2005年1月8日(土)東海某堤防
          午前10時〜午後3時半
ノビタの釣り天国
 

      予想ほどは・・・

闘志                               1本脚のカモメが・・・
冬は、こだわりを捨て、釣れる魚を追う者のみが生き残れる季節。
「少年よ、大志を捨て、小志を抱け」
と今日もタナゴ釣り。
「小さなことを、大きく楽しむすべをわきまえている」
(開高健)
ことも大切なのさ。

昨日の戦いは、戦略も戦術も貧困であり、その戦果も当然納得がいけるものではなかった。
タナゴを甘く見ていた。
タナゴだって命がけである事など考えてもみなかった。
たかがタナゴ、されどタナゴである。

そして今日は、今日こそはと。
軍師の目と、漁師の目と、繊細な芸術家の目とを兼ね備えた三位一体の目で、仕掛を工夫し、極めつきの餌、戦う時間帯、そして戦場を決定した。
完璧だ!。
これで大漁間違いなし!。

こんなはずでは・・・
今日も真っ晴れだ。
はるか海上に白い千切れ雲が繋がっている。
風は西から緩やかに吹いてくる。
長い堤防に今日は20人ほどが、釘のように突き刺さっている。
戦場に着くとすぐジャンパーを脱ぎ、汗を乾しながら準備を始めた。
今日やろうと思っていた所には、先客がいたので、その隣りでやることにした。

    
たまに25センチが
釣りを開始したのは午前10時。
10分、20分、30分・・・、浮子は、ドンブラコッコ、ドンブラコと波間を右から左へ、そして左から右へ漂っている。
まるで応答無し。
こんなはずでは・・・・。

始めの1匹
11時ころ、やっと浮子が海中に消える。
竿を振り上げると、手応え有り!。
もっと強く、もっと深く、もっと熱く、走れ!。
と声を投げながら、ゆっくりと、注意深く、優しく、リールを巻いてくる。

抵抗は、しだいに弱まり。
そして、淡い虹色に染まった体のセニョリータが、パタパタと堤防の上で跳ねた。
それにしても、予想では既に20匹は釣っている時間なのだが・・・。

仕掛
今日の仕掛は、昨夜、入魂の自作である。
胴突き2本針仕掛で、針はメバル8号、ハリスは1.5号で長さ25センチ、枝間は60センチ。
先ず浮子の下にアミコマセを入れたコマセ籠、その下に上記自作仕掛、その下に錘3号を付けた。
餌は、ジャリメ。
魚の引きを楽しむならば、黒鯛と同じようにフカセ釣りがよいのだが、コマセ作りが面倒なので、昨日と同じカゴ釣りにした。
タナゴ釣りのコマセには、砂と一緒にミジンコを海に撒く方が良いのだが、砂浜が無い、だからミジンコもいない。

また、どす黒い乱雲が胸の中に立ち込めてきた。
この港は、本当に必要なのだろうかと。
失った物と、得た物との価値の大きさを比べたら、理解に苦しむ巨大な化け物である。
この下には、かって白い砂浜があり、小さいミジンコが砂の上を無数に跳ねていた。
食物連鎖で多くの生物が、その生を謳歌していた。
耳をすますと鐘の音が聞こえてくる。
”誰がために鐘は鳴る”葬りさられた過去、現在、未来の多くの命への、弔いの鐘さ。

海の税務署員
微だが、浮子がこれまでのリズムと異なる横揺れ。
「・・・・・・?」
竿を振り上げると、手応えあり!。
堤防に転がったのは、邪魔物のフグだった。
                                   
イワシを狙う税務署員
時々、餌がなくなっていた犯人はこいつだ。
これは税金だと思って、あきらめるしかないようだ。
この税務署員も、情け容赦なく2本の針につけたジャリメを1片のかけらも残さず、きれいに取って行ってしまう。
憎ったらしいったらありゃしない。

隣りの釣り人がイワシを釣り上げると。
今度は空から降りて来た税務署員が、堤防の上に転がったイワシを1匹失敬し、まだ足りないと、釣り師がイワシの針を外すのを待っている。

やっと海が湧いた
午後12時までに3匹。
緊張が弛緩し伸び切ったころ。
浮子が波間に消える間隔が、しだいに早くなってきた。
そして、午後1時を過ぎると、ほとんど入れ食いとなる。
隣りで、ドンコ釣りをしていた釣り師が、
「ホウ、ホウ、ホウ」
とタナゴが堤防の上に転がる度に、フクロウが鳴くような、感嘆の声を上げていた。

午後2時過ぎ、急激に勢いを失い、昨日と同じく午後3時、パタリと食いは止まった。

  
  みりん干しにしたタナゴ
小山の釣り好きさんに会う
そろそろ終わりにしようかと思っていると、見知らぬ釣り師が、隣りの釣り人に、
「・・・・ノビタさん・・・・」
と話しかけているではないですか。
竿を置いて名乗り出た。
なんと、何度かノビタのHPに投稿して頂いた”小山の釣り好き”さんだった。

始めて、この禁断の地に足を踏み入れ、ほとんど偶然にノビタを発見したようだ。
”小山の釣り好き”さんは、身のほど知らずにもフカセ釣りをしています、と話していたが、どうやら黒鯛の姿は見ずじまいのようだった。
もう帰りますと、言いながら戻って行った。

帰りにT.Fさんにも
午後3時半、アタリが消えて久しくなった所で、納竿にした。
帰る途中、
「ノビタさ〜ん」
と呼ばれたような気がして振り向くと、こちらを見て手を振っている人がいる。
逆光で顔が無い。
近ずいてみると、T.Fさんだった。
朝から、黒鯛を狙っているそうな。
スカリの中に20センチほどのメバルが1匹、”夢破れてメバルあり”か。
ネバー・ギブアップ!で、午後7時くらいまで頑張ると言う。
その根性に頭を下げ、失礼して来た。
彼からも、懇親会を催促されてしまった。
う〜ん、さて何時にする?。

タナゴは美味いぞ
                                    
骨マデ愛セマス甘露煮
あまり料理が得意でないカミさんだが、「道によって賢き」で、海タナゴの料理は抜群である。

特に彼女が考案した、みりん干しと、甘露煮は、とてもこれが海タナゴとは思えないほどの味で、それを口に入れる度に、うっとりと桃源郷に浸っている。
骨まで、骨まで、愛せますタナゴちゃん。
ごちそうさまでした。

本日釣果
   海タナゴ   18〜24センチ 31匹

                   
本日釣果






























The End。
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