2007年9月13日(木) 日立港周辺
               午後1時半〜午後4時40分
ノビタの釣り天国



  条件は悪かったがタコはいた
   

                          
              最悪の海
海の色が・・・
残暑の陽射しが堤防に降り注いでいた。
海岸線上に延びる濃緑色の松林、その中に立つ白い建物が眩しい。
頭上は薄い雲に覆われ。
その天蓋の端に、青々とした空が広がっていた。
海から爽やかな風が吹いてきて、暑さを感じない。
海には低いうねりがあったが、問題は海の色だった。
2〜3日前の大雨で氾濫した河川が大量の泥を海に吐き出し、海が茶色に染まっていたのだ。
濁りを嫌うタコを狙うには最悪の条件だった。

手応えなし
堤防には4人の釣り侍がいたが、タコを狙っている人はいなかった。
そのうちの一人に聞いてみると、1ケ月ほど前の大雨以来、タコは消えたという。
ーガックリ!
今日はタコ1本勝負で来たので、他の魚を狙う準備はして来なかった。

ーままよ。
「Go to brake!(あたって砕けろ!)」
である。
投げ竿を3本用意した。
仕掛けは、
「あなた好みの あなた好みの・・・♪」
タコが狂喜する秘太刀『タコ驚倒』である。
その仕掛けを薄茶色に濁った海にドボーン!と投入して待つこと1時間、2時間、
まるで手応えなし。

ああ、運命!
北島三郎の『帰ろかな』の歌声が、だんだん大きくなってきた。
「淋しくて 言うんじゃないが
 帰ろうかな 帰るのよそうかな♪」

  
秘太刀『タコ驚倒』
右端の竿を持ち、リールを巻いて仕掛けを少し手前に移動しようとすると、
ー動かない!
さらに竿を持ち上げると、動いた!
「フイッシュ・オン!」
慎重に、慎重に、
ースロー、スロー、クイック、クイック、クイック。
そしてとうとう海面に、待望の茶色の傘が漂い。

周囲を見渡したけど、タモ入れを頼むべきギャラリーはいない。
ーままよ。
と堤防下6メートルの海面から、
「エーイ!」
とゴボウ抜き。
と・・・。
途中でタコが外れて海にボチャーン!。

瞬間、
「ああ!」
と悲鳴に近い叫び声を上げたね。
そして、オルフの『おお、運命よ!』(テレビの劇的シーンのBGMによく使用される)の合唱が、
ーおお、運命よ
 ・・・・・・
 恐ろしい
 空ろな運命よ
 汝はめぐる車のようだ
 汝は悪しき状態のもとに
 すこやかなるものを悩まし
 思うがままに砕きさるー
          (訳:石井 歓)
天高く鳴り響いたね。

ー天は我を見捨てたもうた!
と、すっかりやる気をなくしてしまう。

土壇場で
それでも帰るのも面倒で、惰性的に1時間海でボーッとしていた。
時計を見ると、午後4時半だった。
「およばぬことと
 あきらめました
 だけど恋しい
 あのタコ(人)よ♪」
と納竿にしようとリールを巻きながら竿を持ち上げると、動ない!

「・・・!?」
これはタコだろう。
道糸を緩め、しばらくその竿を放置することにし、他の竿を片付けた。
するとなんと、
−重い!
そのまま一気にリールを巻いてくる。
堤防下を見るとタコが海面に。

20メートルほど向こうに、ギャラリーがいる。
「お頼みモース!」
と大声で呼ぶと、タモを片手にピョン、ピョン飛んで来た。
そして無事、1キログラムほどのタコを御用!。

そのままギャラリーが帰ろうとするので、
「またれよ!、ついでにもう1杯、お頼みモース」
ギャラリー、一瞬、ハトが豆鉄砲を食らったような顔を。
おもむろに先ほど、ピクリともしなかった竿の道糸の弛みを取り、竿先を海面近くまで下ろし、
「エーイッ!」
と掛け声を上げて、竿を持ち上げると。
期待通り、ズッシリとした手応えが。
堤防に上がったのは、先ほどより大きい1.5キロほどのタコだった。

納竿
午後4時40分。
海の色が最悪のなか、狙ったタコが釣れたので、もう充分と納竿。
今日も”日々是好日”。

本日釣果
真タコ  1キロ 1ハイ、1.5キロ 1ハイ























The END
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