1999年  12月25日(土)阿字ケ浦方面堤防           

          穏やかな海、魚は何処だ?



寒い朝の海                              日の出を遮る雲
日の出は間近。
薄明かりに黒々と港のシルエット。

冬将軍は北方に後退したはずなのに、まだ勢力は
衰えない。
地上は白い霜に覆われ、寒気が、露出した顔や手を
直撃してくる。

雲が太陽を遮り、暖かい太陽の来光は、まだ時間が
かかりそうだ。

風は南西の微風、海は信じられないほどのベタ凪
弱々しい波が、擦り寄るようにテトラで崩れていく。

     海底が見える海











隣りの先客
午前6時半、広い堤防に5人ほどの先客がいた。
釣れているのかいないのか。

隣りのおじさんに様子を訪ねると、来て30分ほどだが全く魚の気配がないという。
来た早々、期待薄のスタートとなった。

昨日の話だが、おじさんは20センチオーバー4匹と
30センチオーバー1匹のアイナメをGetし、群馬から
来た人は、座布団カレイ(50センチほど)を1枚Get
したという。
               
釣りにはまったおじさん
いつもの昨日は良くて、今日は駄目のパターンになってきた。
昨日はこの堤防で、おじさんが一番釣ったんだと、喜んでいる。
60を越しているおじさんだが、嬉しそうな顔は7〜8才の幼児のようだ。
まだ釣りを始めて1年、すっかり釣りにはまり、冬の寒さも全く気にならないと言う。

浮世には誘惑が多い、1歩、道を誤ると奈落の底に堕ちて行く。










おじさん、釣りは賢明な選択でしたよ。
パチンコや、酒や、女でなくて良かった、良かった。
釣りにはまっても家庭崩壊はないでしょう。
唯一恐いのは、命を失う危険があるということ。
これさえ胆に命じておけば、釣りは1生の楽しみです。

始めの1匹

内湾の堤防際に垂らしていた3.3メートル、重り負荷2〜5号の万能竿、その竿先が不自然な動きをした。
波気がないのでカクンとお辞儀をしたままだった竿先が、幾分上向きに持ち上っている。
続いて、カクンカクンと連続して上下運動を繰り返す。
カクンとお辞儀をして静止した。               
  やっと釣れた1匹
「....?」
間をおいて又、カクンカクンカクン。
魚信は、ドアを軽くノックする程度のもので、容易に魚のサイズが想像出来る。
竿を持ち、リールを巻いた。
サビキと重り、それにコマセ籠+?の重さを感じる。
動きは伝わってこない。
何んだ?
海底まで透ける海中から、円を描きながら魚が浮上してきた。

堤防の上でパタパタ暴れているのは、沖ハゼだ。
海中も餌が少ないのか、やせ太郎になっている。
我が家では、あまり歓迎されない魚なので、写真を撮った後にリリース。

おじさんにアイナメ
太陽が雲間から顔を出すと、あっと言う間に雲は空から消えてしまい、堤防の上はポカポカと暖かくなってきた。
午前9時、堤防は眠ったように静かだ。
おじさんが偵察から戻って来た。
誰も釣れていないようだ。

突然、おじさんの竿が、元気一杯にお辞儀を始めた。
離れた所にいるおじさんを見ると、仕掛けをテトラの根際に落とし込んでいる最中だ。
  
28センチのアイナメ
「おじさ〜ん、アタッテル、アタッテル」
おじさんがニコニコしながら駆けて来た。

おじさんが竿を持ちリールを巻くと、竿先がググ−、ググググと途中何度ものされている。
「おじさんそれは大きいよ!」
おじさん満面に笑顔を浮かべ、
「大きそうだ〜!」
堤防に引き上げられたのは28センチほどのアイナメだった。
この後は続かなかった。

疲れた
午前11時に納竿。
今日は約4時間、サビキで海タナゴ、ブッ込みでアイナメ、浮子仕掛けを沖合い30メートルほど投げてサヨリを狙ったが、ことごとく駄目だった。
やはり冬の釣りは厳しいものがある。
家に戻ると、カミさんが車庫まで迎えに出て来た。
「海に何をしに行って来たんですか、今夜のおかず何もありませんよ!」
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