1999年 7月10日(土)東海某堤防                   
おもいっきり坊主の日
                                           
静かな朝の海
第1ラウンド
青い海、青い空、白い雲、微風。
さえぎるものはな〜んもない。
心も体も今は漁師だ!

堤防には20人近い人が散在していた。
イカ釣り、投げ釣り、浮子でアジ釣り、ルアーで太刀魚、と狙いはさまざま。
先端にも5〜6人の人が固まっている。
タコ釣りがいないか、気にしながら先端近くまで行ったがいない、ほっとする。
誰かがタコを探った後では、期待も半減してしまう。

漁船の襲撃
午前4時45分、タコ釣りの準備をしながら、ふと前を見ると漁船がすぐ目の前を横切って行く。
よく見ると、湾内は、船、船、船、船、船、船.....!!。
エンジンの黒い煙りを撒き散らしながら、底引き網をわれ先に投下している。
堤防に体当たりするように向かってきた船が、網を引きながら堤防すれすれを通り過ぎて行った。

  
     湾内で漁をする漁船
釣り人がいるなど、毛ほども気にしていない。
すさましいばかりの自己本意。
あっちでも、こっちでも、無線で何処かと交信する声が鳴り響く。

早朝の静かな湾内が、一転して喧騒の戦場と化す。
この襲撃は午前6時半まで続き、湾内の魚を一毛打尽にしたようだ。
次第に北東の風が強くなり、白波が湾内に立ち始めると撤収して行った。


ノビタのぼやき
「職漁船は生活がかかっているからしかたがないよ」と人は言う。
「乱獲し、魚がいなくなったらどうやって生活すんの?」
「明日のことは分からない、ケセラセラ〜なるようになる〜♪」
海の資源が枯渇しようがしまいが、今が良けりゃそれでよしなのだ。
「魚が住めない所に、人は住めない」鉄則など、通用しないようだ。

一昨年と昨年行った小笠原の海は豊穣の海だった、小笠原では網漁が禁止され、漁師は1本釣りで漁をする。
レジャーの釣りと、職業の釣りの違いは、冷凍の餌を使うか、生き餌を使うかの違いしかない。
レジャーも、職業も、獲る魚の数の差はさほどではなく、獲る量そのものも僅かなのだ。
小笠原では海の資源を、皆で大切にしていた。

サクさんに会う
ノビタと反対側の堤防の縁を、ご近所の釣り狂サクさんがタコを探って来る。
白い短パンに、白い半袖のシャツ、格好は真夏の陽気だ。
冷たい北東の風が吹き荒れ、カーデイガンの上にジャンパーを着込んだノビタでさえ寒いのに、全くへいちゃらなのだ。
サクさんと話しをすると、サクさんは来年、定年退職だとのこと。
「来年からは、平日も釣りが出来ますよ」と爽やかに笑っている。
(うらやましいです、サクさん!)
サクさんは、ノビタより先に帰って行った。
午前7時、北東の風がますます強くなり、気温も低下。
納竿、坊主だった。

第2ラウンド
午後2時半、北側の堤防。
駐車場には1台も車なし!雨混じりの北風。
「雨ニモマケズ、風ニモマケズ.......」を地で行くような天候だ。
湾内に山のような波が押し寄せ、テトラで砕け、波飛沫が上がる。
誰もいない海、嵐模様、石持爆釣の記憶が蘇り、期待感が膨らんでくる。

                                  
           海は嵐だった!
竿を1本だけ出し、北風を背に第1投。
洗濯機の中のように撹乱している湾内の海に、仕掛けが落下していく。
過去の爆釣が再現した場合、この瞬間にドドーン、ドドーン、ドドーンのアタリが来るはずだが....。

1分、2分、3分経過、反応なし!
100メートル程沖側に場所を変えてみる。
同じだ。
戻ってくる仕掛けの位置、仕掛けの状態からみる限りでは、底荒れはそれほど激しくないのだが。

カッパに突き刺さる雨がバリバリ音をたて、風がゴウゴウとうなり声を上げ、波は
ドドドドーンと砕け散り、嵐の世界だぜ!
氷雨と北風に打たれ杭のように立っているノビタを人が見たら、苦行に耐える孤独な人
と見るか、馬鹿丸出しと見るのか。
それにしても浮世の生活に耐え、海にきてまた耐え、とは...。
約1時間粘ったが、アタリ無し、納竿。

”荷軽く  足取り重い 帰り道 ” (ノビタ)

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