2008年2月1日(金)  日立沖の鯛釣り
              午前6時20分〜午後1時05分
ノビタの釣り天国



     日立沖の冬のお花見♪
   
                                   
           恵比寿さま
鯛釣りに行こう♪
今は冬。
水温が低く、港に棲む魚はじっと寒さに耐えている。
餌を追う元気もない。
そんな冬の魚を追う釣り士には、ひたすら我慢、我慢、我慢、の季節だ。
寒さに耐え、じっと魚が来るのを待ち続け、とうとう待ちぼうけだけで終わる日も多い。

アダモが、そんな釣り士の気持ちを歌っている。
「雪は降る あなたは来ない
 雪は降る 重い心に
 むなしい夢 白い涙
   ・・・・・・
   ラーーラーーーララララララ・・・・♪」
  (『雪が降る』byサルバトーレ・アダモ)
雪が降らなくたって、魚が来ないと心は重くなるのである。
じっと歯を食いしばり、涙をこらえて、トボトボと冬の堤防を歩いて帰る哀しさ、侘しさ、寂しさ。

こんな時は、太平洋のど真ん中で、パッと景気よく鯛釣りをしてみよう!
今、日立沖は真鯛や花鯛の花盛り。
決して空振りはなく。
上手、下手、関係なく釣れるらしい。
コバルト・ブルーの海を、淡い紅色に染める鯛は海に咲く桜の花。
鯛釣りは、冬のお花見のようなもん。
たまには、七福神の恵比寿さまになった気分で鯛を釣り。
ゆったりと微笑みながら、
ーこれぞ最高!
とつぶやきたいもの、いざ日立沖へ行かんかな。

         
夜明けの日立沖
出航前
午前4時。
寝床から這い出した。
昨夜はあまり睡眠がとれず、気分はあまりよろしくない。
おしっこをし。顔を洗い。お餅を2個焼き。
それに海苔を巻いて醤油を付け、濃いお茶を飲みながら食べた。
午前5時、まだ夜の底に沈む外に飛び出す。
夜空には、細い三日月が寒々と輝いていた。

日立港第5埠頭に着いたのは、午前5時15分。
暗闇の中で、龍翔丸の漁火が賑やかに輝いている。
まだ客はまばらだ。
いつものように右舷ミヨシに釣り座を確保した。
釣りの準備をしているとミタ船長が来て、
「昨日は真鯛が少なかったよ。今日は新聞記者が取材に来ているけど、負けないように」
と話しながら、隣りでその新聞記者用の貸し竿やロッドキーパーなどを準備していた。

準備が終わり、キャビン室に入っていると。
あとから、2人連れの釣り侍が入って来た。
この2人、零下3度はあるかと思われるキャビン室で、缶ビールを飲み始めた。
一人は赤ら顔の”会津磐梯山の歌に出てくる小原庄助さん”のような、もう一人は恵比寿様のような釣り士たち。
かれらはまさに、お花見に行くような雰囲気である。

キャビン室はエンジンの爆音で、人の声は粉砕されなかなか通じないのだが。
それでも彼等と話し、彼等が今朝2時に福島の郡山を出て、午前4時に日立港に着いたということは分かった。
小原庄助さんにカップ酒(にごり酒)を勧められたが、朝から酒を飲めるほどタフではないので遠慮した。
彼等は、ノビタの右隣りにいた記者と話しをしていたが、何を話しているのやらまるで分からん。
このエンジンの爆音の中、よく会話ができるものだと感心して見ていたよ。
小原庄助さんは、記者にもカップ酒を薦めたが、やはり断られていた。
かれら、釣りをやる前に酔っぱらってしまうのではと、他人事ながら気になった。

                                        
始めに釣れたメバル
出航
午前5時50分。
乗船客8人が揃った所で、”燃えよドラゴン”(龍翔丸)は、「ゴーーゴーー」と唸り声を上げながら、まだ闇が這う暗い海へ突進して行った。
映画『地獄の黙示録』で、ヘリコプター部隊が暁の海から登場するシーンに流されたワーグナーの『ワルキューレの騎行』が、聞こえてくるような勇壮な出撃だ。
信号機もなければ、右折禁止、左折禁止、Uターン禁止、センターラインもない。
何丁目何番地のどこそこなど、チマチマした概念もない海を。
”燃えよドラゴン”は、ミタ船長曰く、「今日は”あのあたり”」に向かって、飛沫を上げて疾走して行く。

午前6時20分、”あのあたり”着。
うねりがあり、ダップン、ダップンと波に揺られ、立ってはいられれないので座って釣ることに。
快晴。
気温はまだ零下。
北西からの冷たい風が、衣服を通して肌を刺し。
足のつまさきが冷える。
着くと同時に「プップーーー」とホイッスルが鳴り、8人の釣り侍が一斉に暁の海へ、ドブン、ドブンと仕掛けを落とした。
水深は45メートルだった。

やっとノビタにも
釣りを開始してすぐ、あちらで、こちらで、メバルが釣れ始まった。
右舷大トモで、5本針にパーフェクトのメバルが。
ノビタの右隣りの、貸し竿の客に、30センチオーバーの真鯛が。
ーなぜだ。なぜノビタには来ない?
10分、20経過。

午前7時。
水平線上に浮かぶ雲の縁が、黄金色に輝いていた。
何度目かの、一振り入魂の投入。
錘が45メートル下の海底に着底、道糸のたるみを取り、竿を少し持ち上げる。
と・・・。
「?!」
ククッ、ククッ、ククッという信号が、海底から手元に送られてきた。
さんざん待たされ、じらされ、やっと釣れたのは22センチの沖メバルのダブルだった。

       
 使用した仕掛
仕掛け
仕掛けは、左図3種類を使用してみた。
AHayabusaのエビハナダイ仕掛けは、胴突き3本針でハリス2.5号、針は丸海津11号が2セット入っている。
@OWNERの船五目と、B龍翔丸オリジナル(釣船御用達)の仕掛けは、共に胴突き5本針で、ハリス3号、針は丸海津12号を使用している。
この3つの仕掛けは、いずれもよく釣れた。

ただ、Bの龍翔丸オリジナルの仕掛けは、ハリスが幹糸に絡んでもパーマネントのクセがつきにくく、他はパーマネントのクセがついて、なかなか元に戻らなかった。

餌のエビを針に付ける時、エビの尾を切り、尾の方から針を刺し、エビと針が真っ直ぐになるよう付けると、餌がクルクル廻らないので、@、Aの仕掛けでも問題ないと思うが・・・。
龍翔丸では、錘は60号を使用している。
錘の重さを全員統一していないと、お祭りが多くなるので初めての方は注意しよう。

            
                             快晴
落ちこぼれ
ノビタが、メバルを2匹釣るのを待っていたかのように、”燃えよドラゴン”は沖の方に移動した。
新たな戦場は、水深70メートル、初めのポイントより深く仕掛けの上げ下げがつらくなる。
すっかり夜は明けていた。                                  
澄んだ青空に、白い雲が鮮やかだ。
北からの冷たい風は吹いていたが、降り注ぐ陽射しが寒さを和らげてくれた。
ふくらんだ波が次々と船に押し寄せ、たえず船を左右にゆすっていた。

新たな戦場は鯛が棲むポイントらしく、真鯛、花鯛が、船中でポツリポツリと上がり始める。
ここでもノビタだけ落ちこぼれ、なかなか掛からない。
石川啄木ではないけれど、
「日立沖 船のミヨシの 船縁(ふなべり)で
       われ泣き濡れて 竿の上げ下げ」
ーああ。
時々、元気なアタリがあり、その度に頭の中で100ワットの電球がパッと点灯するのだが、狙いが大きくそれてサバだったり、ベラだったり。

待望の大輪の花
午前8時10分。
錘が海底に着底した途端に、ググ、ググと小さいアタリが。
そのままソーッと竿を上下させると、初めのアタリの2〜3倍の強さの、ググン、ググン、ググンが。
ー逃げるなよ、逃げるなよ。
と口の中で唱えながら、リールを巻いてくる。
60、50、40、30、20メートル、・・・。
とリールに付いている水深メーターがカウントダウン、それを見ながら、まだかまだかとリールを巻いてくる。

        
  目出鯛
途中、何度も強い引き込みがあった、その都度巻く手を休め、また巻いてくる。
「オーッ、良い引きだ。真鯛かな?」
とミタ船長の声が、頭から降ってきた。
「これはサバじゃないかな〜?」
とノビタは自信がない。

とうとう獲物が海面にパッ!と、大輪の花を咲かせたように浮上。
よく見ると、大輪の花の下に、中輪の花も。
モスグリーンの海面にピンク色の花が2つ、ユラリ、ユラリと鮮やかに揺れている。
ー時間よ止まれ。おまえは美しい!
   (『ファウスト』byゲーテより)
船上に上がったのは、29センチの真鯛と、25センチの花鯛だった。
記者(茨城新聞)が、カメラを持って飛んできてパチリ!。
何か、ちょっぴり誇らしげな気分だった。
このあとも、ポツリ、ポツリだが、20〜23センチの花鯛が釣れ続く。

起き上がり
午後1時5分、沖上がり。
絶好の釣り日和だった。
そして全員それなりに釣果を上げたようだ。
福島から来た小原庄助さん、恵比寿さん、そして記者も、みんな寝不足のようだが笑みが絶えない。
燃えよドラゴンは、初春の陽射しを浴びながら、青い空の下を日立港に堂々と凱旋してきたのである。(チャン、チャン)

誰の言葉か忘れてしまったけど、
「Spice up your life(人生に味つけを)」
で今日の日誌を締めることに。

本日釣果
真鯛  26〜29センチ 2匹
花鯛  20〜25センチ  22匹
メバル  22センチ     2匹
サバ   25〜26センチ  7匹





















The END
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