2007年7月22日(日) 日立沖のスルメイカ
           午後6時50分〜午後11時半
ノビタの釣り天国



         夢破れて・・・
   
                          
              いるはずだった
やる気はあったが
日立沖の半夜、スルメイカ釣り。
先日、存分に戦えず悔しい思いをした。
でも今日はリールが蘇り、かつ仕掛けも5セット用意して。
ーこれで憂うものは何もない!
と、全身からパチパチと火花を散らして突進したのだが・・・。

行けども、行けども、敵の軍隊が現われない。
時々、単発的な戦いはあったが、とうとう最後まで敵の本隊には遭遇しなかったのである。
ノビタのド迫力に恐れをなし、蜘蛛の子を散らすように逃げたのか。
いたずらに空振りが続き、ヘトヘトに。

これが人生。
晴れる日もありゃ 曇る日もある。
だから楽しいのである。
(ちと負け惜しみ)

渋い釣り
午後6時50分、釣り開始。
海上は、波長の長い緩やかなうねりあり。
ほとんど無風。
暑くもなく、寒くもなく、申し分のない釣り日和。

今夜、龍翔丸に乗船した釣り侍はノビタも含めて14人。
全員、モクモクと竿をシャクリ続けた。
午後7時、漁火が灯り。
漁火に照らされたベビーブルーの海に、黒い影を引いて魚が、右に左に疾走する。

釣りを開始してから、10分、20分、30分・・・経過、アタリ無し。
午後7時40分、待望のアタリ。
初めの1匹は、25センチほどのスルメイカ。
この直後、また針掛かりしたのだが・・・。

      
夜空に月、これが・・・
バラシが多い
水深75メートル。
錘は60号、グラムに換算すると225gと結構重く。
ふつう、魚信は伝わりにくいのだが。
針掛かりしたイカは、グイーン、グイーン、グイーンと魚信が明確だった。

このタイミングで電動スイッチをオン!。
「ジージージー・・・」
と電動リールが、PEラインを巻いてくる。
イカがバレないよう巻き取りスピードを低速にし、その途中、竿を操作しながらイカの抵抗を緩衝し。
イカをジワジワと引き上げて来るのだが。
この時間がとても長く感じる。
水深メーターが、50、40、30、20メートル、・・・・とカウントダウンしていく。
と・・・。
竿先の曲がりが緩くなった。
ー・・・?
仕掛けを船上に取り込むと、もぬけの空。
ーああ、またバレた!

于武陵(うぶりょう)の『勧酒』という漢詩がある。
「勧君金屈巵
 満酌不須辞
 花発多風雨
 人生足別離」
     (『勧酒』by于武陵)

これを井伏鱒二が、
「コノサカズキヲ受ケテクレ
 ドウゾ ナミナミツガシテクレ
 ハナニ アラシ ノ タトヘモアルゾ
 「サヨナラ」ダケガ人生ダ」
       (『漢詩鑑賞入門』高木正一 他著 創元社より)
と訳したが。
別れることだけが人生さ。
別れは人だけじゃない、イカも同じさとあきらめる。
結局、釣った数と同じくらいのイカを、バラすことに。

最後の最後まで
今夜のイカ釣りは、”ちあきなおみ”の『夜間飛行』である。
「最後の最後まで イカは私を苦しめた
 指をつきぬけ涙が あふれそうよ
 そして今・・・
 ・・・
 かなしみは 夜空の星になり
 きらきら消えてゆく」
とうとう海は、沸騰せず、暴走せず、爆発せず、静かな展開に終始した。
大サバも今夜は、舞台の影にひっそりと身を隠していた。
ポツリ、ポツリと釣れるイカの層も、80メートル、50メートル、30メートルと絶えず変化し。
苦戦したのはノビタだけではなかったようだ。

沖上がり
午後11時半、沖上がり。
イカへの熱い思いが、軽くいなされた夜だった。
ラブ・イズ・オーバー、もう恋は終わったのだろうか。
夢破れて抜け殻あり、このどうしょうもない脱力感は何だ!ああ。

「勝ことばかり知りて
 負くることを知らざれば
 害その身に至る」
     (徳川家康)
そういうことか。

本日釣果
  スルメイカ 25〜28センチ  26杯
  サバ  40センチ  1匹























The END
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