２００６年３月２４日（金）　三流の釣り場 　　　　　　　　　　　　　午後７時〜午後９時半

やっとメバル１匹 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 落語への誘い 今日も脱線して脇道へ。 興味の無い方はスキップして下さい。 このごろ、東海村図書館に行き、落語のＣＤを借りてきては聞いている。 まだ３人の噺家の話しを聞いただけだが、おもしろい。 本当におもしろい。 職場で、上司の下らん説教を聞かされて帰った時には、柳家小さん（５代目）の落語を聞ききながら、酒や、ウイスキーをチビリ、チビリやっていると最高の口直しになるかも。 これから聞いてみようと思う方は、柳家小さんが名調子で語る��ぢ千早ふる��ぢがお薦めだ。 �"千早ふる��ぢは、口からでまかせ男と、それを半信半疑で聞いている金さんの話し。 金さんが在原業平の、 �"ちはやぶる　神代もきかず 　 たつたがわ 　竜田川　からくれないに　水くくるとは���錫鮠 ����の訳を、口からでまかせ男に聞くと。 竜田川という大関が、吉原の”ちはや”という花魁に振られ、その妹の”神代”にも振られ、泣く泣く故郷に帰り豆腐屋を始めて５年。 ある日、豆腐屋の店先に立った女乞食が、３日３晩何も食べていないので”卯の花”を分けてくれと物乞いする。 それが”ちはや”の成りの果てと気がついた竜田川は、コノヤローと”ちはや”をブッ飛ばす。 嘆き悲しんだ”ちはや”は、井戸に飛び込み死んじまう。 これが詠の訳だと言う。 長い長い話しと詠との関わりは、最後に要約されるのだが、その強引な結び付け方に止めの笑いが。 〔正しい詠の大意は、 （人の代はもちろん）神代にも聞いたことがない、竜田川が（流れる紅葉で）真紅の色に水をくくり、染めにしているということは〕（「ちはやぶる」は、枕詞） とにかく柳家小さん（５代目）の、話し振りは演歌歌手で言ったら美空ひばり並み。 すっかり魅了されましたよ。 しばらくは海ではなく、東海村図書館に通いそう。 ３月２４日釣り日誌 「さしあたって役にもたたぬことの集積が人生をつくるが、すぐ役に立つことは生活しかつくらない。生活があって人生のない一生ほどわびしいものはない」（遠藤周作）。 今日も人生をつくりに行こうと、宵闇の街を海へ向かった。 ホンダの５０ＣＣに乗り、冷たい風を切って暗い舗道を疾走して行くと寒さが身に応え。 昼の陽気に惑わされ、軽装で飛び出したことを悔いていた。 雲に覆われた空の切れ目に群青の帯があり、そこから星が一つ２つ覗いている。 闇が這う三流の釣り場には誰もいなかった。 此処は浮世の煩わしさとは無縁だ。 「独り住むほど淋しきはなく。独り住むほど安けきはない。その安けさは淋しさを補って余りある」（山頭火）。 釣りを開始したのは午後７時。 鼻水を垂れながら、墨汁を呑んだような海を漂う、赤い電気浮子を見つめていた。 １０分、２０分、３０分・・・・・１時間。 浮子は微動だにしない。 最近、お寺のお坊さんは、「ボーズ・ビー・アンビシャス」をスローガンに後継者を求めているそうな。 我々釣り馬鹿も魚がいなくなった海を嘆いていず、「ボーズ・ビー・アンビシャス（ボーズよ大志を抱け）」と前向きに夢を追って行くべきか。 午後８時半、直立不動の浮子が、ゆっくり闇に消えた。 静かにリールを巻き道糸の弛みをとり。 浮子が黒々とした海に消えたままであることを数秒確認し。 −オンリャーーーー！− と竿をハネ上げた。 ググーーッと手応えが返る。 始めの引きは大物を予想させたのだが・・・、引きはしだいに弱まり。 そして地面で跳ねたのは１９センチの、此処ではレギュラーサイズのメバルだった。 午後９時近く、暗闇から２個のヘッドランプが近ずいて来て、 「何を釣っているのですか」 と声をかけられた。 此処は初めて来たというので、 ー此処は人もいないけど魚もいませんよ。人がいないから釣りに来るだけですー と話すと。 「これは大変失礼しました」と慌てて去って行った。 感じの良い、若者たちだった。 午後９時半、納竿。 若者たちの所によると、 �"カレイをこれから狙います���錫鮠 ���と話すので、ーウ〜ンーとうなると。 �"此所で夜釣れたと聞いてきたんですよ���錫鮠 ����と、向きになっていた。 本日釣果 メバル　１９cm　　１匹 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本日釣果 Ｔｈｅ　ＥＮＤ

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