辛勝の石持3匹
先週が天だとすると今週は地の釣行。
イカ釣り完敗
8/6午後9時〜11時半
東海某堤防でイカに思っきり振られてしまった。
周囲では冷凍イワシを餌にポツポツ上げているのだが、イカステ仕掛けの餌無し戦法で攻めたノビタは完敗。
ノビタの隣りで冷凍イワシを使っていたおじさんは、午後11時までに13匹、隣りのノビタはおじさんが上げる度に、嫉妬でお湯が沸きそうになっていた、気分はどんどん奈落の底に落ちて行く。
午後11時半、Give UP!退散。
それにしても今年のイカは何時まで此所に居座っているのか、例年なら既にいなくなる季節なのに。
大波が寄せるテトラ、海は青い
サラシのアジさん、オノデさん、フクチャン、オヌキさん、マツイさん達は皆、アジ狙い。
場所は先週フクチャンとノビタが爆釣した所で、ノビタがイカ釣りをしている所からは、かなり離れている。
強く誘われたが、イカに執心しているノビタは結局彼らと別れ、イカ釣りに専念したが裏目に出たようだ。
彼らの戦果は月曜日に会社で聞かしてもらおう。
辛勝の石持
8/7午後2時〜午後8時15分
昨夜の雪辱を払うべく先週と同じ場所に、石持釣りに出かける。
現場に着いたのが、午後2時。
炎天下に、先客が5人程いた。
風は東からわずかに吹いていたが海は先週より波がある。
ただテトラの廻りが白く濁る程度で、海は緑色に近い青色に澄んでいた。
この瞬間に石持にも振られたな、と戦意が喪失していく。
第一投目の仕掛けが海底に沈んだ瞬間、待ってましたとばかりに、あの忌まわしいコツ、コツ、コツ、コ、コ、コ、コ、コ....の高周波の魚信。
仕掛けを引き上げると餌はきれいに無し。
場所を変えて第二投目、同じ魚信。
さらに場所を変えて第三投目、同じ魚信。
この海の下は隙間なく、フグが敷き詰められているようだ。
うんざり。
仕掛けを堤防の上に引き上げ、フグの集中攻撃がなくなるまで気長に待つことにした。
モンスターとの戦い
ヒラメ釣りの攻防
午後3時半頃に、後ろの方から緊張感が空気を通してビリビリ伝わってきた。
振り向くと、朝からヒラメだけを狙っていた2人組みの一人の竿が、大きく弧を描いている。
餌は冷凍イワシの1本掛け。
竿は弧を描きながら、ゆっくり右から左に移動していく。
竿が徐々に下がっていく。
竿が立たない、モンスターの力に圧されている。
ドラグから容赦なく道糸が出て行く。
どれくらいやりとりしていたのだろうか、溜め息と、落胆の叫びが発せられた。
負荷を失った竿が空中で、円を描いている。
真夏の昼下がり、それは白昼夢だったのか?
炎天下の過酷な条件、延々と8時間、焦燥、倦怠、絶望と闘いヒットしたモンスター、痛烈なバラシだ。
風が吹くから行かない、雨が降るから行かない、暑いから行かない、寒いから行かない、1時間も歩く所は行かない。
釣りの話しが好きなくせに、いざとなると天候や体の具合で尻ごみをする。
こんなへなちょこ釣り師には無縁の世界さ。
午後5時頃、もう一人の方(写真では上半身裸の人)のルアーに、ヒラメがヒット。
これは難なくゲットしたが30センチそこそこだった。
それにしても真っ赤に焼けた鋳物のような背中、手を触れたら火傷しそうだぜ。
今夜は当然水風呂でしょうが、いきなり風呂が沸騰すかも。
今日は釣り人が多い
小木津の読者に会う
午後3時半を廻った頃、フグ攻撃を避け釣りを中断していると、隣りにきた釣り人から、
「今日の海は濁っているのでしょうか?」
と聞かれ、驚く。
普通、海を目の前に、このような聞き方をする釣り人はいない。
濁り具合が石持釣りに良いのか拙いのか判断に迷うと、
「波があるし、濁りも多少あるから大丈夫かな〜?」
と、何かのプライドが見え隠れした聞き方をして相手の反応を見るのが普通だ。
滑稽で、哀れで、悲しい大人の見栄なのだ。
という分けで、彼の素朴な質問に新鮮な驚きを感じた。
この人はノビタの余計なお世話?をストレートに受入れ、ノビタと同じ様にフグがいなくなるまで竿を出さない。
途中、彼が友人の所に行き戻ってきて、
「”ノビタの釣り天国”のノビタさんでは?」
大分前からひょっとしたらと思っていたようだが、なかなか言い出せなかったようだ。
彼は小木津の方で、ノビタの先週のHPに刺激され、3年ぶりに石持釣りに来たそうだ。
やっときた石持!
大分周囲が暗くなった午後6時を廻った頃、
「そろそろフグはいなくなったのでは?」
小木津の方の問い合わせを決起に、釣りを再開。
始めの2投目まではフグの攻撃を受けたが、いつかフグは消滅したようだ。
潮の流れ早く、沖に投げた仕掛けがあっという間に、テトラ際に寄せられる。
しばらく放っておくと波の揺れに加え、グン、グン、グンと竿先のケミホタルに異変が起きた。
フグではない。でも頼りない。
あせるなよ。慌てるなよ。
爆発、炸裂まではまだ間がある。
我慢するんだぞ。
漏らすなよ。逃がすなよ。
ガガーン、グ、グ、グ、グ、グーーー....。
「今だ!!」
足元は真の闇、不安を感じるテトラの上で、ずっしりした手応えを感じながらリールを巻いて来る。
竿先の角度から、仕掛けが足元に近ずいた事を知り、一気に持ち上げた。
闇に光る2つの白い物体、ダブルだ!。
良かった〜。
やっと坊主を免れたぜ。
終盤に1匹
餌をつけなおし、すぐに仕掛けを再投入。
大波に竿先があおられ魚信がわかりずらかったが、魚信だ!。
今度は1匹。
釣れた石持をブラ下げ堤防に戻ろうとすると、足元を懐中電灯で照らしてくれる人がいる。
本日釣果、小振りな3匹
見ると小木津さんだ。
結局小木津さんは、暗いテトラ際で1匹逃がしてしまい坊主だったようだ。
「この暗さで魚を上げる自信がないので帰ります」と、挨拶に来たのだ。
「ノビタが死ぬ場所は、おそらくこのテトラです。」
ノビタがそんな事を言うと、
「冗談じゃないですよ、石持如きで死んだら、しゃれになりませんよ」
小木津さんの応えだ。
2人で笑ったが、その可能性は充分あるのだ。
彼は午後8時に帰って行った。
竿先のトラブルで釣りを断念
彼が帰ると直ぐ、潮に流された仕掛けがテトラの際に引っかかる。
仕掛けをはずそうと竿を引いた時、竿先のトップガイドが壊れてしまった。
これを契機に釣りをあきらめ、午後8時15分に現場を後にした。
夜空には切れぎれの白い雲、暗い空間には砕け散った宝石のような星、地上には点々とケミ蛍の灯りが空中で静止している。
砂浜では時おり花火が炸裂、真夏の夜の蒸し暑い海辺は、昼以上の人で賑わっていた。
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