2002年4月12日(金)湊よりの堤防
      メバルいました!
                       
朗報届く
TVから午後7時のニュースが、意味もなく流れていた。
あいにくお頭の中は、明日だ、明日こそはと。
これまでの失望につぐ失望の釣行を、リセットする思案で一杯だったのだ。

午後7時15分を廻った頃。
突然、リリリーン!と風雲急を告げる電話の呼び鈴。
カミさんが出て一言、二言、直ぐノビタに受話器が渡される。
「もし、もし・・・」
「釣れてるぞーー!♪」
威勢のいいMr.Xの声が、耳に飛び込んで来た。

今から間に合うかと、一瞬躊躇したが。
カミさんに釣れている時がチャンスと、けしかけられ。
大慌てで服を着替え、釣りの準備をし。
”Reday!Go!”。
”Lets 湊よりの堤防”。
とブッ飛んだ。
                          
4月12日に使用した重り負荷3号浮子

駐車場からほとんど走るように歩いた。
堤防は何処まで行っても人影無し。
場所を間違えたか、と不安になりながら先に進むと、やっと人影を発見。
10メートルほど近ずくと、
「オーー!」
と向こうから呼びかけられる。
Mr.Xだ、ホッ。
既に第一戦、第二戦、第三戦は終了し。
彼のスカリには、メバルが20匹ほど入っていた。
ノビタもあせりながら竿を準備し、午後8時半、釣りを開始。

始めの一匹
10分ほど経過。
浮子は赤い光りを放ちながらどす黒い海上を、僅かに右から左に流れている。
そっとリールを巻き、静かに竿を引いた。
引かれた勢いで浮子が沈む、とその時、トトトとアタリ。
道糸にテンションを与えたまま待つと、浮子がそのまま海中に没して行く。
竿を振り上げた。
確かな魚の手応え。
ゆっくりリールを巻く。
浮子が、暗い海中からジワジワと浮上して来る。
16〜17センチと小振りだったが、待望のメバルが堤防の上に。
嬉しい始めの一匹だった。
その後、聞き合わせをすると何度もアタリがあったが、合わせ外れ多く一喜一憂の釣りが続く。
                    
   4月12日この仕掛けを半分にして使用
うるさいぞ
Mr.Xの場所を、当然の様にノビタが占領していた。
ここでも年寄りが優先なのである。

仕掛けの投入ポイントがずれて、Mr.Xの浮子にぶつかりそうにドボ〜ン♪と落下。
「魚が逃げるーーー!」
Mr.Xの悲痛な叫び。
「刺激を与えるカンフル剤かも」
と、言うと。
「ボソボソ.......」
聞きとれない声がする。
しばらく、静かに時間だけが過ぎて行く。

突然。
ドドーーン!と、生き物全てを叩き起こす様な物音が隣りから。
見るとMr.Xが、海上に落としたスカリの位置を調整している。
「魚が逃げてしまうじゃないか」
「エッ、何か言った?」
急に耳が遠くなるMr.X、なかなか手強い。
                            
   4月12日の釣果
魚が根に
Mr.Xの仕掛けが根に引っ掛かり、根と戦っていた。
「頑張れーー、浮子がもったいないぞーー」
と、心とは裏腹のエールを送る。
何とか浮子だけは回収したようだ。

彼の浮子から、1メートルほど離れて浮かんでいたノビタの浮子が、突然ピョ〜ンとハネ上がり。
直後に赤い灯りがスパッ!と闇に消えた。
竿を思いっきり左から右に払ったが。
道糸が弛んでいて、合わせが効かない。

リールを高速で巻き、道糸を張ったが既に遅し。
Mr.Xと同じ根に、魚が潜り込んでしまった。
仕掛けはガッチリ根に絡んで動かない。
Mr.Xがノビタの様子を見て嬉しそうに、
「何やってんの?」
人の不幸は蜜の味と言わんばかりのニコニコ顔。

それを横目に苦闘を続ける。
仕掛けを引くと、ゴトゴトと魚の反応はある、されど仕掛けは動かない。
10分ほど経過。
               
4月13日に使用した重り負荷2号浮子



魚の回収をあきらめ、思いっきり力を加えると。
仕掛けが根から外れ。
重量感のある手応えが、堤防に近ずいて来る。
堤防に上ったのは25センチの立派なメバルだった。

  
4月13日30分の釣果
仕掛けが奇跡の生還
Mr.Xが来て、
「かわいいメバルちゃんだこと」
と、笑っている。
くやしいけど、この前にMr.Xの釣った28センチのメバルにはかなわなかった。

仕掛けが、ゴチャゴチャに絡まっていた。
それをほどくと、何と!、幹糸が中央からブチ切れている。
仕掛けの上針と下針がうまいこと絡まり、辛うじて魚が上ったのだ。

文字通り痩身創痍となって戦った幹糸4号。
本当にお前は良く戦った。
この激戦を決して俺は忘れない。
幹糸は何も言わなかった。
神ハ存在シタノデアル。

終章
全心身が久々に発光し、快い疲労感を土産に午後11時半現場を後にした。
釣果:15センチから25センチのメバルを20匹。

釣りに行くこと、それは”狂気の文明からの偉大な逃走”なんだけど、そこで又、狂気の沸騰に出会い煩悩が煮え滾ってしまった分けで。
これからどうなることやら。

翌日も夕方でかけたが、ピカピカ夜空に光る稲妻に脅え、午後7時から30分だけやって逃げてきた。
30分の釣果は、16〜20センチが9匹。

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