2005年1月13日(木)東海某堤防
          午前11時〜午後3時半
ノビタの釣り天国
 

     海タナゴの嬉しい猛襲

釣り日和だけど・・                           地球は青かった
空も海も真青。
白い綿雲が、水天一髪の海上に細く長く伸びている。
風はわずかに西から。
堤防を沖の方に歩いて行くと。
暖かい陽射しの下で釣り人が5人、思い思いの場所で腰を下ろし、ジッと海を見つめていた。

堤防全体に倦怠と、沈滞と、寡黙が。
いつもの「北の宿から」の唄が、何処からか流れてくるような。

  「あなたアタリは無いですか
  日ごと寒さがつのります
  来てはもらえぬ魚の群れ
  鼻水こらえて待ってます♪」(ホリオ剣)
まだ時合ではないのか、それとも今日は釣れない日なのか?。

カモメも辛い
汗を流しながらポイントにつくと。
荷物を下ろし、ジャンパーを脱ぎ。
「燃えよ剣」ではないが、「燃えよ竿」を2本準備した。
釣りを開始したのは、午前11時。
10分、20分、30分・・・1時間、2時間経過、浮子は漂えど沈まず。

 
  カモメが餌を探して
集中力の弛緩と疲弊が、頭の芯から足の爪先まで伸びて行く。
目も、口も、手も、ヒマ〜〜。

カモメが1羽、ノビタの隣りで海を眺めていた。
「あんたも大変だな」
と声をかけてみる。
「こちらは生活がかかってん。あんたらみたいに遊びじゃないんヤ」
と答えが返ってきた。

「この季節は生きるのがやっと。
ハムレットの、”To be or not to be。 that is the question”。(生きるべきか、生かざるべきか。それが問題だ)が、身につまされるぜ」
と深い溜め息を漏らす。

「あんた達を見ていると、本当にそう思うな〜」
と同情はするけど、何もしてやれない。
「我々は生きるために魚を追うのか、魚を追うために生きるのか。なんて、魚がいる時はちっとも考えなかったんだけどね・・・」
と言ながら、カモメは空に舞い上がった。

ターニング・ポイント
午後1時半。
餌を交換しようと竿を持ち、リールを巻くと。
いきなりガクンと、竿先が海面にのされた。
反射的に竿を振り上げると、ドドッとした重厚な手応えが。
磯1号5.3メートルの「燃えよ竿」が、大きく湾曲し、道糸が沖から堤防際に向かって突っ込んで来る。
   
                                  沖側の浮子に異変が
竿を持ち上げると。
グググッ、グググッと2度、3度、4度、竿先が強引になぎ倒され。
「これは黒鯛?」
と、快感が全身を快走する。
これぞ釣りのダイゴミ、エクスタシーだ。

手応えで大きさが分かると、強気一辺倒でリールを巻いてきて、そのまま堤防の上に引き上げた。
25センチと、20センチほどの海タナゴのダブルだ。
これが、ターニング・ポイントだった。
今度は左の浮子が、ズボッ!と一瞬のうちに海中に消へ。
さほど間を置かず、今度は右の浮子が、ズボッ!・・・・・・。

とうとう海が爆発
先行部隊との前哨戦が始まって20分ほど経過、この間に6匹ほど釣った。
午後1時50分、とうとう後発のタナゴ族大軍団が襲来し、海と陸から激突。
海底から雲霞の如くタナゴが湧いてくる。

右の浮子がズボッと海中に消へ、リールを巻いていると。
左の竿が、ビシッ、ビシッ、ビシッとお辞儀を繰り返し、
「旦那、早く上げて下セェ〜、持ちこたえられまシェーーン!」
と悲鳴を上げている。
左の竿を股間に挟み、右の竿の魚を引き上げ。
次に、左の竿の魚を引き上げ。
まず、右の竿の仕掛に餌を付けて海に返し。

そして、左の竿の仕掛に餌をつけかえていると。
もう右の竿が、ビシッ、ビシッ、ビシッとお辞儀を繰り返し、「旦那〜〜!」と悲鳴を上げている。
この勢いが、いつまでも止まらない。
「千と千尋の神隠し」に出てくる釜爺のように、腕が6本欲しい忙しさだった。

「ダブルだ」
「ダブルヒットだ」
「ツイーンだ」
「シングルだ」
「モーニングコールだ」
と阿修羅の如く、2本の竿で寄せ来る敵を、バッタ、バッタと切捨てて行く。


戦い終る                            天日干しも美味い!
午後2時20分、ノビタの反撃に恐れをなしたか、タナゴ軍団は潮を引くように撤退して行った。
「ビバ、東海某堤防!」
と破顔一笑、この時点で勝利宣言。
紙吹雪が舞い、拍手喝采がしばらく鳴り止まず。(馬鹿は死ななきゃ直らない)
この後、残存兵とのドンパチがしばらく続いたが。
午後3時半、アタリもすっかり遠くなった所で竿を納めた。

あとかたずけをしていると、吹く風に剃刀の刃が混じるようになり、空も淡い黄昏のオレンジ色に変化して行く。
閑散とした堤防には、風に逆らいながら竿を振っている釣り人が一人いるだけ。

本日釣果
   海タナゴ   18〜25センチ 34匹

                   
本日釣果























The End。
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