1999年 5月1日(土)涸沼川                   
 弟子にお株を取られた日
 
                                           民家の上の日の出
燃える闘志
朝4時40分、バイクのエンジン点火。
天気予報では絶好の行楽日和、既に空はすっかり明るくなっていた。
気温はやや低めで、バイクを走らせていると寒さが身に沁みる。

西の空には空に霞む丸いお月さん、東の空には炎の火芯のような太陽がまぶしい。
これまでの焦燥と渇望で充電された闘志が、お脳の中で火花のようにパチパチとはじけていた。

餌を忘れたアジさん
5時10分、既にいつもの駐車場にアジさんの車が停車している。
釣り場に行くと、アジさんが手を振りながら待ちかねてたように、
「何だ、遅いんじゃない!」
「時間通りさ、昨日電話で話した5時10分だよ」

何でアジさんが待ちくたびれたのか、今朝、慌てて家を飛び出したので、冷蔵庫に入れておいた餌を忘れて来たからだ。
ノビタの餌は、1ケ月前に買った1パック250円のものが、まだ使い切れず又持って来た。

 
 フクさんとアジさん
始めの魚信
5時20分、サヨリ釣り開始。
今日の川は濁りがきつく、濁りを嫌うサヨリを釣るには悪条件であり、不安感がよぎった。
出鼻をいきなりくじかれた感じだが、過去にこんな条件でも釣れた記憶があり、気をとり直し竿を出す。
川は勢いよく上流に逆流している。

何投目かで、浮子がゆっくり水中に消えて行った。
隣りにいるアジさんに声をかける。
「アジさん魚信だ〜」
と、消えた浮子がまた浮上し、また水中に消えて行った。
竿を逆方向に合わせると、一瞬、微かな手応えがあったが、その直後、重さを失なった仕掛けが勢いあまって足元に飛んできた。

「バラシだよ〜〜〜!!!」
くやしい声を上げると、応えるようにアジさんの声が飛んで来る。
「今のは間違いなくサヨリだな」
アジさんは、人の不幸を尻目に俄然元気になった。

フクさん参加
午前6時、「おはようございま〜す」
フクさんが、やってきた。
フクさんは、たまに釣りをするビギナー中のビギナー、もちろん海でも川でもサヨリを釣ったことがない人である。
仕掛けは大丈夫か確認すると、ノビタのホームページに載っている仕掛けと全く同じ物を作成し、餌も記載されていたものと同じ物を買って来たので安心した。

このフクさんが予想外の展開をする何て、この時点で誰も予想出来なかった。
フクさんが、開始から10分程経った頃にノビタの所にやって来た。
「サヨリの魚信ってどうなるんですか?」
普通、サヨリの魚信は前魚信が浮子にピクピク2〜3度来る場合と、全く来ない場合もあるが、いずれも最後に浮子が静かに水中に消えて行くことを教えた。

「やっぱりそうですか、先っき浮子がピクピクした後、沈みましたよ!やっぱりサヨリだったんだ〜!!!」
フクさんこの後、ますます気合が入り、目が点となって浮子を見ていた。

おじさん2人                                     ずぼら釣り名人
6時半頃、去年出会った2人のおじさんが、別々にやって来た。
一人は大変話し好きな72才のおじさんで、昨年は常陸那珂港でタコ釣りをしているおじさんに出会っている。
アジさんが、名前を尋ねると、”コジマ”ですと教えてくれた。
コジマさんのサヨリ釣りは去年と同じ、ズボラ釣りだ。

竿2本を置き竿にして、サヨリが通りすがりに掛かるのをじっと待つのだ。
流れる浮子に合わせ歩いて釣りよりは、釣果は落ちるが疲れない分ズボラ釣りの方が良いのかもしれない。

ビギナーズラック(失礼かな?)
7時頃、フクさんの歓喜の声が、
「キマシタ〜〜〜!!、ウレシ、ウレシ、ウレシ、ウレシ、ウレシ〜で〜す!!」
本日の第1匹目30cm級を上げたのは、フクさんだった。
フクさんの感激はしばらく続き、感動が次々と言葉になって飛び散る。
しかし後が続かず、次第に興奮が冷めて行く。

ところが、この後も天は俄然フクさんに味方した、ポツリ、ポツリながらも午前10時までに4匹を追加したのだ。
この間、ノビタは0匹、アジさんが2匹、コジマさん1匹、名前不明のおじさんが2匹。
フクさんが、
「私はもうやみつきになりそうで〜す」
と言いいつつ会社の用で帰るというので、コジマさんの隣りに竿を置き、サヨリの写真を撮らしてもらいに20メートル程離れているフクさんの所に行った。
                                   
          フクさんの釣果
ノビタの番が来た
写真を撮っていると、
「コジマさん、また釣ったようだよ」
見ると、コジマさんが丁度サヨリを水面から引き上げた所だった。

とコジマさんが、
「釣れてますよ〜〜!!」
何と、釣れたのはノビタの竿だったのだ。
待ち焦がれた1匹、高く険しい山が他人によって征服されてしまった。

ま〜いぃっか、とにかく自分の竿に掛かったのだから。
この後、置き竿でも来ることに味をしめ、疲れたこともあり、そのままコジマさんの隣りでズボラ釣りに専念することにした。
川はますます泥んこ状態となり、勢いよく下流に流れている。

10時半頃、竿がおもいっきりお辞儀を始めた。
浮子が激しく浮いては沈み、浮いては沈みを繰り返している。
あわてて竿を上げると、何と、空振りだ〜。
ガックリと気落ちしてしまった。

  
  アジさんとノビタの釣果
何とか気を奮い立たせ、餌を付け替へ、竿を置こうとすると、何かが勢いよく竿を引いているではないか?!!!。
浮子を見ると、急流にもまれながら激しく浮き沈みを繰り返している。

竿を合わせると、確かな手応が伝わって来た。
一気に引き上げようとすると、姿を表したサヨリが水中で大きく円を描きながら上流に走り、潜って、潜って、逃げる。
人間の力は、はるかに大きい、サヨリの死力を何なくかわし、地上に引き上げた。
「40センチあるかな〜」

アジさんが、
「38センチぐらいだよ」
ともかく今日1番の大物のようだったので、測定すると以外と小さく36センチしかなかった。これが今日の最後だった。

周囲も全く釣れず、それでもノビタとコジマさんだけ午後2時半まで粘ったが、11時以降は全く駄目だった。
くやしいかな今日の川の濁り、これが釣果にもろに影響したような気がする。
それにしても今年のサヨリのレギュラーサイズは30センチと小振りだ。
昨年のレギュラーは36センチだったのに。
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