２００５年６月２９日（水）　日立沖のヤリイカ釣り 　　　　　　　　　　　　午後５時半〜午前０時

ヤリイカ狙い 相対性理論のような・・・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　夜釣りに出撃 バブルが弾けたような不景気な海に、すっかり嫌気がさし、釣りから遠ざかっていた。 明日から7月。 今年もアッという間に６ケ月が過ぎた。 なのに陸から釣れる魚は、冬からずっーーと小メバルだけ。 まるで時が停止したか、スキップしたかのようだ。 これは、巨視眼的に見ると、アインシュタインの相対性理論「速度を極限まで速めると、その物体は静止してしまう」ではないか。 釣りに行こう。 鬱な気分を吹き飛ばそう。 �"さて どちらへ行かう風がふく��ぢ（山頭火） 　　　　雲の裂け目から 漁場を探して 体中の元気をかき集めて龍翔丸に乗った。 午後５時半、龍翔丸は日立港第５埠頭を離れる。 さきほどまで空を厚く覆っていた雲に、幾重にも亀裂が走り、その裂け目から青い空と、白い太陽が覗いていた。 汗ばんだ体に、東からの微風が快い。 海は皮を鞣したようなベタ凪。 結果はともかく絶好の釣り日和だった。 龍翔丸は漁船が仕掛けたサシ網を避け、かつ魚群探知機で魚影を追いながら、太平洋を迷走していた。 左舷側が賑やか 釣りを開始したのは午後7時半過ぎ。 暮色蒼然とした海に、漁り火の光りのシャワーが降り注ぐ。 �"イカの魚影が出てるよ。棚１５メートル前後を探って���錫鮠 ����とスピーカーを通して船長の指示が飛ぶ。 ドボーン、ドボーンと一斉に、イカ天仕掛を海に投入した。 棚を１５メートルに合わせて、ゆっくり竿をシャクル。 ググッ、ググッとなつかしいイカの魚信が手元に返ってきた。 ゆっくりリールを巻いてくると、途中で軽くなる。バラシだ。 気を取り直しシャクル、すぐまた魚信。 慎重にリールを巻いて来て、本日の１杯目をゲット！。 サイズは３０ｃｍほど。 我々は右舷側だが、今夜は左舷側が景気が良い。 右舷側はシーンとしているのに、 �"また上がったよ！���錫鮠 ����と何度もスピーカーから船長の声が、耳に飛びこんで来る。 その声を聞く度に、竿を上下する腕に力が入るのだが・・・・。 大物と遭遇 突然、仕掛が強力な磁石に吸い付いたように、ピタッ！と動かなくなった。 �"・・・・・・・・・根掛かり？���錫鮠 ����まさか、水深５０メートル、仕掛は水面から１５メートルほどの所にある。 根掛かりするはず無し。 ゆっくり竿を持ち上げると。 ガクン、ガクン、ガクンと直下型の凄い引き。 竿がなぎ倒される。 隣りの釣り人が��ぢ根掛かり？��ぢと聞いてきた。 頭を大きく横に振った。 船長が操舵室から降りてきて、 �"道糸を弛ませないで。力を抜かずリールを巻いて���錫鮠 ����と叫んでいる。 ノビタの十番勝負に残るような展開となった。 ギギーー、ギギーとリールが軋む。 竿を持ち上げると、ドドッ、ドドッ！とその度に強烈な反撃が。 リールの水深計が、１０、９、８、７メートル、少しずつ浮上してくる。 水深計が５メートルを指した時だった。 竿を持ち上げようとすると、フワッと重力が喪失した。 竿の撓みが、錘の負荷分だけに。ああ無情！。 �"バレタ？���錫鮠 ����と船長の声が。 ノビタは大きくうなずき、しばし呆然自失。 おそらくゴードーイカだろう。 その巨体の足に、ヤリイカ用の小針が引っ掛かり、その体の重さで針が外れたのだ。 オシカッターーーー。 夜の沖は 空も海も渾然一体となった重くしめった闇の中で。 漁り火に照らされた船の周囲１０メートル四方は、まるでサーチライトに照らされた舞台だった。 その舞台の上で、虫や、魚や、鳥や、人間が、生死を掛けた戦いを演じていた。 漁り火に引き寄せられた虫が海上を飛び交い。 塵のようなプランクトンが海面を、キラキラ浮遊する。 それを捕食する小魚が右へ、左へ走る。 ７０〜８０cmほどのシイラが数匹、その小魚に襲いかかった。 驚いた飛魚が、ピュー、ピューと空を飛んで行く。 それを狙って白い海鳥が、暗い空から落ちてくる。 甲羅が１メートルもあるような海亀が、小魚の匂いに誘われて船に近ずいてきた。 大きさ３〜４メートルほどもあろうサメが、明るい海上と晦冥の境界線沿いを回遊しながら、獲物を物色している。 終わりなき弱肉強食の戦いは、いつ果てるともなく続いていた。 アジを狙う　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　待望の２７ｃｍ 魚群探知機にイカの魚影が映る、が釣れない。 シャクッてもシャクッても釣れない。 いや掛かるのだが途中でバレてしまう。 掛かりが悪い。 今夜はどうしたのだろう？。 午後１０時。 イカ戦を中断し、仕掛をアジ用に交換した。 アジ釣り仕掛は、市販の白スキンのサビキ、チヌ針３号の８本針である。 仕掛を、ゆっくりシャクリながら海底に落として行くと。 水深３０メートルの所で、グイ、グイ、グイ、とヒット！。 仕掛を巻き上げる。 その途中で、ドドーンと何かがブチ当ったような衝撃が。 その直後、バターナイフで海面を切るように��ぢ道糸が右に左に走る。 �"サバだ〜〜！���錫鮠 ����声を出さずに、心の中で落胆の叫びを上げた。 仕掛を、船上に引き上げると３０cm強のサバがバタバタと跳ねた。 ところが、その下に大アジがブラ下がっているではないですか。 待望の大アジが！。 途端、ベートーベン交響曲第９番「合唱」が高らかに海上に鳴り響く。 ところがこの後は、サビキ仕掛が水深３０メートルまで落ちて行く度に、待ってましたというばかりに、サバの自爆テロの猛攻に遭い。 仕掛を６回投入した所で、アジ釣りを断念した。 沖上がり 午前０時、沖上がり。 釣果はパッとしなかったけど、イカも、アジも釣れたし。 漁り火に照らされた幻想的な海を満喫したし。 体内に爽やかな風が吹き渡り、体内から毒素が全て外に流出し、久々に我、蘇生する。 �"山あれば山を観る 　雨の日は雨を聴く 　春夏秋冬 　あしたもよろし 　ゆふべもよろし���錫鮠 ����　　　　　　（山頭火） 本日釣果 　　ヤリイカ　　３０ｃｍ　３杯 　　アジ 　　　　２７ｃｍ　 １匹 　　サバ 　　　３２〜３４ｃｍ　５匹 　　　　　　　　　　　　　　　　　　本日釣果

SEO		[PR] ����!�����u���O �����z�[���y�[�W�J�� �������C�u����