、もう1度鈴を鳴らす魚信があったが、魚は掛からない。10時半、カレイ釣りをあきらめ、常磐線下にハゼを狙いに行った。此所もこの時期、20cmオーバーのダボハゼが釣れるのだが.....。
船着場の杭の根元に仕掛けを垂らす。
川に流れがない、ハゼも餌に食いつかない。
今日は釣りには最悪の条件のようだ。





 
                                      久慈川陸橋をスーパー日立が行く
静かに時が流れる。
常磐線の陸橋を時々、静けさを破り電車が行き過ぎる。
遠くでリモコンの飛行機が飛ぶ音が聞える。
風もなく穏やかな年越しの日だ。
竿に付けた鈴が鳴った。
竿の振えが静かに停止し、それっきり動かない。
11時過ぎこの場所もあきらめ、常陸那珂港に向かった。


ノビタのぼやき!

1文字堤防に14〜5人程の釣り人がいた。
皆、駐車場の廻りに張り巡らされたフェンスを乗り越えたようだ。
鏡のような海に魚の気配を感じられず、南側第1埠頭に向かう。
第1埠頭に入る道も守衛所が設けられ、一般車の通行が禁止となっていた。
湾内は全てフエンスで囲われている。
結局釣りをあきらめ帰って来た。

邪魔なのは釣り人?釣り人側から言わしてもらえれば、この巨大な施設そのものが邪魔なのだ!


       
第一埠頭側の砂浜
この施設は多くの人々の総意?
どうみても極一握りの権力者達が考え出した不要な施設としか思えない。
名目は地域発展と災害に備えてらしいが、自然破壊に変わりはない。
小笠原に行く途中、船で乗り合わせた母島の住民が島に堤防が作られ、立ち入り禁止にされたと怒っていた。
いたる所で住民の意志とは関係なく、自然が破壊され人々の侵入を禁止している。

4〜5年程前の東海の海は、長い砂浜だった。
魚やカニ、アサリなど季節になると多くの人にその恵みを分け与えてくれた。
常陸那珂港は我々にどんな恵みを与えてくれるのか。
庶民の憩の場を、一方的に奪い去ってしまっただけではないか?
釣り人だってちゃんと税金を納めている。
東海の海と砂浜は、今、赤土で埋め立てられ、コンクリートで固められていく。

釣り人は皆、罪悪感を持たされフエンスを乗り越え釣りに行く。
堤防からの転落事故が起こると、車で中に入れない不便さが、事故を大きくしてしまう。
施設側は転落事故を防止する為と、工事の邪魔になるから侵入禁止にするのだと言う。
庶民の為の有効な対策を考えず、禁止するしか脳のない施設側の言い分だ。
立ち入り禁止の看板は、注意義務を果たしているだけのアピールでしかない。
それを無視した釣り人が悪いことになる。
堤防がなければ事故は起こらずに済んでいた。
堤防から釣り人が転落死する事故は、この施設の業務上過失致死罪ではないのか。

何故、転落事故を防止する為の策として、釣り人専用の公園の建設を平行に進めないのか。
フェンスにペンチで穴を開け侵入する釣り人を、モラルが低い奴だと思った事もあったが、ノビタは今、味方側に廻る。
自転車を持ってフェンスを乗り越えるのは容易ではない、フェンスに穴を開けるしか方法がないではないか。

もともとこの海、この浜は多くの庶民の憩の場であった。
権力者のエゴで庶民のささやかな楽しみを奪ったのだ。
権力者の行為が正当化され、多くの人がそれに感化され彼らの味方をしているのかな。
こんな事書いても何も意味がないのかもしれないが、守衛やフェンスを見たら何かやけに腹立たしくなってしまった。

 
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