２００４年１１月１７日（水）三流の釣り場 　　　　　　　　　　午後６時〜午後８時半

フグに泣かされた夜 釣り日和だったけど　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　２６〜２８センチ 夜空には、星屑と、細く尖った三日月が輝いていた。 北から微かに風あり。 もう冬だというのに、温い夜だ。 海はガラス貼りの床のように、真平らなベタ凪だった。 この釣りの聖地に、ノビタ一人也。 ノビノビと、「ビバ！唯我独尊」。 と思ったが。 テトラ側でヘッドランプの灯りが一つ、点いたり、消えたり。 １００メートルほど先にもう一人、静カナルコト山ノ如シがいた。 馬鹿なまねは止めた方が良さそうだ。 敗戦 今夜は散々だった。 始めは空気も軽く清々としていたが。 時刻の経過とともに、空気が重くなり気分が鬱蒼となる。 今夜の目標はメバル５匹以上、されど達成ならず。 「戦勝攻取シテ、ソノ功ヲ修メザルハ、凶ナリ」（孫子） 負け戦だった。 以下、敗軍ノ将、兵ヲ語ル。 入れ食い いつものポイントに荷を下ろした。 第一投は、２０メートルほど沖に仕掛を投下。 電気浮子が、海に立ったと思ったら、モゾ、モゾと不穏な動き。 「ヒクヒクとか、ホコホコとか、スパッとか、ズボッとか、もっと元気を出さんかい！」 とどやしたくなるようなアタリ。 そして。 まただ。またあのはがゆいアタリだ。 電気浮子の赤い灯りが、ソロソロと海中に沈み。 今度はソロソロと浮上し、そしてまたソロソロと・・・。 まるでノビタの様子を見つつ浮子を操るが如し。 馬鹿にしているのだ。おちょくっているのだ。 ビシッと竿を振り上げた。ナッシング！。手応えなし！。 ヤ〜ィ、ヤ〜ィ♪と手を打ち、腹を抱え、笑い転げるフグの声が、海の方から聞こえてくるようだ。 しだいに、”怒髪、天を衝く”が如く、のぼせ。 とうとうターゲットがフグとなり、それを釣り上げようとやっきになる。 後述するが、もう少し冷静に考えれば、フグがいないであろう場所に気がついたのだが。 その時は、手がつけられない完馬鹿になっていた。 ＜フグとの壮絶な戦いの結果＞ 敵側の損害：１６〜１８センチのフグ３匹が針に掛かり負傷。 当方損害：青イソメ約３０匹（１パック）が、ほぼ即死の状態でフグの胃袋に納まったと推察される。 戦果は、メバル１匹、セイゴ２匹、タナゴ１匹、アジ１匹。 釣り人たち 午後７時ころ、隣りに釣り人が来た。 彼をＡ氏と呼ぶことにする。 しばらくして、Ａ氏が近ずいて来て。 �"どうだっぺ？���錫鮠 ����と話しかけて来た。 言葉から、この辺が産地だと分かる。 彼の問いに応えた後、何を狙いに来たのか聞くと。 �"ダンナが、ここでメバルが釣れると言ってたもんで・・���錫鮠 ����何人かに、ここで何を狙っているのか聞かれて応えたが、その内の一人らしい。 「ダンナはいつも此所に来るのケェ？」 とＡ氏の声は、ノビタに先に場所を取られ、残念な響きがあった。 午後８時ころ、また人がやって来た。 テトラ側にいた人のようだ。 彼をＢ氏としよう。 彼に、フグ攻めに合い散々だと話すと、 �"良形のメバルを十数枚上げたよ」 と優越を感じたのか、嬉しそうだった。 その後、のべ竿を折られ電気浮子ごと逃げられたという大型メジナ逃亡事件を、くやしそうに話していた。（ノビタ的には他人の不幸は蜜の味だったけど・・） Ｂ氏にフグがいたか確認すると、気にするほどはいなかったようだ。 Ｗｈｙ？。ドウ・ユー・アンダシッテル？。 納竿 午後８時半、餌が尽き納竿、竿をかたずけていると。 Ａ氏が戻ってきて、ノビタのポイントに仕掛を投下する。 間もなく、ピシッと合せる音が。 なんとＡ氏、来るとすぐに２０センチほどのメバルを釣り上げた。 フグとの不毛の戦いで精も根も尽き果た所に、目に毒の一発だった。 Ａ氏が、これからドンドン釣るのを見たら悲劇だと、逃げるようにして帰って来た。 ”動カザルコト山ノ如シ”の人が、背中を丸めてコンクリの上に座り、堤防の縁に置いた短竿の先をジッと見つめていた。 何を狙っているのか、いや心は此所にあらず、はるか悠久を見ているのか。 やけに寂しそうなその影、まるで山頭火だ。 「なんでこんなに淋しい風ふく」 考察 フグは、何故今回多かったのか。 よく考えると、今夜は港の灯りが普段より明るく輝き、三流の釣り場を照らしていた。 久慈川河口の石持釣りも、港の灯りが届く遠目に仕掛を投げると、フグの攻撃に遭った。 光りが届かない岸寄りの、堤防の影には、フグがいなかった。 要は、フグは暗い所では物が見えないらしい。 おそらく釣る場所を光りが届かない所に代えれば、釣りになったのかも。 残念ながら、後の祭りだった。 本日釣果 サバ　　　　　２７センチ　　　　１匹 セイゴ　　　　２７〜２９センチ　２匹 タナゴ　　　　１９センチ　　　　１匹 アジ　　　　　１７センチ　　　　１匹 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本日釣果 Ｔｈｅ　Ｅｎｄ。

SEO		[PR] ����!�����u���O �����z�[���y�[�W�J�� �������C�u����