2003年5月1日(木)湊寄りの堤防

    久々の釣果


天気晴朗なれど風強し         蒼暗の洞窟に魚の影
釣り場に着いたのは、午後6時半。
南東の風が吹き荒れ。
港に停泊中の船上の旗が、激しくパタパタとはためいていた。
今日は、強風も敵になりそうだ。

いつものポイントに行くと、先客あり。
幸か不幸かOである。
これまでの結果は、彼に全ての運を奪われたのかもしれん。

Oは釣りを始めていた。
彼に声をかけ、すぐ準備にとりかかる。

準備
竿は、いつものように磯1号の5.3メートル先調子。
2号の電気浮子に、錘は2号のヨリモドシ兼用、それにハリス1.75号の30センチを結び、メバル針10号の1本針。
浮子下は1ヒロ(1.5メートル)、餌は青イソメを半分に切ってチョン掛けにした。

「皇国ノ興廃コノ一戦ニアリ」
この2ケ月間の惨戦につぐ惨戦を、今夜で断ち切りたい。
釣れなければ徹夜の覚悟だった。

海に向かって。
二礼二拍手一拝一揖。
(にれいにはくしゅいっぱいいちゆう)
の願もかけ。いざ勝負!。

始めてのポイントで
まだ準備中なのに、騒々マシンOに新しいポイントを探そうと連れて行かれた結果。
比較的足場の良いポイントが見つかる。
今夜はそこでやることにした。
Oがいるポイントから100メートルほど離れた所だ。
釣りを開始したのは、すっかり暮れた午後7時。
すぐにアタリ、久々のアタリだった。
餌を食い千切られただけだが、今夜は期待できそうな。

今夜は違う
始めに来たのは、22センチの海タナゴだった。
次は、浮子が僅かに沈んだり、浮いたり、歯がゆい動きを、このアタリに覚えあり。
竿を起こしリールを巻くと、モゾモゾと道糸を這いずって来るような信号が伝わって来る。
大きく合せた。
ズシーン!と重量感のある手応えと、ドドドドドーーと慌てて逃げようとする魚の手応え。
ほんの一寸、やったりとったりした後。
竿が折れるのではと、思いながらテトラに引き上げた獲物は。
30〜35センチほどのドンコ。
ともかく記念写真をと、地上に運ぼうとした途端に、プチンとハリスが切れて、テトラの間に消えてしまった。
この後、待望のメバルを上げたが、15センチと小振り。
これでは納得できないよ。

逃がした魚は大きかった
アタリの無い空白の時間が30分ほど続き、集中力がゴムのように伸びきっていた。
足元近くにある浮子の灯りが、スーッと海中を赤く染めながら消えるのを、ボーッと眺めていた。

根の近くに棲むメバルやソイ、黒鯛や、その他、その他の根族との勝負は、一瞬の間が勝敗の分れめ。
アタリを感知したならば、居合い抜きの速さで合わせを入れないと、根に入られジ・エンドとなる。

ぼんやりしていたのは、おそらく0.1〜0.2秒ほどか。
一瞬、頭の中に閃光が走り、眠気がブッ飛び。
竿を立て。リールを巻いた。
ガクンと竿が、海面に張り倒される。
敵は、炎のランナーと化し、根に突っ込んだ。

竿を起こそうとするけど、起き上らない。
相当の重量感だった。
竿をグイ、グイ、グイと引き込む敵。
それ以上、引き込まれないようにするのが、生一杯である。

海底と海上の綱引きは1〜2分。
匙を投げ、強引に竿を起こそうとした途端、
「ピッシーー!」
と竿が後ろにハネ返り、電気浮子が空中に舞い上がる。
ハリス1.75号が切られたのだ。
主を失った電気浮子が、風に吹かれて揺れていた。
何だったんだろう。
おそらく尺メバルだろう、いやそう思いたい。

根に棲む魚
午後8時を廻った頃、近くに移動して来たOと誰かが地上で話している。
風に乗り、途切れ途切れに聞こえる声は、ドラえもんさんだった。
我々がまた場所を変えたので、どうやら探しあぐねたようだ。
何せ、ノビタは携帯を持たないので連絡も取れない。

Oもノビタもよく場所を変える。
同じ根ばかり攻めると、生まず後家のように、生まず、孕まず、育たずの、単なる洞窟になる事を避けるためもある。
新陳代謝が盛んな若い女性のように、攻めても、攻めても、新しい生命を宿すなら良いけど、根魚は攻め続けると消えてしまう。

納竿
午後10時、撤退。
久々の釣果だ。
ドラえもんさんは、とうとうボーズを食らった。
ノビタのボーズ菌が感染したのか、気になる。
今夜は、あの尺メバルと思われるバラシがあったので、はしゃぐ様な嬉しさとは言えないけど。
Oは、24センチほどのタナゴ1匹だけ。
彼には勝った!。

今日は、小林 一茶の心境である。
「目出度さも ほどほどなりや メバル釣り」。

 本日釣果
 メバル 15センチ1匹
      18センチ〜22センチ3匹
 タナゴ 22センチ1匹






The End
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