1999年 8月28日(土)東海某堤防                 
衝撃の油断大敵

竿1本の朝駆け                                  雲の多い朝
朝4時、50CCのバイクで自宅を出発。
まだ住宅地は寝静まっている。
遅れぎみなので、エンジンフル回転で暗いアスファルト道を飛ばす。
ビリ、ビリ、ビリ...と、ネジが取れたカバーの振動音が、夜の闇に鳴響く。

今、通過した信号は赤だったのか、青だったのか?
落ち着け、まだ間に合う。
駐車場は、鍋に入れられた黒豆の如く混雑していた。
片手にシーバスロッド、背中にリュックの、おっとり刀の朝駆けだ。
まだ暗い堤防を早足に歩き、先に歩く人を次々追い越して行く。
目的地に着いたのは、午前4時半を廻っていた。

爆釣の開幕
先客2名、ルアーマンだ。
まだ薄暗い、いつものサビキ+ルアーを用意する。
今日のルアーはラ.フェスタの28gで、これもアジさんのお薦め品だ。
先日アジさんがGetした45センチのヒラメは、このメタルジグにヒットしたのだ。

午前4時55分、第1投目、仕掛けは目測で70メートルは飛んだか、着水、着底を確認した後、ゆっくり曳いてくる、反応がない。
堤防から10メートル、仕掛けが根掛かりゾーンに入った、急速リトリーブ。
途端に、グイーンと竿が右斜めに引かれていく。
逆方向に竿を合わせる。

敵は向きを変え左へ逃走、竿を右へ引く、今度は右に走る。
何ものか察しがついた。
もう容赦なく、リールをガンガン巻いて来る。
一気に抜き上げる。
魚が空を飛んだ。
30センチオーバーのサバが、バタ、バタ、バタ....とアスファルトの上で跳ね廻っていた。
これが戦闘開始の合図だった。

   
  25センチのアジ
入れ食い
2投目、ルアーが着水して海底に沈む間に来た。
走らない、でもギューン、ギューンと竿を引き込む。
リールを巻き続ける。
2匹目が、空を飛んだ。
60センチオーバーの太刀魚だ。

お隣りも、こちら同様に入れ食いとなり、地上はサバと太刀魚が散乱して行く。
「ナブラだ〜!」
「何処だー!」
.....。
「今度はこっちー!」
「サバだけか〜?」
「カンパチもいるハズだがな〜」
小さなナブラが次々にあちらこちらで湧き、消えていく。
隣りは、その度に走り忙しいのだが、上がるのはサバ、サバ、サバ...。

途中からアジが混じり、何時の間にか何処に仕掛けを投げても、アジ、アジ、アジ....。
仕掛けが着底する前に、6本針にパーフェクトにヒット。
一瞬、綱引き、フッと軽くなる、嫌な予感。
急いで仕掛けを巻き取る。
サビキが2本食い千切られていた。
まだ太刀魚が、徘徊しているようだ。

日本海鳥連盟茨城支部団体の抗議
始め全く気にしなかったのだが、頭上に鳥が...。
よく見ると地上にも6〜7羽の鳥、さらに1羽、2羽と飛来してくる。
チラ、チラと、鳥と、散乱している魚の距離を目測しながらルアーを投げ続ける。
鳴き声は次第に大きくなってきた。
                
                                  正味25分の釣果
「魚をよこせー!」
「分け前をよこせー!」
「一人占め反対!」
「反対、反対、反対!」
「此所は我々の土地だ〜!」
「ヘボ釣り師、出て行け〜!」
「魚は置いて行け!」
「魚をヨコセ、ヨコセ、ヨコセ!」

鳥達は、周囲に散乱した魚にジワ、ジワと近ずいて来る。
慌てて魚を拾い、網袋に放り込み水面に落とす。
「ケチンボー、人間のパカヤロー!」
「クソッタレー、バカヤロー、アホー、アホー!」
ギャー、ギャー喚きながら、日本海鳥連盟茨城支部団体は、去って行った。

それはアッと言う間の出来事(油断大敵)
午前5時20分、爆釣が終わる。
正味25分の爆釣だった。
それでもアジは、まだ1投、1匹の割りで釣れている。

突然、隣りから驚きの声が上がる、
「カンパチだ〜!」
サバと思って抜き上げた魚が、カンパチだったようだ。
大きさは30センチ前後か、ノビタも第2エンジンに火が付いた。

「カンパチよ来い!」1投目はアジ、2投目もアジ。
3投目空振り、仕掛けを引き上げ、竿を堤防に置き、足元に放っておいたアジを拾おうとした時(竿を足元に置いた時、仕掛けは海側に垂れたが、サビキの部分は水面より上であったと記憶する)、
「ガタッ!」
と不気味な音!。

ハッとして、竿を見ると。
竿が!。
既に、竿先は直角に近い角度で水面を指し、竿尻は60度を越えて持ち上がっていた。
「ワッ..*!」
言葉にならない声を上げ、手を伸ばしたが、あと10センチ竿に手が届かない。

隣りの2人が駆け寄った時には、リールの付いた竿尻が、水面下に没するところだった。
竿は垂直に、海底深く引き込むまれ、あっと言う間に消えてしまった。
隣りの2人が、
「カンパチだ...カンパチは直角に引き込むんだ....」
「惜しいな〜」
と言いながら、戻って行く。

ノビタは、ひょっとしたら竿が浮いてくるのではと、いつまでも未練たらしく海を見ていた。
「さような〜ら、さようなら、元気でい〜て〜ね♪」(都 はるみ)
竿とリールの別れの歌が、海底から聞こえてくる。
あのシーバスロッドは、小笠原の遠征、イナダ、カンパチ、最近では太刀魚など、多くの戦いを共にしてきた戦友だった。
南無阿弥陀仏、合掌。
顔には出ないが、涙の1滴がこぼれ落ち、しばらくショックで茫然自失。
「竿とリールよ、この仇は必ずはらす、カンパチよ逃げるなよ!」

午前5時40分、魚の入ったビニール袋を片手に、トボ、トボと現場を去った。
竿を持たず、魚の入ったビニール袋をぶら下げて帰るという格好が気になって、人がいない道を遠回り。

釣果   30センチ級サバ12本、70〜80センチ太刀魚2本、アジ15〜25センチ26匹

「釣りは、ゴルフより高くつくものなのね」
と、我が家のカミさんに嫌みを一杯言われましたが、シーバスロッドはDaiwaのパシフィック
ファンタム−S、リールはShimanoのバイオマスター3000を新たに購入しました。

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