今年最後を締めくくるマコガレイ♪
寒い朝
「リリリ〜ン」
深い眠りから覚めた、5時だ、サブイ〜!
布団から出るには根性がいる。
着替えの動作が鈍い。
気持ちはあせるが、体がついて来ない。
チンタラ、チンタラ〜。
昨夜溶かしたコマセをバケツへ、青イソメ、手ふき、バッグにパン、釣り道具、カメラ、ヘッドランプ、もたもたしながら家を出た。
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巨大マコカレイだ〜♪ |
Sunrise |
閑散とした釣り場
東海某堤防、午前6時。
寒々とした駐車場に車が10台ほど、閑散としている。
荷物を背負い、急いで目的の場所に向った。
午前6時20分、薄くらい堤防に、先客がポツリ、ポツリと3人。
広い堤防の何処でやるか迷ったが、適当に場所を決める。
サビキ仕掛けを準備する間、ヘッドランプの世話になったが、終わる頃にはすっかり明るくなっていた。 |
入れ食い
サビキ仕掛けを足元に垂らす。
竿はカクンとお辞儀をしたまま動かない。
東の空が、日が昇るにつれピンク、橙、金と刻々と変化していく。
雲間から太陽が顔を出したのが合図だった。
竿先が、ヒクヒク小刻みに震え、重そうに沈んで行く。
キタキタキタ〜!
竿を掴み、リールを巻く。
キュンキュンと反応が手元に伝わってくる。
水面から、ピチピチと魚が上がってきた。
15センチほどのカタクチイワシ4匹、豆アジ1匹がブラ下がっている。
すぐ仕掛けを海に戻す。
仕掛けが沈まない。
食い上げだ。
サビキ仕掛けにズラリとカタクチイワシ。
この後も続いたが、1度に釣れる数は少なくなる。
小川町のT.Fさん
サビキ竿はそのままに、投げ竿を準備する。
南側に1本、北側に2本の投げ竿をセット。
北側の海に、トローリングの船が2嫂絶えず動き廻っていた。
これが、時々堤防に近ずくので落ち着かない。
午前8時を10分ほど廻ったか、小川町のT.Fさんが来た。
側に男の子を連れている、T.F2世だ。
T.Fさんの話では、先週土曜日、座布団フィーバーに湧いたGAMIさん達は、竿を一人7本並べていたという。 |
暖かくなると人が.. |
「竿3本では不足かもしれませんよ」
ちと分が悪そうだが....。
カレイは皆さん、竿の数で勝負?
カレイは竿の数ではない、いかにポイントを見分けるかですよ。
魚がいない所に、何本並べても同じじゃないですか。
あ〜、負け惜しみ、負け惜しみ。
T.Fさん親子は先端側の方へ向かった。
漁船に仕掛けを取られる
T.Fさん達が去るとすぐ、トローリングの船が堤防に近ずいて来た。
お〜い、来ないでくれ〜。
トローリングの船は、たちまち堤防に接近。
竿の1本が、ガンガンお辞儀を始めた。
咄嗟に竿を握る。
隣りの竿も手に握った。
船頭がこちらを見ている。
睨み返したが見えたか?
2本の竿が、船に引かれ道糸がピーンと張っていく。
1本目の道糸がバッシーー!、続いて2本目がバッシーー!。
バッキャアローーー!、クソッタレーー!
一気に仕掛けを、2セット喪失。
気を取り直し新たな仕掛けを準備して、船のいない反対側の海に投入。
日立の釣志さん
午前9時までに、イイダコ1匹とシャコ1匹。
「ノビタさんではないですか?」
突然、声をかけられる。
いつも投稿してくれる日立の釣志さんだった。
昨夜は釣り同行会の釣り納めだったようだ。
狙いはヒラメだそうだが、天気が良いので暇つぶしと言った感じ。
微かな鈴の音が合図だった
午後12時半、
「リーン♪」
と、竿につけた鈴が、一回、かすかに鳴った。
全身に警戒警報発令。
緊張が走る。
目、耳、お脳の中枢神経、全てを竿先1点に集中。
鈴の音と、竿先以外、何も聞こえず、何も見えなくなった。
竿先が微かに震えている。
錆びた鈴がまた、リーンと乾いた音をたてる。
「食え、食い込め。」
竿先の震えが止まる。 |
靴の2倍 |
「どうした〜?。」
PEライン2.5号、非常に敏感な道糸が、この程度の信号しか海底から送って来ない。
ハゼか?
竿先がまた微かに震える。
2〜3分、この状態を繰り返す。
じれったし、竿を大きく合わせた。
予想をはるかにしのぐ反動がきた。重い。
古ぼけたリールが、キュール、キュールと1巻ごとに泣いている。
ドタッ、ドタッと敵の動きが手元に伝わってくる。
過去に何度も肝心な場面でラインブレークに泣いた。
今度もまたかと、敵が抵抗する度にオロオロ、オタオタし、リールを巻く手に汗が吹き出す。
堤防に近ずくと、追撃の1撃...、2撃...、3撃...、竿がその都度のされる。
魚を浮上させないと根掛かりする。
磯5号、4.5メートルの柔軟な竿が、強みであり、弱みでもある。
竿を立てたまま、敵の強引な引きに耐えた。
「PEライン2.5号よ頑張れ〜!」
敵が堤防下に来た。
竿が長いので体は、堤防の端から離れていた。
水面から地上まで2メートル、堤防直下の水面に何がいるのか分からない。
もし、その姿を見ていたらゴボウ抜きはやらなかったであろう。
カレイが釣れたとは思ってもいなかったのだ。
大きく湾曲した竿の弾力を頼みに、一気に抜き上げた。
敵が堤防の上に転がった。
驚いた〜、記録更新のカレイ38センチ!
飢えていたのか、針2本を飲み込んでいた。
嬉しさに手が震え、カレイの口から針がなかなかはずれない。
人間の欲望にはきりがない。
もう1匹、今度は座布団だ!
この後1時間、むなしく時間が過ぎていく。
風も無く竿は微動だにしない。
山口百恵の”横須賀ストーリー”が聞こえて来る。
「これきっり これっきり もう これっきりですか〜〜〜〜♪」
T.F2世大型アイナメをゲット
T.Fさんの所に様子を見に行くと、駄目ですと万歳ポーズ。
カレイの報告をすると、くやしがること。
彼と話をしていると、すぐ側にいたT.F2世が大声を出す。
「オトウサーン、オオキイ、オオキイヨーー!」
3メートル程の竿が水面に向かって大きく曲り、ガクン、ガクン、ガクンと、敵の連打を浴びている。
T.Fさんが、タモ入れをした。
32.5センチ立派なアイナメだ。
彼の話ではT.F2世は、アイナメ釣りが上手で、これまでにT.Fさん
の5倍の数を釣っているらしい。
周囲では
某堤防は、黒鯛ブームだ。
ほとんどの人がフカセ、左隣りの人が30センチ級を3枚。
先端周囲にも10人ほどの黒鯛釣り師がいた。 |
T.F2世とアイナメ |
堤防のあちらこちらに黒鯛釣り師を見かける。
余程実績があるのかもしれない。
右隣りの人は、投げで30センチ級カレイ1枚と25センチ程のキス。
タコ釣りも数人見かけたが、こちらの方はさっぱり。
漁船がこの湾内で、トローリングで狙っているのは、ヒラメだった。
此所でヒラメを狙った方が、旭村より確率が高いのでは。
Sunset |
納竿
午後3時半まで2匹目を狙ったが、とうとう来なかった。
小川町のT.Fさんは、3時には帰ると言っていたが、どうしたのか?
今日は快晴、気温が上昇したせいか疲労困憊、T.Fさんの所までは行けそうもないので、挨拶もせず帰って来た。
現場を離れたのは午後4時、この時間に釣りに来た人達何人かと途中ですれ違う。
今年の竿納めに、自己記録更新の釣りが出来、最高の1日が終わった。 |
本日釣果 マコカレイ 38センチ1枚、イイダコ 2匹、カタクチイワシ 30匹程
シャコ 2匹、豆アジ1匹
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