2007年11月20日(火)  日立沖堤防
              午前7時20分〜午前11時50分
ノビタの釣り天国



      今日も語るも涙の物語
   

                          
              空を埋める雲
目撃!
「やめられない。とまらない。カッパエビセン♪」
ではないが、タコ釣りがどうにも止まらない。
海が凪だったので、今日は久々に日立沖堤防を攻めることに。

「アッ!」
という声が船の中で上がった。
日立フイッシングセンターの渡し船が、日立沖堤の中央船着場に着いた時だった。
振り向くと。
船着場から100メートルほど南側で、タコが宙を泳ぎ堤防の上に、今まさに釣り上げられたところだった。
「オーーーッ!」
と船の中でため息が。
それは、うらやましさと、くやしさと、今日への期待が、渾然一体となったようなため息だった。

船着場から階段を登り堤防の上に立った。
タコが釣り上げられた南側を攻めるべきか、一瞬迷う。
ただ南側は、すでに4人ほどのタコ釣り師の影がちらついていた。
北側を見ると人影なし。
結局、人の足跡が多い南側より北側を選んだ。

        
タコ釣り仕掛
はじめの1匹
冷たい西風が、ビュービュー吹き。
薄ら寒そうな雲が、幾重にも明度をわけ天井のように空を覆っている。
今日は、内湾も風に起こされた小波が無数に沸き立っていたが。
濁りはなくタコ釣りには問題なさそうな海色だった。
北側に向って急いだ。
「この道まっすぐ 逢えるよろこびを いそぐ」
    (山頭火)
北側にはだ〜れもいなかった。

釣りを開始したのは、午前7時20分。
まずいつも実績のある付近を攻めてみた。
タコ天で、トン、トン、トン、トン・・・と海底を叩きながら、
「すみません、おりますか?」
とタコを探っていると。

午前7時42分。
仕掛けが、スッと何の前触れもなく停止。
思わず竿を振り上げたが、ピクリともしない。
「タコだーーー!」
いつものように道糸を弛ませ、置き竿にする。
そのまましばらく待つ。
                                      
いつか青空が
この待っている時の、まだ見ぬ恋人を待っているようなわくわく感がたまらない。
いつもなら5分待つ所を、3分で打ち切り。
「エーーーイッ!」
と竿を持ち上げると、ズッシリした重さ。
と、1メートルほど上昇した所で停止。

「う?」
ー海草を掴んだな!
と慌てず道糸を送り、今度は一気にリールを息もつかずに巻き上げた。
そして堤防の上に。
はじめの1匹は、1.8キロの真タコだった。
はじめの1匹が釣れたのは午前7時45分だった。
この瞬間、ナポリ民謡『フニクリ、フニクラ』の明るい歌声が、空に轟き。
未来が急に、パッと明るくなったのだが・・・。

ああ今日も
ところが、そうは問屋がおろさなかった。
それから1時間、2時間、3時間・・・。
根掛かりばかりの空振りが続いた。

午前11時半過ぎ。
ゴツゴツした岩礁地帯にさしかかり、全神経を海底の状況に集中していると。
タコ天が、ガガガとV字型の谷間に滑り落ちる感触が。
根掛かりしてはと、反射的に竿を煽った。
と・・・。
ー重い!
持ち上がった。

        
タコが逃げた海
「タコだ!」
やけに重い、でも徐々に上昇してくる。
大風呂敷を広げたようなタコが海面に浮上。
タコは、タコ天仕掛けを抱いているように見えた。
ー大丈夫だ!
と竿を振り上げると。
ー鳴呼。

タコは、タコ天仕掛けを離しスーッと海中へ。
昨日の大相撲九州場所で、時天空に勢いよく飛び掛った千代大海が、肩透かしをくらいはたき込みで負けたような勝負であった。
もう少し慎重に相手を見るべきだった。
タコ釣り師が近ずいて来て、
「逃がした魚は大きいと言うけど、今のは3キロに近かったのではないか」
とノビタのくやしさを煽り立てる。
彼は南側でタコを4杯、合計8キロほどを釣ったという。
くやしい。

ーもうタコ釣りは止めよう!
「こんなに別れが 苦しいものなら
 二度と恋など したくはないわ♪」
     (『女の意地』by 西田佐知子)
意気消沈し、昼12時の船に乗り沖堤を後にした。

本日釣果
   真タコ  1.8キロ 1ハイ




















The END
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