2007年12月6日(木)  日立港周辺
                午後1時半〜午後4時半
ノビタの釣り天国



   カレイ釣り好調スタート♪
   

                          
               ベタ凪!
出撃の朝
朝。
雲一つない青空。
陽光が空中で弾け、力強くきらめいていた。
今朝の気温は−2度、今冬一番の寒さらしい。
昨日、町内の葬儀が終わった。
今年は町内の組長にあたり、それなりに忙しかった。
ベランダに立ち陽射しを浴びると、久々の開放感が全身に満ちてくる。

ー今日はやるぞ!
と気合を入れて、布団を干し、風呂の掃除をし、釣りの準備をし・・・。
まだ病は回復していないのに、体中から火花がバチバチと放電している。
我が家の金正日に、今日はカレイを釣って来ると声をかけると、
「マコカレイは好きじゃないから、ナメタガレイを釣って来い!」
と言いたい放題の返事が返ってきた。
カミさんも、ノビタのお陰で色々な魚を食べるようになって久しい。
その結果、口がおごるようになってしまったのだ。ーああ!

「ほめりゃのぼせる
 叩けばさわぐ
 殺しゃ 夜中に化けて出る」
と都々逸(どどいつ)に唄われる女房ほどではないが、扱いにくい。
でも、もてあましているのは、ノビタだけではなさそうだ。
「耐えてきた そう言う妻に 耐えてきた」
        (サラ川傑作選 『ごにんばやし』)
とか、
「いい家内 10年経ったら おっ家内」
       (サラ川傑作選 『ごにんばやし』)
とか、
「お〜いお茶 自分で入れろ すみません」
       (サラ川傑作選 『ごにんばやし』)

など、世の中に女房の横暴に耐える旦那衆の多いこと、”同類相憐れむ”である。
カミさんの無理難題に応えるべく、これまでの全ての経験と知識を体中から掻き集め、本日の戦いの全てを賭けたナメタ仕掛けを自作し。
”人事を尽くして天命を待つ”の心境で、カレイ釣りに臨んだ。

そして出撃
昼過ぎ。
青々とした空に、一筋の白く霞んだ雲が浮かんでいる。
燦々と降り注ぐ陽射しを浴びながら歩いていると、厚着をした肌が汗ばむのだが。
南から北へ風ともいえない空気の流れがあり、吸い取り紙でインクを吸うように汗を吸い取っていく。
現場には、6人ほどの釣り人がいた。
適当な所に荷物を下ろした。
海は湖のようなベタ凪。

釣りの準備をしていると、隣りで釣りをしているオッさんがやってきた。
何を釣りにきたのか聞かれたので応えると、毎週来ているけどいつもカレイはボーズだと言う。
竿3本は保険のようなカレイ狙いだが、本命はタコだそうだ。
この話しに希望の白い雲が、霞のように薄くなり。
ーもうサイズは問いません、せめて1匹だけでも。
と、祈りつつ準備をしたよ。

         
海の暴走族
はじめの1匹
釣りを開始したのは、午後1時半。
竿を5本出した。
3本はマコガレイ狙い、2本はナメタガレイだ。
5本の竿先に鈴を付けて待つこと、10分、20分、30分・・・応答なし。
ポカポカ陽気に脳味噌が緩んでくる。

午後2時半。
「リリリリリリリ・・・・・・」
と鈴の音が、静寂を破った。
振り向くと、左から2番目の竿の尻が持ち上がり、バタン、バタンと上下に大きく振れ、そのまま海へ突っ込みそうになっている。
「マテーーー」
と叫びながらジャンプし、危機一髪で竿を掴んだ。

竿が、ドドド・・・・・・と右へ、左へ、問答無用とばかりに引っ張られ。
まるで暴走族だ。
「ナンダ、ナンダ、ナンダ・・・」
必死になってリールを巻いたよ。
そして、右隣りにいた釣り師にタモ入れしてもらったのは・・・80センチ近いサメだった。ーああ。
1度あることは2度ある、このあと今度は80センチを超える2匹目のサメを釣ってしまった。

                                   
君に逢えて良かった♪
本命ゲット!
午後2時50分。
右から2番目の竿の鈴が、
「リリン♪」
と微かに鳴った。

神経が全てその竿先に集中。
竿先が小刻みに震えながら上下している。
「ひょっとすると・・・?!」
心ノ臓が、ドコ、ドコ、ドコ、ドコと騒ぎだし。
竿を持つ手が汗ばんできた。
竿先が”へ”の字から、”の”の字に変わり。
「リリリーーン、リリリーーン、リリリーン・・・」
と鈴を鳴らしながら、竿がバウンド。

「今だ!」
と、竿を振り上げると。
「ズシーン」
と手応えが、
「フイッシュ・オーーーン♪」

          
マコもいた
隣りのタコ釣り師にタモ入れしてもらったのは、43センチのナメタガレイだった。
ー南無帰命頂諸願成就!
「奇跡は毎日起きる。嘘じゃないホントだよ」
(映画『フォレスト・ガンプ 一期一会』より)

側に、カレイ釣り名人のKABE氏が来て、
「とうとうやりましたね」
と賞賛。
もう今日は充分なので帰りますヨ、などと心にもないことを言って笑われた。

                                    
戦いすんで日が暮れて
納竿
このあと、午後4時過ぎに35センチのマコガレイを。
午後4時半に40センチのナメタガレイを追釣した所で、納竿。
KABE氏が別れの挨拶を言いに来た。
彼に3枚釣ったと報告すると、驚いていた。
彼は、玉砕したという。
今日、カレイを運よくゲットしたのは、どうやらノビタだけだったようだ。(コホ、コホ)

琥珀色になった空がたちまち朱に染まり、うす闇が地上に降りてきた。
ノビタが片付けを終わるころ、隣りのタコ釣り師が、とうとうタコをヒット。
岩盤に張り付いたタコとしばらく綱引きをやった後、観念したタコが海面に浮上。
飛んで来たギャラリーのタモに、御用!となる。
目測、2.5キロはあるタコだった。

  
   ナメタ超美味!
夕陽の残照に染まる西の空を見つつ帰って来た。
家に帰ると、カミさん破顔一笑!、ーホッ。
風呂上がりに飲んだ冷たい発泡酒が、五臓六腑に染み渡る。

「神、天にしろしめし。
 なべて世は、事もなし」
ーアーメン。




本日釣果
ナメタカレイ  40〜43センチ 2枚
マコカレイ   35センチ  1枚






















The END
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