タナゴは待っていた♪ 雲間から日が Mr.Xの誘い 堤防の上を歩いていた。 空を覆う厚い雲が裂け、雲が薄くなり。 雲間から陽光がこぼれると、その分だけ寒気がゆるんだような気がする。 風はわずかに北西の方から吹いていた。 海は湖のように穏やかだった。 今日も海は貸切状態だ。 目をこらすと、黒いゴマのような人影が、1つ、2つ・・・全部で4つ、点在していた。 先に進むと、堤防の先で手を振っている奴がいる。 「おそよう!」 Mr.Xだ、満面笑みを浮かべて立っていた。 今日の釣行は、Mr.Xに昨日電話で誘われたのである。 今朝は寒かった。 雲に覆われた冬空に、すっかり戦意を失っていた。 一人だったら決して釣りには行かない日だ。 なんとかグズグズしていた気持ちをハリ倒し、家を出たけど、結局、Mr.Xと約束した時間より1時間遅れる。 彼は投げ竿2本と、浮子釣り竿1本出していた。 まだ何も釣れず、時々フグのようなアタリがあるだけらしい。 鈴がリリーンリリーン♪ タナゴちゃんは待っていた 午前11時。 ノビタは磯2号の竿を2本出し。 「オンリー・ユー」と、今日も他の魚に目を奪われずタナゴ狙い。 「愛情1番、タナゴは2番。3時のおやつはタナゴのスリミ♪」 とせっせとタナゴを釣りました、ハイ。 いつものように竿の先に鈴を付け、足元の堤防際を狙うと。 周囲100メートル、Mr.Xとノビタしかいない閑散とした堤防に、 「リリーン、リリーン、リリーン、リリーン」 と鈴が絶えることなく鳴り響いた。 Mr.Xはカレイにも、タナゴにも振られて、眠っているような静けさ。 ひと 「他人の不幸は蜜の味」、Mr.Xが静かになるのと反比例して、堤防の上を元気に走りまわるノビタでした。 Mr.Xが釣った物は? と・・・。 「キタ、キタ、キターー」 と30メートルほど離れた所からMr.Xの、不快な叫びが耳に飛び込んできた。 ノビタに見せ付けるような、オーバーな叫び声。 ーどうせ・・・。 と思いつつ行ってみた。 行くと、丁度、敵を引き上げたところだった。 彼が靴で隠すようにしたので、覗いてみると。 思わず笑ってしまったヨッ。 酒の抓みになりました それは、「生まれてきてすみません」と言っているような、20センチほどのナメクジのお化け、ナマコだった。 堤防の上で休んでいたカモメが、羽根を広げて「クエーー、クエーー」と鳴いた。 カモメ語で、「馬鹿みたい」。 ノビタが、 「これは人間が食うもんじゃないね」 と言うと。 「どうする?」 と聞くので、 「もらってやってもいいよ」 と恩きせがましくもらってやった。 結局このナマコは、ノビタの晩酌の抓みになったのである。 この季節のナマコは、大間マグロと同じほどの価値があるのでは?、驚美味、感歎、感歎。(チャン、チャン♪) 招かれざる客 フグがいっぱい 餌取りが多い。 仕掛を投入して数秒、竿先に付けた鈴が鳴らないまま、6本針に付けた沖アミ全てが消えてしまう。 弱々しく鈴が鳴った。 仕掛を上げてみると、20センチほどのフグが掛かっていた。 使用したサビキ 餌取りはフグである。 昼間の海は、フグの含有率が非常に高い。 タナゴとフグの割合は、1対50の割合では?と思うほどだ。 ここでタナゴ釣りをあきらめたのでは、霊長類ヒト科の人間の沽券にかかわる。 とノビタは、これまでの経験、知識を総動員して、フグとの智恵比べに臨んだのである。 ーフグを攻略するには? 結論から言うと、絶えず転戦するしかない。 2〜3匹タナゴが釣れたなら即ポイントを移動する、タナゴが釣れる間にフグが集まってきて、以降そのポイントはフグ軍の占領地になってしまうからだ。 この方法は、堤防が貸し切り状態の時でしか通用しないから、あまり参考にならないのかも。 転戦ができないのなら、フグの行動が比較的に鈍くなる夜釣りがお薦め。 納竿 午後3時。 エサが無くなる。 エサの切れ目が縁の切れ目、納竿。 勝利の女神に見放され、暗い顔のMr.Xを憐れみつつ、意気揚々と現場を後にした。 本日釣果 タナゴ 15〜25センチ 24匹 クサフグ 18センチ 1匹 リリース ナマコ 20センチ Mr.Xから奪う 本日の釣果 The END |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||