1999年 12月18日(土)鹿嶋N堤防                 

       天候は最悪のコンディション

                               
遠い道

「旗が風で揺れていましたね」
S君がセブンイレブンの前を走った所で、一言。
一寸気になったが、天気予報を信じたかった。
いつものように都合の良い方を優先したくなる。

東海村発、午前3時、あまり寒さを感じない夜だ。
S君の4駆は、カーヒータ付き、カーナビ付き。
ノビタのバイクとは大違い、寒さ何かへ〜いちゃら、極楽、極楽。
ぬくぬくと一路、鹿嶋に向かう。

途中、大洗フイッシングセンターに寄って魚の餌を買い、神栖のコンビニで人間の餌を買う。
と、ここまでは快調に飛ばして来たのだが...。
鹿嶋コンビナートに入った所で、迷走する。
カーナビは、
「間違っています」
と教えてくれない。
何処に行っても行き止まり、これを何度か繰り返した所で、やっと車の走っている道に戻れた。

                               
          北風が吹き、荒れ模様の海
波に洗われた堤防
目的地に着いたのが、午前4時半。
車が3台止まっていた。
どの車にも人が乗っている、...どうして?

地図上では目的地に立っているはずだが、我々は異邦人、2人共此所で間違いないのか不安になる。
目の前に注意を呼びかける看板。
此所まで来て引き下がれない、荷物を背負い、先が闇で覆われたアスファルトの道を海に向かった。
北風が強い。


しばらく進むと、堤防が大きく左に屈折した所にさしかかった。
そこから先は道が濡れている。
「夕べ雨が降ったけ?」
S君の問いに、
「降っていないはず、波で洗われたんだよ!」
2人で、そこにしばし棒立ち。
闇に覆われた先には、全く人の気配がない。

北風が、そしてテトラに砕ける波が、
「帰れ、帰れ、恐いぞ、恐いぞ!」
と叫んでいるようだ。
2人でしばし躊躇する。
意を決し、さらに進む。
突然、前方から怪獣の吠えるような声が聞こえて来た。
「ガオ−−−−−−−ッ!」
ある一定の間隔で、吠えている。
何だ?
近ずいてみると、堤防の下に空洞があり、打ち寄せる波が、出入りする時に叫び声を発していたのだ。

     波に襲われた堤防

危険な堤防

灯台の灯りは明るく点滅し、あまり遠く感じないのだが、その距離はなかなかちじまらない。
外洋側に屏風のように続いていたテトラが無くなる。
午前5時08分。
時間的には、ほぼ真ん中まで進んだことになる。

テトラが切れた所から20メートルほど先に、スロープがあり、堤防が2メートルほど低くなっていた。
低くなった堤防の暗闇の先で、白い波が堤防に砕け散るのが見える。
この先は危ない!明るくなるまで待とう。
S君はルアーロッドを出し、暗い闇の湾内にルアーを投げる。

今来た道から灯りが近ずく、自転車に乗った3人の釣り師だ。
しばらく様子を窺っていたが、先頭の一人がスロープを駆け下りると、後の2人もそれに続いた。
また一人、自転車を止めて、しばらく様子を見ている。
ノビタも迷っていた。
このまま進み、朝拙めの好機を先端で迎えるべきか、やはり危険を回避すべきか。
様子を眺めている人に、相談するように話かけた。
「時々波を被ってますね、止めた方が良いかな〜」
「今日が駄目でも来週がありますよ、もう2度と来れなくなる方が悲しいですからね」
(偉い、心のなかで拍手!)
若い人で、土浦の阿見町から来たとのこと。

                                        釣り人がパラパラの中央付近
波に襲われたルアーマン
阿見町のルアーマンもルアーを出し、低い堤防で外洋に向かって投げ始める。
低い堤防の上スレスレまで波が盛り上がって来る。
彼も海の怖さに、まだ甘さを持っていた。
30分ほどルアーを投げていただろうか。

突然、海が、隠していた白い牙を向いた。
彼は必死でスロープを駈け登り、高い堤防に上がったが、大波は高い堤防まで乗り上げてきて、彼の足を襲った。
倒された彼は、そのまま堤防の端まで腹ばいのまま押し流される。
波の勢いはそこまでだった。
彼は堤防の端に止まり、危機一髪で難を逃れたのだ。
堤防を這った波は、内湾にナイアガラの滝のように落ちていく。
もう一人ルアーマンが、彼の近くでルアーをやっていたが、直前に高い方の堤防に戻っていて難を逃れた。
この事件を目の当たりにした我々は、先端への釣行を断念する。

釣れない所で釣れた
波を被らない所まで待避して、そこで店開きを始めた。
S君は竿を3本、横着なノビタは竿1本で勝負に出る。
風が強く、浮子仕掛けは流されそうなので、針9号のピンクのスキンサビキに重り6号を付け、そのまま仕掛けを堤防から垂らし底を取り、置き竿で待つ。
後ろからの波が、絶えず気になる。

  餌がない、生きる事は苦痛?(鴎)
S君が、「アタッテマスヨー!」
と叫んでいる。
ハイヨ〜、ハイ、ハイ!魚チャン、遅くな〜ってゴメンヨ〜♪。
と竿を持ち上げる。
磯2号5.3メートルのカーボンロッドだ、軽いが風が強い時にはそれが裏目に出る。


右方向からの風の抵抗になぎ倒され、それに負けないように力が入り、肝心の魚の引き具合がよく分からないのだ。
良形のメジナと、良形の海タナゴのダブルが、難なく上がった(これが物足りない)。
S君の出足は遅れたが、ポツリポツリと飽きない程度に2人で釣り続ける。
ここまで来て引き返す釣り人も多かった。

M.Tさん、Gakuさん、きむさんに会う
午前7時半を廻った頃、M.Tさんが、この堤防で馴染みらしい2人とやって来た。
「此所は釣れないんだよな〜」
と、先端を何度も何度も繰り返し見ながら、仕方がなさそうに近くで竿を出す。
午前10時、それまでず〜っと、堤防先端を見ていたM.Tさんが、決意した。
「こんな釣れない所ではやってられない!」
と、馴染みの人と2人で2キロメートルはある堤防先端に向かって行った。
彼等が先端に着くまで見ていたが、無事、渡り切ったようだ。

午前11時半、Gakuさんときむさんが、自転車でやって来た。
予定通りだ。待ち人来たり。
此所に来た目的の一つ、”ノビタの釣り天国”ジャストカウント記念品を2人に渡せば、いつでも帰れる。
Gakuさんは5,000カウント記念、きむさんは130,000カウント記念となる。
中味はノビタ自作のルアー。
これを使う季節は来年の夏だろうか、イナダ、カンパチなど青物を是非狙ってみて欲しい。市販の弓角には負けない威力を発揮するはず(自画自賛)。

「ノビタさん先端まで行かないと、鹿嶋N堤に来たことにはなりませんよ!」
とGakuさんに言われたが、とてもそんな気力が残っていなかったので辞退。
Gakuさんと、きむさんは相談した結果、先端に向かった。
この日のM.Tさん、Gakuさん、きむさんの釣果が気になる。

季節は冬                                        本日釣果
鹿嶋N堤先端を目の前に引き返す無念は、少々オーバながら、ナポレオンがモスクォーを目の前に引き返した時の気持ちと、同じかもしれない。
今度はいつ来るか、このままでは気持ちが収まらない。
道が解れば50CCバイクで来る事も、たいした事ではなさそうだ?
年内の再来を誓い、午後1時に現場を後にした。

やはり季節は冬。
釣り人が少ない。
この長い堤防で帰り道に出会った釣り人は、10人足らず。
我々の隣りで釣りをしていた人が、40センチオーバーのアイナメをGetした位で、他はあまりパッとしていなかったようだ。

駐車場を出発したのが午後1時半。
帰り道は朝と比べると当然ながら道は混んでいたが、我が家に着いたのが午後3時。
行きも帰りも、同じ時間を要したことになる。

本日釣果   メジナ−−28センチ1匹
         海タナゴ−−12〜27センチ8匹
         ボラ−−−30センチ3匹
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