2002年6月15日(土)湊寄りの堤防


    ヤッタぜベイビーー♪

                        
  午後7時夜は近い
つかの間のWカップ
Wカップ、日本はチュニジアを破った。
その瞬間、日本が沸騰し。
国民は勝利に酔った。
暗雲に覆われた浮世に、一発の花火が上がったかの様だった。
1時間、2時間・・、時の経過とともにその感動は風化して行く。
そしてまた、梅雨空のように重い浮世の現実が目の前にある。

ボロボロヨレヨレの、老人と6〜7才の少年が、廃虚と化した夏草が広がるスタジアムに立っていた。
老人が、少年にボソボソと話している。
「昔、まだ日本が裕福だったころ、ここにサッカー場があったんだ。
ここで日本はチュニジアを破ったんだ。
でも坂を転がる石ころの様に日本は貧乏国になり、日本のサッカーは消えたんだ」
サッカーを知らない少年は、夏草に消えた青大将を目で追っていた。

「夏草や つわものどもの 夢のあと」(松尾芭蕉)

単なる妄想なら良いが・・・。

狙いはアジだった
家を出たのは午後6時半。
空一面が、雲の絨毯に覆われ。
コンビニや、JA、ラメーン屋の幟が、パタパタと北東にはためいていた。
釣り場にはだ〜れもいなかった。
対岸にいる釣り人達のざわめきが、時おり海を越えて聞こえて来る。
釣れているのだろうか。

此所は釣り場としては三流だ、だから釣り人はあまり近寄らない。
人がいない分、自由に釣りができるが、夜になると不気味である。
竿を2本用意した。
1本はアジ用の磯1.5号5.3メートル竿、それに自作の3本針仕掛けを付けた。
1本は30センチオーバーのメバルを狙う磯2号5.3メートル竿、それに自作のメバル仕掛けを付けたもの。
釣りを開始したのは、午後7時10分。

風は気にならないほどになっていた。
夜と昼の狭間にある暗い海、電気浮子が霞んで見える。
10分ほど何の反応もなかったが、突然、電気浮子がスパッと海中に消えた。
リールを巻く、弛んだ道糸が張った途端に手応え有り。
一匹目は、16センチの豆アジだった。
この後、18センチを1匹追加。
霧雨が降って来た。
メバル狙いの竿には、何の反応も無い。

     
豆アジ2匹と
とんでもない大物
アジ狙いの電気浮子が、またズボッと海中に沈んだ。
アジは体が小さくても引き味が良い。
と思いつつ、竿を大きく合せると。
「?????????」
おかしい?。
動かない。
根掛かり?。
リールをギリギリと巻く。
「ウゴク!」
そのままエンヤドット、エンヤドット♪とリールを巻いた。
ジワジワと堤防に寄って来る。
ドタッ、ドタッ、ドタッと竿に痛打を浴びる、間違いなく大物。
これはアジを狙った大泥棒だ。
石川五右衛門か、鼠小僧次郎吉か。
おそらく奴は、餌に近ずいたアジを狙い、運悪く自分が針に掛かったのだ。

獲物が足元に近ずいた。
堤防の上から水面まで4メートルほど。
暗い海面で、バシャ、バシャ、バシャと音を立てて暴れている。
タモは無い、人もいない、どうしょう?。
足の裏が、こそばゆい。

自家製のハリスは1.5号、せいぜい27〜28センチクラスのアジに耐えるだけのパワーしかないのでは?。
敵の抵抗が衰えるのをしばし待った。
突然、稲妻がピカッと夜空を貫いた。
直後に、不気味なゴロゴロゴロが天地を駆けめぐる。
もう時間が無い!。
「南無八幡大菩薩!!!」
と怪物を引き上げたが。
獲物の重さで竿が”の”の字の限界、その分道糸の巻きかたが不足し、獲物は水面から1メートル上で宙ブラリンコ。
リールを、ギリギリと3〜4回ほど追い巻きし。
そのままソーーッと、クレーンで重機を船から大地に移動する如く、堤防の上に移動した。
真暗な堤防の上で獲物がドタッ、バタッと暴れている。
その白く光る姿態から、一瞬青物かと思ったが。
よく見ると、
「ヒラメじゃ〜!、ハリス1.5じゃ〜!、35センチじゃ〜、奇跡じゃ〜!」
途端に大粒の雨が、顔や手に落ちて来た。
「本日はこれにて打ち止め〜!」
と感動を打っちゃり、大慌てで後片付けをし。
釣りを始めて僅か30分の午後7時40分、現場を退散。

       
ヒラメ 35センチ 1枚 
















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