2007年11月12日(月) 日立周辺の港
                 午後5時〜午後8時半
ノビタの釣り天国



     君に逢えてよかった♪
   

                          
              穏やかな夕暮れ
茶柱
朝。
新聞を取りに外に出ると。
久々の快晴。
空気がすがすがしい。
青い空には、一片の雲もない。
昨日、一昨日と雨が降り、濡れた庭の土が鮮やかだ。
草や木の葉上で、陽光がキラキラと乱舞していた。

天気は上々。
今夜のメバル戦への闘志が、いやがおうでも全身に湧き上がってきた。
熱いお茶を飲みながら、田口犬男の随筆『詩とユーモア』のなかに載っている、こんな話しを思いだした。
 「ある死刑囚が死刑執行の朝、出されたお茶の中に茶柱を見つけて言った。
  『しめた、今日はついている!』」

ノビタも気になって茶碗を覗いたが、茶柱は立っていなかった。
あたり前である。
我が家の急須の茶漉し網は細かいので、お茶の葉は急須から外に出ないのである。
これではその日の釣果を占うことができない。
茶漉し網を交換する必要があるようだ。
でもそうすると、お茶を飲むときに茶の葉が邪魔にならないか。
ーさてどうする?
「運命を、自らの手で切り拓く者は勇者である」
    (映画『アラビアのロレンス』より)
これで行こう。
茶柱なんぞに、運命を託してはいけないのである。

嫌な思いをした時には
身に冷たい水を浴びせられたような、嫌な思いをすることがある。
他人に嫌な思いをさせられた時には、風間完画伯の下記随筆を思い出す。
「道を歩くとき、剣術使いになったつもりで、すれ違う人を斬って捨てながら歩いてゆく。
 男はみんな物騒だから斬る。
 女も此の頃はアブないのが多いから斬る。
 年寄りも感じの悪そうなのは容赦なく斬る」
ノビタも剣術使いになったつもりで、嫌な思いをさせられた奴は「切捨て御免!」と切り捨てる。
ーどうだまいったか!
この風間完画伯の随筆は、ノビタの座右の銘である。
さて話しが大分脱線したので、本文に入ろう。

始めの1匹

暮れなずむ空の下を行く。
ススキが微風に揺れていた。
東の空に向か伏す雲が、淡いピンク色に染まっている。
だ〜れもいない。
閑散とした海だ。
「此の道や 行く人なしに 秋の暮れ」
      (松尾 芭蕉)
である。
                                                
   自立型
釣りの準備をしているうちに、どんどん薄闇が港を覆っていく。
今日は、ハリス1.75号の60センチにメバル針9号1本、それにより戻し付き3号錘、その上に自立型電気浮子3号の、シンプルイズ・ザ・ベストの仕掛けで臨んだ。

午後5時10分。
海が黒く染まると同時に釣りを開始。
赤い電気浮子が、海上に華やかに映えている。
海はベタ凪。無風。
空には無数の星が散在していた。
静かな波の反復が、静寂を深くしていく。
釣りを開始して5分後だった。
電気浮子の赤いランプが、ズボッ!と真黒い海中に消えた。
ー何だ?
クイ、クイ、クイと引きは良いが、重厚さがない。
はじめの1匹は、18センチほどの小ぶりなメバルだった。
でも本命である。熱烈歓迎の1匹だった。

       
夜の浮子釣り
電気浮子の夜釣り
釣りは、なんてたって楽しさ濃縮100パーセントの、電気浮子での夜釣りではないか。
電気浮子の赤い灯りが、ズボッ!と、真っ黒な海を赤く滲ませ沈んでいく。
その一瞬の心のときめき、これを釣りのダイゴミと言わずしてなんと言おう。
園まりの歌う”夢は夜ひらく”は、電気浮子の夜釣りの歌である。ーそんなわきゃないか。

ただ誰もいない夜の海は、不気味さ此処に極まるで。
風声鶴唳(ふうせいかくれい)、テトラの廻りをガサ、ゴソと這い回るネズミの音、風に吹かれてガサガサ震えるビニール袋の音、足元でザバッ!と砕ける波の音などに、時には心臓をハンマーでぶん殴られるような恐怖を味わう。
ーそれが何だ!
「男子諸君、種馬となるとも睾抜きの馬となるなかれ!」
      (『日本人の遊び場』by開高健)
男ならやってみろ!。
でも、”君子危うきに近寄らず”てな諺もあるな〜。

来る者こばまず
メバルを釣ってから10分ほど経過。
また電気浮子の赤い灯りが、ズボッ!と海に消えた。
クイ、クイ、クイの引きは、先ほどと同じような・・・。
斜め横に走る敵を、斟酌無用と海面から引き抜いた。
闇に混じる微光を受けて、魚が白くぼんやり宙でパタパタと踊っている。

「?」
手元に引き寄せ、ヘッドランプの灯りに照らしてみると、20センチほどのアジ。
メバルがアジに変身したか?と一瞬、馬鹿みたいなことを。
我を取り戻し、
ー今夜はお前を招いた覚えはないぞ、でも来る者は拒まないぞ!
とつぶやきながらビニール袋に突っ込んだ。
このあと、しばらくはアジの祭典が続いた。

選手交代
南東の方向の海が、パッと白く光る。
釣りをしている間中、パッ、パッ、パッとフラッシュを炊くように光っていた。
ー雷光か?。でも雷鳴は聞こえない。
夜空を見上げると、頭上には無数の星が輝いていた。

午後6時50分。
ポツリ、ポツリ釣れていたアジが消えてしばらく経っていた。
30メートルほど沖を、赤く輝きながら漂っていた浮子が、なんの前ぶれもなくズボッ!と海上から消えた。
1〜2秒ほど間をとり、ビシッと竿を振り上げた。
ー手応えなし!
道糸が弛んでいた。

リールを巻きながら竿を再び振り上げる、グッと手応え!
「フイッシュ・オ〜ン!」
2匹目のメバルは20センチを超えていた。
このあと8時まで、ポツリ、ポツリ、とメバルが釣れ続いた。

納竿
8時を過ぎると、全くアタリが消える。
午後8時半、納竿。
久々のメバル釣り、君に逢えて良かった!
メバル師さんは尺オーバーを釣った。
ー今度は、尺メバルに逢おう!

「どこかで 尺メバルが
 きっと待っていてくれる
 雲は焼け 道は乾き 陽はいつまでも沈まない

 けれども どこかで
 お前は待っていてくれる
 きっとお前は 海の中で待っている♪」
   (『だれかが風の中で』by上条恒彦の歌で)

本日釣果
  メバル 18〜21センチ 10匹
  アジ   20センチ前後  7匹
  タナゴ  20センチ   1匹
















The END
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