2007年4月28日(金) 日立沖のカレイ釣り
             午前6時25分〜午後1時
ノビタの釣り天国


   今、日立沖はカレイの最盛期♪

                                      白い朝
ミーも道連れ
「おい起きろ!」
と寝ているミーに声をかけると、ウーッとうめき声と同時に布団が動いた。
朝の4時半だった。
夜が退き、明るい朝が静かに部屋に入ってきていた。
ミーを起こすとそのまま階下に降り、お餅を3個焼いた。
海苔に包んだ餅を醤油を付けて食べ、熱い茶を啜る。
これが、ノビタの船酔い防止策である。
空腹でいると船酔いすると言う、ノビタの根拠のない定説なのだが・・・。

ノビタとミーが外に出ると、玄関の天井にある巣からツバメがピーチクパーチク、
「行ってらっしゃい、行ってらっしゃい」
と、うるさいほど鳴いて見送ってくれた。
我が家に飛来するツバメは、とても礼儀が正しいのである。

必殺仕掛け
午前5時半、第5埠頭に停泊中の龍翔丸船上。
いつもの右舷ミヨシ寄りに荷物を下ろすと、
「あの有名な方ですよね」
と左、隣りの先客から声をかけられた。
ドッキーン!心臓が跳ねた、いえいえそんなもんじゃ〜ございませんと、首を振ると。
ノビタの後ろに来ていたミタ船長が、そうなんだよとうなずいている。
穴が無いので、何かを忘れたふりをしてミーの車に戻って来た。

     
必殺仕掛
その先客は、前回ノビタの隣りで、神技のようにカレイを釣っていた名人だった。
今回のノビタの仕掛けは、前回彼が使用していた仕掛けをまね、かつ日立フイッシングセンターサウス店お勧めの錘を使用した自称『天下無双のカレイ仕掛け』である。

この仕掛けは、刀で言えば名刀村雨、名刀正宗、妖刀村正に匹敵するのではないか(コホ、コホ)。
ーこれで名人に勝たなければ、もうカレイはやらないよ!
と決心したのである、なに事にもノビタは決心が多いのだが・・・。

使用した仕掛けは右図で。紅い分銅型の錘は50号、中は空洞になっている。
日立フイッシングセンターに常備。

日立沖はカレイの祭典
午前5時50分、龍翔丸は白い朝靄の海ヘ出撃。
定刻より10分早い。
天霽れ風静か。
白く濁った空から淡く力ない光が降り。
海は不鮮明な白っぽい光を照り返していた。
船は30分ほど北上したところで停止し、即、釣り開始。
ノビタは、ミーの仕掛けや、自分の仕掛けの準備に手間取り遅れる。

午前6時25分、鏡のような海へ。一振り入魂の第一投、ドボーン!。
水深35メートル、海底は柔らかい砂地だった。
「もしもしカレイよ、カレイさんよ♪」
と、トントンと錘で海底を叩きながらカレイが餌に飛びつくのを待った。

釣りを開始してわずか5分、午前6時30分。
クククーーッ、クククーーッと、身に覚えのある信号が。
ソーーッと竿先を持ち上げると、クククッ、クククッ、クククッと竿先が踊る。
ーきたぞーーー!
と本日船上一番のりの宣言。
操舵室に居るミタ船長に、大きく手を振って合図した。

船上に上がった始めの1枚は、32センチのマコガレイ。
左隣りの名人にはまだ来ない。
今日は1日、名人を意識していたのである。
1枚目を上げて、2〜3分後、またまた同サイズの1匹。
名人も負けていなかった。
ノビタより遅れたが6時50分までに、バタバタと30センチほどのマコを2匹釣り上げた。

この後はミーが続けて3枚、たちまちノビタを追いぬいた。
「無知は有知よりも強し」
海釣り初心者の勢いである。
ミーは、「名人だ。天才だ!」とミタ船長におだてられ、ルンルン気分でカレイを釣っている。
彼女の幸福には訳がある、決して名人や、天才ではない、その真実は仕掛けにあったのだ。

レ・ミゼラブル(ああ無情)
午前7時。
またノビタに元気の良い魚信が届いた。
ーこれまでより、形が良さそうだ。
世の中は寸善尺魔。
一寸の幸福の尻尾には、一尺の悪魔がくっついている。
                                      
42センチ
海底から敵を上げてくる途中、名人の道糸を引っ掛けてしまったのである。
そのまま海面から引き上げ、船縁で名人が道糸からノビタのカレイの仕掛けを外した時だった。

ー運命のダダダーン!
本日初の40センチオーバーが、針から外れてドボーン!。
ボーゼン自失。ノビタの頭は一瞬、事実を受け入れられなかった。
数秒後、
「さようなら さようなら 元気でいて〜ね
 ・・・
 待って待って
 待っているのよ一人でいるわ〜
 さようなら さようなら 好きになったカレイ♪」
      (『好きになった人』by 都はるみ)
と胸の中で、痛恨落涙号泣しながら、海に消えて行ったカレイに手を振ったのである。
このあと歌の願いが叶ったのかカレイが釣れ続き、傷心もたちまち癒えてしまったけど・・・。

一度あることは2度
と・・・・・・。
隣りのミーが、
「エンヤードット、エンヤードット♪」
と竿を大きく上げ下げし、顔を真っ赤にしてリールを巻いている。
その隣りにミタ船長がタモを持って立ち、
「ガンバレ、ガンバレ」
と掛け声を。
ー・・・さては50センチオーバーか?

           
35センチ
ミー、悪戦苦闘、3分。
とうとう海面に浮上した敵が、おタモに御用!
船上に上がったのは、50センチオーバーだけど、目測80センチほどの本アナゴ。
でも、ミーにとっては破顔一笑の大物ゲット!。
しばらく大喜びが納まらない。

ところが・・・。
一度あることは、2度。
今日、2度目の悲劇が待っていた。
樽に入れておいた大アナゴが、いつの間にか大脱走。
船床を、ノミ取り眼で探したのだが消えてしまったのである。
ミーが、
「何処からも逃げるはずがないでしょ。しっかり探しなさいよ!」
と甲高い声を上げている。

まるでノビタが逃がしたように、ノビタを睨んでいる。
しかたがないので、
「ア〜ナゴちゃんは行って行ってしまった
 ア〜ナゴちゃんは行って行ってしまった
 もう帰らない〜」
     (『よこはま・たそがれ』by 五木ひろし)
とぼやきながら探したけれど、とうとう大アナゴを見つけることはできなかった。
この後、神がミーを憐れんで、先ほどより一回り小さい40センチほどのアナゴを釣らしてくれたけど・・・。

またもミーが
カレイの勢いは、午前10時半までだった。
いつか空と海を包んでいた白い靄が消え、悠々晴天の青空が広がっていた。
時々、嬉しいアタリが海底から届くのだが・・・。
上がって来るのは、体調35〜6センチのネコザメ。
ーこんなものイラン。
と海に返してやる。
                                    
春の海 ひねもす
昼12時半。
沖上がり30分前だった。
微かな風の気配が、西から東へ動いている。
「春の海 ひねもすのたりくたりかな」
と暖かい陽気に誘われ半分眠りながら竿を持っつていたミーが。
「きた〜」
と叫んだ。
竿にしがみつき、必死になってリールを巻いている。
その隣りには、常連客のノビタと同じ苗字のサトウさんがタモを持って、いまかいまかと海を覗いている。
船上に上がったのは、42センチの本命、マコガレイだった。
これが本日最後の1枚となる。

沖上がり
午後1時、沖上がり。
船長に今日は竿頭だよ、と言われたけれどミーと2人合わしてだから、”嬉しさも ほどほどなり 我が家の春”というところか。
でも名人には勝ったかも・・・。

日立港第5埠頭に午後1時半、到着。
ミタ船長に挨拶した後、意気揚々とミーが運転する車に乗り帰って来た。
「若葉 若葉 かがやけば物みなよろし」
                (山頭火)

本日釣果
マコガレイ 28〜42センチ 18匹
アイナメ  35センチ 1匹
本アナゴ 約80センチ1匹(脱走される) 40センチ 1匹

                
本日の釣果

















The END
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