２００６年１１月２２日（水）　那珂湊方面のメバル 　　　　　　　　　　　　　　午後４時半〜午後８時

どんげいちげん 　 　　曇華一現の日 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　西の空がほんのり染まって 昨日の話し　　　　　　　　　　　 昨日は、最悪の日であった。 昨日もふったさんと、尺メバルを狙いにきたのだが。 始めの悲劇は、午後５時頃に起った。 浮子の灯りが漆黒の海から消え、竿を大きく合せると。 大物の手応えが。 怪物を岸に寄せ、堤防の上に引き抜ことしたが、異様な重さに思わずタジタジ。 思いきって引き抜ことすると、��ぢバシッ！��ぢと音を立てて道糸が切れてしまった。 ハリス２・５号は頑張ったけど、道糸３・２号がギブアップしたのだ。 おそらく道糸は、堤防や、テトラに擦れて、ボロボロになっていたのであろう。 この直後、ふったさんが３２センチのソイを釣り上げた。 それを見て、消えた元気を体中からかき集め、再度挑戦したのだが・・・。 一度あることは２度ある。 また浮子が海から消え、先程を上回る大物の手応えが。 得体の知れないモンスターを岸に寄せ、浮上させようと竿を力一杯持ち上げると、 �"バシーーーッ！���錫鮠 ����と凄まじい音を立てて竿が、真ん中から折れてしまった。 ー何という奴！ 慌てて道糸を掴んだが、グイグイ引っ張られ��ぢピシーーーッ��ぢと、またも道糸を切られてしまった。 この決定的なダメージで茫然自失、以降立ち直れなくなる。 結局、１０年以上使い続けた愛竿をお釈迦にし、おまけに電気浮子まで２個喪失し。 魚は１匹も釣れず、最悪の日となった。 そして本日、磯２号５・３メートル竿を新調し、再挑戦することに。 　　　　　　うねりはあったが 穏やかな海で なま暖かい風が、堤防の上を南から北へ流れていく。 空一面が乳白色の靄（もや）に包まれ。 西の空の一部が薄いピンク色に染まった。 夕方の影がおりてきて、海も、港も、刻々と色褪せ。 閑散とした堤防の上に鳥影が数羽。 海はうねりがあった。 波が堤防の際を絶えずザザザーッ、ザザザーッと洗っている。 竿の準備が終わったのは午後４時半。 磯竿２号の竿を２本、堤防の上に並べた。 １５メートルほど沖に投げた浮子仕掛けが、数分で堤防の際まで流されてくる。 仕掛けを回収し餌の有無を確認した後、またポチャ−ン！と沖に返した。 始めの１匹 午後５時１０分。 港が夜の闇に沈み、人工の港の灯りが煌々と輝き始めた時だった。 ーと・・・・・・！。 堤防際２メートルほどの所に漂っていた浮子の赤い灯りが、ズボッ！と海中に潜った。 「キターーーッ！」 その直後、「ガガッ、ガガッ」と竿が斜めに海の方に引き摺られて行った。 ーアブナイ！ 危機一髪のタイミングで竿を掴んだ。冷汗三斗！。 竿を持ち上げようとすると、漬物石を載せたように重い。 ー根に潜られたか？、一瞬、お先が真っ暗になりかかった。 竿を、そのまま持ち上げ続ける、ゴゴゴゴーーッと何やら海底で巨体が動き始めた。 ーホッ。 そのまま巨体が、右から左に移動していく。 心臓がドドーン、ドドーンと高鳴り、竿を持つ手がジットリ汗ばみ。 １回、２回、３回、・・・とポンピングをしながらリールを巻き、ジワジワと巨体を海底から引き摺り上げてくる。 途中、ガガーン、ガガーンと、敵の強烈な反撃が。 オットトトトーーーーと、その都度リールを巻く手を休め。 とうとう敵を海面まで浮上させたけど。 敵の怒り凄まじく、激しく抵抗され、その都度、竿がドシン、ドシンと叩きのめされた。 相手の抵抗が弱まるまでと、しばらく待った後。 竿を堤防下に倒しながらリールを巻き。 「南無八幡台菩薩！」と唱えて、一気に敵を海から引き上げようとした。 竿が、折れる寸前まで湾曲し、宙でグラグラ揺れている。ー竿が折れるのでは？と一瞬、魚を海に戻そうと迷ったが、そのまま堤防の上に。 そしてとうとう敵が、ドタッ、ドタッ、ドタッと、堤防の上でのた打ったのだ。 ヘッドランプに浮かんだのは、巨大な腹ボテメバルだった。 ３２センチあった。 この瞬間、 「ドドドーーン、ドドドーーン、ドドドーーン！」 と祝砲が、夜空に３発轟き。 「ウラーー、ウラーー、ウラーー！」。 ロシア語で「万歳、万歳、万歳！」の連呼が。 尺メバル釣りのライバル この１０年、尺メバルを釣り上げたのは、釣り仲間ではノビタとかくべーさんだけ。 かくべーさんの釣り上げた尺メバルは３０センチ丁度だった。 今は、行方不明の”かくべーさん”。 良い人だった。 惜しい人だった。 まだ若かったのに・・・。 メバル釣りのライバルだった。 彼は、夜空の星になってしまったのだろうか。 そして、夜空からこの光景を眺め、くやしがっているのだろうか。 この茨城最後かもしれないアナ場で、かくべーさんと釣り技を競うことも、今は夢のまた夢になってしまった・・・・。 「自我得仏来　所経諸劫数　無量百千万 （じーがーとくぶつらい　しょーきょうしょーこつしゅー　むりょうひゃくせんまん） 　億載阿僧祇　常説法教化　無数億衆生 （おくさいあーそうぎー　じょうせつぽうきょうけー　むーしゅーおくーしゅーじょう） 　・・・・・・・」 チーーン。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おまけの２３センチ その後 尺メバルが針をすっかり呑み込んでいたので、針抜きに手間取る。 仕掛を海に戻したのは、釣り上げてから１０分ほど経過していた。 一度あることは２度。 午後５時２５分頃。 また堤防の際で浮子が消えた。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　きんきじゃくやく そして上がったのは、またも欣喜雀躍の尺メバルだった。 その後、午後６時までに２３センチのメバルを１匹追釣。 午後６時半、アタリが無いので竿を持ち誘いをかけると石持が釣れた。 これで全てだった。 　　　　　　驚美味でした♪ 納竿 午後７時、ドラえもんさんが馳せ参じた。 すでに釣期は去っていたのだが、午後７時半ころドラえもんさんが４２センチと２５センチほどのセイゴを釣る。 午後８時、アタリもなく北からの風も強くなってきたので納竿。 昨日の切歯扼腕した悔しさを、本日晴らすことができ、雲の上を歩くが如く爽快な気分で戦場を後にした。 本日釣果 　　メバル　　　　３１〜３２センチ　２匹 　　 　　　　　　　２３センチ　１匹 　　石持　　　　　２３センチ　１匹 　　　　　　　　　　　　　　　　　　本日の釣果 Ｔｈｅ　ＥＮＤ

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