2002年4月19日(金)湊よりの堤防
      メバルのとりこ!
                       
準備
紺色の夕暮れも、終わりに近い。
地上から昼の明るさが、急速に消えていく。
東南の方向からアゲンストの風が吹いていた。
邪魔な風である。
堤防に人影無し。
ザザーッ、ザザーッとテトラに身をすり寄せる波が、
「御主人サマようこそ」
と、ささやいている様だ。

バケツに水を汲みタオルを濡らした後、その水を捨てて魚入れ用に水を汲み替えた。
リュックからリールと、ヘッドランプ、それにチャックが壊れて”開いた口が塞がらない”小物入れを取り出し。
小物入れから仕掛け、重り、ハサミ、針ハズシなどを出して堤防の上に並べた。
次に、竿ケースから竿と浮子を取り出しメバル用の竿を一本準備する。
この時間は、頭の中が空っぽになる。
雑念が入って来る余地など、これっぽっちも無い。
ひょっとすると、釣りをしている時間の中で一番充実している時か。

始めの一匹
釣りを開始した。
海も、空も、陸も、墨色に染まり。
真上に、艶ぽく微笑む白い三日月、その隣りにエメラルド色に輝く星が2個。

釣りを開始してから何も起こらず15分経過。
暗い水面を右から左に、虫が這うように漂っていた電気浮子が、突然、闇に消えた。
「一寸ノ光陰軽ンズベカラズ!」
転がっていた竿を掴み、居合い抜きの如く左から右へ大きく払う。
ガツーーン!、確かな反動が海から届いた。
お頭の上に、七色の光りがパッと散る。
天下を取った様な瞬間デアル。
この快感、この恍惚、この狂喜!。
この一瞬が釣りのダイゴミだ。
待ち人来たりの一匹だった。
20センチそこそこだが、メバルはいたのである。

      
ハリス1.5号、幹糸3号、メバル10号4本針








休憩タイム
この後が続かない。
何度も「魚チャンいる?」と聞き合わせをしてみたが、オールナッシング!。
赤い電気浮子が、小波の上で幻想的に揺れているだけ。
神秘的に輝く赤い光りを見つめていると。
いつか魂は妄想のジャングルへ。
闇の中から。

(昨日の読売新聞のコラムに、芥川竜之介の「暗中問答」の一部が載っていた。
「お前がこの世でしてきたことの責任は」
と暗やみから何者かが問いかける。
僕なる者が答える。
「四分の一は僕の遺伝、四分の一は僕の境遇、四分の一は僕の偶然、・・・・・僕の責任は(残る)四分の一だけだ」。
暗やみから、
「お前は何と伝ふ下等な奴だ」)

問いかける者がいる。
「お前は何でそんな馬鹿なことをしに来るのか」
ノビタが答える。
「四分の一は狩猟民族の血、四分の一は病気、四分の一は浮世の癒し、・・・・僕の責任は四分の一(快楽の追求)だけだ」
暗やみから、
「お前は何と伝ふ下等な奴だ」
馬鹿は死ななきゃ直らないチャンチャン♪。

神に捨てられる
午後9時前後からバタバタと入れ食いとなり、アッと言う間に10数匹を追加した。
その後、ピタリと食いが止まり。
アタリがもう30分ほど途絶えている。

リチウム電池を交換したばかりの、2号の電気浮子が、暗い海に赤いダイヤの如く冴えた光りを放っていた。
突然、浮子が海中に滲む様に沈んで行った。
置き竿を掴み振り上げたが、糸の弛みが災いし空振り。
慌ててリールを巻く、ガツーン、異常な手応え。
地球だ、根掛かりだ。

根に逃げ込んだ魚の、ドドッ、ドドッ、ドドッの重厚な振動が、空しく手元に伝わって来る。
あせらず待とうホトトギス。
魚チャンが、油断こいて鼻糞をほじっている時にと、時々引いてみたがダメ〜。
5〜6分、とうとう待ってられんと竿を水平にして強く引いた。
バシーーッ!、一貫の終わりである。
「拾ウ神アレバ、捨テル神モアル」
今日は捨テル神に巡り合ってしまった。

午後10時半撤退。
本日釣果、15〜24センチ 17匹。
                               
本日釣果


















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