2007年9月9日(日) 日立沖 ムラサキイカ
               午後6時半〜午後10時半
ノビタの釣り天国



 日立沖にムラサキイカ(ゴードーイカ)舞う♪
   

                          
        午後5時10分日立港第5埠頭
凱旋行進曲の夜
ーとにかく凄かった!
一晩中、興奮の坩堝(るつぼ)だった。
日立沖から帰港してくる1時間10分、気分は、サッカーの日本代表のテーマ音楽に採用されたヴェルディの歌劇「アイーダ」の中の、『凱旋行進曲』が鳴り響いていたヨ。

なんせゴードーイカを樽3杯、凡そ120杯、こんなことは初めて。
ゴードーイカ一杯の重量は、スルメイカの2杯〜4杯に相当し、それが2点掛け、3点掛け、4点掛けで釣れてくるのだ。
しまいに身体は、油の切れかかった車のように、イカを釣るたびに軋しむようだった。

前夜の話し
話しを戻そう。
日立港第5埠頭に接岸している龍翔丸に乗船したのは、午後4時半。
まだ西陽が盛んで、また猛暑が戻ってきたような暑さ。
今夜、運命を共にするイカ釣り侍はノビタを含めて8人。

先客のほとんどは右舷側にいたので、ノビタは左舷側のトモ寄りに釣り座を確保した。
東海村の佐藤さんに昨夜の様子を聞くと、始めスルメイカがゴードーイカ仕掛けに掛かったが、1時間ほどしてからはゴードーイカが入れ食いだったそうだ。
ー今夜は釣れそう!
と、胸にデッカイ希望の雲が湧いてきた。

波があった
午後5時10分、龍翔丸は第5埠頭を離岸し、黄昏れる日立沖へ。
波があった。
ー天気晴朗なれど波高し!
船は左右に大きく揺れ、キャビンの中でも立つのが容易ではない。
地震ならば震度7ぐらいの揺れかも。
まさに、男のロマン濃縮100パーセントの海だった。

     
   波を越えて
龍翔丸は波を、バッシャ、バッシャと掻き分けて行く。
沖縄に『安里屋(あさどや)ユンタ』という民謡がある。
その囃子(はやし)は、
「マタハーリヌ チンダラカヌシャマヨ」
このチンダラカヌシャマヨが「死んだら神様よ」とも聞こえるらしい。(正しくは「本当に愛しい人よ」)
揺れる船の中、”チンダラカヌシャマヨ”と唱えていたよ。

後ろに去っていく海は、西陽を受けて黄金色に輝き。
青々とした空は、薄いピンク色に染まっていく。
前方に見える海と空の境目は、すでに暗い。
サラ・ブライトマンの名声を高めた『タイム・トウ・セイ・グッバイ』(L.クワラントット作詞)の歌のように、

「Time To SayGoodbye          タイム・トウ・セイ・グッバイ
 paesi che non ho mail        いままでに
 veduto e vissuto con te       見たことも
 adesso si li vivro            おとずれたこともない場所を
 con te partiro               私は これから
 su navi per mari             航海していく
 che io lo so                船に乗って 海を越えて
 no no non esistono piu       もう どこにも なくなってしまった海を 越えて
 It’s Time To Say Goodbye     イッツ・タイム・トウ・セイ・グッバイ♪」
                                  (訳 : 野坂悦子)
海を越えて行く。
                                            
    仕掛
はじめから
午後6時20分、漁場に到着。
沖は以外と、波も低く穏やかだった。
午後6時半。
ミタ船長の開始の合図で、一斉に仕掛けを海にドボーン、ドボーン、ドボーン!と投入。
「釣れた人は、釣れた棚を教えて下さい!」
の船長の叫びが終わらないうちに、
ーきたー15メートル!
ーきたー20メートル!
ーきたー25メートル!
とあっちこっちで歓声が上がった。

そしてノビタも、
「きたー10メートル!」
と叫びながら電動スイッチをオン。
一度あることは二度ある、前回と同じように電動リールは動作しなかった。
でも水深10〜20メートルで釣れるなら、今夜は手動でリールを巻こうと、手でリールを巻いた。
凄い引きだった。
引き上げてくる途中、何度も何度も竿が張り倒された。
リールは、キーキーキー泣きっぱなし。
はじめの1匹は、いきなり40センチほどのダブル。
スルメイカだったら6杯ほどの重量はある。

        
今夜は最高♪
終始入れ掛かり
いつか海はうす闇に包まれ、そのまま夜の深みに沈んでいき。
闇に溶けた水平線上に、点々と空を白く照らす漁火が3つ。
ライトアップされた海面を、絶えず1メートルほどのシィーラが泳いでいた。

イカは切れ目なく釣れた。
仕掛けを海中に落としていく途中、水深15メートル〜20メートルで、仕掛けが止まり。
掛かったイカが、4〜5メートルほど浮上し(食い上げ)、反転して一気に海中に潜ろうとする。
この時、ドーン!という電撃が糸から竿の穂先に走り、途端に竿が軽くなることがある。
イカが逃げたのである、足だけ残して。
でも気にせず、
ー一杯、二杯は面倒なり、束になって懸かって来い!
と呼びかけながら、竿を一シャクリ、2シャクリ。

                           
       こんなのが・・・
と・・・。
呼びかけに応えて、ドドーン、ドドーンとイカが仕掛けに突進してくる。
そして見る見る竿先が海中に潜っていき、持ち上げようとすると、重い、重い。
掛かったイカは最後の最後まで反撃する、そして足を切って九死に一生を得る奴も多く、仕掛けを船上に引き上げると足だけというケースも多かった。
それでも40〜50センチのイカが、次々と2〜3杯ずつ掛かってきた。
その都度、力闘につぐ力闘。
「燃え尽きて真っ白な灰になるまで戦う」(『明日のジョー』より)
と最後の最後まで夢中になって戦った。

沖上がり
午後10時半。
さすがに全員、もう結構と沖上がり。
帰り、すっかり凪た海上を走る船上で、勝利の余韻に酔いしれていた。

 「奇跡は毎日起きる。
  嘘じゃない、ホントだよ」
     (映画『フォレスト・ガンプ』より)

本日釣果
   ムラサキイカ(ゴウドウイカ)   30〜50センチ  約120杯














The END
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