七転八倒の日々 釣りたい! 毎回、毎回、ボーズ。 この辺で、松井の満塁ホームランに匹敵するような30センチクラスのメバルを。 いや二塁打クラス。 いや一塁打クラスでもいい、釣りたい。 午後7時半開始。 冷たい向かい風と、潮気を含んだ小糠雨が体温を奪い。 眼鏡は雨に濡れ視界を閉じて、テトラの上の足元を不安にする。 空も、海も、大地も、墨一色に覆われた港の中で。 ノビタと、Oと、ドラえもんさんの、3人のケモノ辺が、電気浮子の赤い灯りが沈む瞬間を、今か今かと待っている。 犬とノビタの違い? 今日こそは、今日こそはが、いつも無惨に砕かれた。 それでも懲りない。 「馬鹿は死ななきゃ直らない」 が、うんざりするほど身にしみる。 渋谷の忠犬ハチ公は、ご主人が亡くなった後も夕刻になると渋谷駅まで、雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、毎日迎えに行ったそうな。 老衰し、動けなくなるまで迎えに行ったそうな。 獲りに行くのと、迎えに行くのとでは、雲泥の差があるけれど。 2匹(人)とも追憶の映像に憑かれ、当て外れを繰り返している点では同じなのかも。 従って、このままではノビタ≒犬になってしまう。 これでは、ご先祖様に申しわけが立たない、と解決が急がれるのだが・・・・。 運に見放され やがてアタリの無さに痺れを切らし、ノビタの周りから2人ともいなくなってしまった。 ノビタもその場所に見切りをつけ移動した。 移動した場所でも全くアタリ無し。 しばらくしてワーワー喚きながらOが隣りにやって来た。 そして第一投、何気なく隣りを見ていると、浮子は立つ間もなく沈んだ!。 なんと第一投で、18センチのメバルをものにしたのだ。 そして、 「入食い、入食い♪」 とOはおおはしゃぎ。 それは無いぞ〜、そういのを「鳶に油揚げをさらわれた」と言うんだぞ〜。 神は今日も我を見捨てたもうたようだ。 雨の滴は竿を重くし、衣服を重くし、気を重くして行った。 「雨はふるふ〜る 人竿は濡れ〜る 越〜すに越され〜ぬ ボ〜ズ坂♪」 トホホホホホホホ・・・・・・。 撤退 午後10時、ドラえもんさんを誘い、憎ったらしいOを現場に残し撤退。 また明日の行方を見失い、重い足を引き摺って帰って来た。 ドラえもんさんから、先週と同じく戦利品を頂く。 ドラえもんさんに頂いた戦利品 メバル22センチ と 石蟹 The End |