春一番に負けた日 ハルウララ頑張れ! その勇姿 「人間の真価は、なにを為したかではなくて、なにを為そうとしたかだ」(山本周五郎「虚空遍歴」より) この言葉を実践するような馬が、高知競馬場に登場し、日本だけでなく海外まで騒がしている。 優しい横顔 このせちがらい浮世に、”ハルウララ”というのんびりした名前をつけた7才の牝馬である。馬体の小さい彼女は、デビュー以来連戦連敗、現在103連敗中だ。 スタンドからは「ガンバレー」、「粘れー」の声だけでなく、「勝ったらいかん」の妙な声も飛ぶそうな。 ”史上最弱馬”といわれる”勝てないヒロイン”。 結果が伴わなくても、ひたむきに走り続けるその姿に、人々は熱い声援を送っている。 100連敗目の模様は下記の高知新聞に。 http://www.kochinews.co.jp/0312/031215headline01.htm 女らしさが 彼女はいつも初めから全力で飛び出し、レース終盤まで上位の位置につけて必死に粘る。でもゴール間近になると、彼女を追い抜いて行く馬達のお尻を見ながらレースが終る。 これを繰り返している。 でも彼女はめげない。 負けても、負けても、懸命に、ただひたすらに走り続ける。 「夢のゴールはきっと来る」を信じて。 いつの世も、人は身につまされるのか、弱者に声援を送って来た。 「やせ蛙(がえる) 負けるな一茶 ここにあり」 (小林 一茶) そして現代、右も左も成果主義の今、成果を出せない多くの人々がハルウララを声援しているのかも。 「ネバーギブアップ、ハルウララ!」 Oがいた 枯れ草が風に吹かれ 風に吹かれながら歩いていると、全身がじっとりと汗ばんで来る。 今日は寒さが大分緩んだようだ。 午後5時過ぎ、港内は次第に黄昏て行く。 今日はテトラ側を狙うことにし、ビッコでも登れそうな場所を物色していると。 テトラの向こうからOが近ずいて来て、 「身体障害者の場所はこっち、こっち」 と叫んでいる。 そこはノビタが探し求めていた所だった。 強風との闘い 風が強くなって来た。 Oは置いてきた竿が気になったのか、すぐ戻って行った。 釣りを開始したのは午後5時半。 5.3メートルの磯竿を、風に逆らいながら両手で持っていると、そのまま吹き飛されそうな恐怖に襲れ、テトラ上に立つことをあきらめる。 仕方が無いので、いつもの堤防に場所を替えたのだが。 今度は向かい風である。 錘2号の浮き仕掛を投げると、前ではなく後ろに飛んで行く。 何とか前の海に仕掛を投げると、今度は竿が風に起こされ、後ろに倒され、仕掛もアッと言う間に堤防の際に戻され、悲惨な戦いが。 夜が近い 作戦を変更した。 今度はルアーでメバルを狙おうと準備していると。 リールから道糸が飛び出し、風に撒かれてゴチャマンになってしまう。 泣く思いで、道糸をリールに巻き戻した。 竿は5.3メートルの磯竿を流用したが、これがまずかった。 100キロを超えるかと思われる風圧を受け、ルアーを操るどころではない。 飛ばされないように竿を掴まえているだけで、精一杯だった。 馬鹿だよな〜 Oがテトラ側から戻って来て、 「勇気ある撤退だ!」と叫んでいる。 ハルウララに感化されたノビタは、こんな風に負けてたまるか、と独り頑張るつもりだったが、 「こんな風の日に釣りをやるなんて、馬鹿だよな〜」 とOが何度も側で”馬鹿”を繰り返すので、止む無く釣りを断念ス。 今日も尺メバルはお預けだ。 まだ100連敗はしていないけど、確実にハルウララの連敗に近ずいている。 ノビタの場合は誰も応援してはくれない、でもくじけないで尺メバルを追い続けよう。 午後6時半、撤退。 本日もボーズ也。 Fisherさんよりヤシオマスを頂く 夜の8時半、Fisherさんがノビタの自宅に、今日釣って来たのですと50cmを超える見事なヤシオマスを届けてくれた。 ヤシオマス50cm超 その瞬間、ドラッグから道糸が出っ放しとなる壮絶な闘いを制した結果だそうな。 他にも多くの釣り人がいたそうだが、その日最大の大物だったとのこと。 釣りの要諦、「運、勘、根」を絵にしたような釣りである。 ノビタには無理だ。 ノビタの場合は、運、勘はともかく、根が途中で空中分解しそうだ。 The End |