２００５年５月２８日（土）　三流の釣り場　メバル釣り 　　　　　　　　　　　　午後６時半〜午後９時

久々の釣り 帰らない魚たち　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　茜色の夕空 午後６時半、空はゆっくりと黄昏ていた。 この時節だった。 あの日、あの時、あの場所で。 あかねいろ 茜色に染まった空の下。 太刀魚が、アジが、シリヤケイカが、そして花鯛が。 キラキラと堤防の上で跳ね。 老いも、若きも、男も、女も、その天の恵みに湧いていた。 この騒ぎ、来年も、再来年も、・・・・、永遠に続くと思っていたが。 今は、魚跳ねず、鳥山見えず、人舞い上がらず。 海はシーーンと、死んだように静まっている。 �"お岩木山の茜の空で　誓った約束を 　南海暮しで　忘れたか 　帰ってこいよ　帰ってこいよ　帰ってこいよ♪��ぢ（��ぢ帰ってこいよ��ぢｂｙ村松和子　唄） と呼びかけても・・・。 あの騒ぎは、 �"幸せを数えたら片手にさえ余る　不幸せを数えたら両手でも足りない 　幸せを話したら５分あれば足りる　不幸せを話したら一晩でも足りない���錫鮠 ����　　　　　　　　　　　　　　　　　　（��ぢＳＡＣＨＩＫＯ��ぢｂｙばんばひろふみ） そんな過去の、一つの話しになっちまった。 原因は、黒潮の流れの影響だろうか。 間延び 釣りを開始してから３０分経過。 明るいうちはテトラの足元を狙い、周囲が暗くなってくると沖を攻めた。 １匹釣れるとしばらく間が空き、また１匹。 もどっかしく、じれったい展開が続く。 午後７時半。 周囲がすっかり闇に包まれると、アタリの間隔が縮んだが。 それは一瞬だった。 そしてまた間延びした間隔に戻り・・・・・。 デジタル・オーディオ・プレーヤーを持参してきたので、退屈ではなかったが。 ミスター・ロンリー かくべーさんに電話でそちらの様子を聞くと。 フフフフフ・・・と笑いながら良型ソイ２匹やでー、ドラえもんさんもいるんやでー・・・と嬉しそう。 薄雲に覆われた夜空に、白く霞んだ星が数個。 波がザワザワと岸辺で囁き。 風が北東からカサカサと吹いていた。 　　　　夜の闇のなか ひとりで竿を振るう黒いシルエット。 その姿、孤立、孤独、孤高のいずれに見えようか。 でもその実は、ヘッドホーンから流れるボビー・ヴィントンのミスター・ロンリー 「Lonely　 I'm Mr． Lonely 　I have nobody for my own 　I'm so lonely・・・・♪」 に酔い、胡蝶の夢の中なのである。 悠久の彼方から、城達也のナレーションが聞こえてくる。 「遠い地平線が消えて、ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、たゆみない宇宙の営みを告げ・・・・ 日本航空があなたにおおくりする音楽の定期便、ジェットストリーム　皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは、私 城達也です・・・」 誰もいない海は、ファーストクラスのラウンジに変り。 ラウンジに流れる「ステイング」、「スタンド・バイ・ミー」、「追憶」、「男が女を愛するとき」、�"黒い傷痕のブルース��ぢ、��ぢシバの女王��ぢ・・・・・・のメロデーに浸っていると。 海上に漂う電気浮子が、ジェット機の翼に点滅するランプのようにチカチカと瞬き、そのまま海を黄色く染めながら消えて行った。 ものうげに竿を振り上げると、またメバルが・・・。 納竿 午後８時を過ぎると、全くアタリが途絶えた。 根気続かず、午後９時に納竿。 久々の穏やかな夜のせいか、港のあっちこっちに竿先のケミホタルが青く輝いていたが、まるで動きがない。 Ｔｏ　ｄｒｅａｍ　ｔｈｅ　ｉｍｐｏｓｓｉｂｌｅ　ｄｒｅａｍ，（見果てぬ夢を追い） Ｔｏ　ｆｉｇｈｔ　ｔｈｅ　ｕｎｂｅａｔａｂｌｅ　ｆｏｅ，（手強い敵と戦い） Ｔｏ　ｂｅａｒ　ｗｉｔｈ　ｕｎｂｅａｔａｂｌｅ　ｓｏｒｒｏｗ，（耐え難き悲しみに耐え） Ｔｏ　ｒｕｎ　ｗｈｅｒｅ　ｔｈｅ　ｂｒａｖｅ　ｄａｒｅ　ｎｏｔ　ｇｏ，（勇者も恐れおののく地へ） ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　��ぢ見果てぬ夢��ぢラ・マンチャの男　主題歌 手強い敵よ逃げるなよ。 近日中に必ず行く。 　　　　　　　　　　つづく 本日釣果 　　メバル　　１２匹 　　　　　　　　　　　　　　　　　　本日釣果

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