２００５年２月１５日（火）那珂川河口 　　　　　　　　　　午後４時〜午後６時半

やったぜベービィ♪ セイゴがまだ釣れる？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　竿は２本 この真冬に、那珂川でセイゴが釣れるなんて。 信じられなかった。 「生きていたとは　お釈迦さまでも 　知らぬ仏の　・・・・・予測がつくめぇ」 ではないか。 水温が高いためだろうか。 そうだ”河は呼んでいる”、起死回生の一打を打ち上げよう！。 と”白馬”（スマートＤｉｏ）に跨り、那珂川に走った。 煮え切らない人 青イソメを求めて餌屋に入ると、店番をしていた親父さんが。 「釣れる所は限られるんで・・・。でもお客さんはバイクだから・・・。う〜ん」 と生みの苦しさに襲われているような表情をしている。 三角錐の錘２０号を２個買おうとすると。 「これでは・・・。う〜ん」 と、一向に結論が出てこない。 まるで歌のようだ。 「川は流れて　どこどこ行くの 　人も流れて　どこどこ行くの♪」 （どこに行くのか、はっきりせんかい！） 待っても答えが無いので、 「毎度ありがとうございま〜す」の声を後ろに店を出た。 釣りずらい場所だった 釣り場に行くと。 釣り人が数珠のように並んでいた。 なんとかスペースを見つけて、荷を下ろした。 左隣りの人は竿を５本並べ、右隣りの人とは間に１０メートルほどの船があった。 この２人の間に割り込んだのだが。 そこは、真下に小船が岸壁から数本のロープで繋がれていて。 なんとも取り込みに苦労しそうな場所。 これは、腕でカバーするしかしょうがあんめい、と覚悟した。 　　　仕掛 針掛かりせず 竿を２本出し、釣りを開始したのは、午後４時。 川は、粛々と上流に向かって流れている。 空は白く霞んでいた。 まるで、密閉された箱の中にいるように、風も無い。 気温は１４〜５度くらい、絶好の釣り日和だ。 仕掛は、市販の左図「セイゴ投釣り（マダカ）」天秤式を使用した。 第一投、仕掛がドボーン！と水面に落ちた瞬間、 「オー・マイ・ギョッ！」 真黒い鳥が水中から飛び出した。 鵜だ！、なんという邪魔物、これでは・・・・・。 「セ・ラ・ヴィ！（それが人生）」 「マドのサンサは　デデレコデン 　ハレのサンサも　デデレコデン♪」 と気分はもう自棄糞（やけくそ）。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　招かれざる客 しばらくすると、鵜が遠ざかり。 忘れた頃に、竿先に付けた鈴が鳴った。 「リリッ、リリッ」と鳴っては止み。 「リッ！」と鳴っては止み。 時には「リリッ、リリッ、リリリリリーー♪」 と悲鳴を上げて、竿が大きくお辞儀をするのだが。 その度に「ハイそれまでよ」だった。 すぐシーーーンと元の静けさに。 まるで踊り娘が「ちょっとだけヨッ」と、客の残念そうな顔を見て笑っているような。 そんなセイゴの顔が目に浮かぶ。 「フザケヤガッテ フザケヤガッテ」 始めの１匹 釣りを開始してから１時間経過。 また「リリッ、リリッ」と鈴が鳴った。 どうせまたやらせか。 とそのまま放っておくと。 「リリッ、リリッ、リリリリリリリ・・・・・」 と竿先が大きく曲り、川の方に引っ張られている。 合せた。 「フイッシュ・オン！」 リールを高速リトリーブ。 岸から５０メートルほど先で、ナパーム弾が炸裂したような水飛沫があがり、銀色の魚体が宙に跳ねた。 ググッ、ググッと水中で抵抗を繰り返す敵を、問答無用と引いて来て、一気に地上に引き上げた。 足元に３０ｃｍ弱のセイゴが転がった。 「どうだまいったか！」 その瞬間、これまでのフラストレーション（ｆｒｕｓｔｒａｔｉｏｎ）が雲散霧消した。 　　　　　日が落ちて 戦いすんで日が暮れて この後、２番手、３番手、４番手、５番手と次々とセイゴが上がった。 久々の快挙だ。 やがて地平線に、”俵　万智”の句のような日没が。 「ぼってりと　だ円の太陽 　自らの重みに　耐ええぬように　落ちゆく」 　　　　　　　　　（『サラダ記念日』俵　万智） そして、いつか空は群青色に染まり、白い三日月と星が輝く。 しだいに魚の気配も遠くなり。 �"帰るしかあんめぇ���錫鮠 ����と、午後６時半に竿を畳んだ。 そして、カミさんという鵜匠にこきつかわれ、ついに斃死する鵜のように、釣った魚を持って家路についた。 本日釣果 　　　セイゴ　　２７〜２９ｃｍ　　５匹 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本日釣果」 Ｔｈｅ　Ｅｎｄ。

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