2008年2月8日(金)  日立沖の鯛釣り
              午前6時40分〜午後1時
ノビタの釣り天国



     日立沖は鯛が満開♪
   
                                   
      夜明け
寒い朝
午前5時。
下着にホッカイロを貼り、防寒服を着、ブーツの下敷きもホッカイロ。
完全武装である。
玄関から外へ出ると、途端に空気がカチン、カチンと音を立てて凍っているような寒さ。
思わず身震い、吐く息も真っ白だ。
空には、点々と銀色の星。
まだ世の中は夜の底である。

車庫に行き。
ロシュナンテを覆っていた防寒対策の毛布を剥ぎ、スタータをオン。
すると、
「ダス、ダス、ダス、タタタタタタタ・・・・(待ってましたご主人さま)」
と勢いよく身を震わせ、一発で応えてくれた。ーホッ。
ロシュナンテは人間で言ったら70歳位のご老体。
夜間、この毛布を掛けていないと早朝、エンジンが掛からないのだ。
今日もロシュナンテとノビタは寒さをものともせず、老体にムチ打って、凍てつく道を日立港に突っ走ったのである。

午前5時15分。日立港第5埠頭。
思わず、ギョ!
龍翔丸の灯りが点いていない。
ー今日は中止?
いつもならすでに煌々と船のライトが輝いている時間なのに・・・。
日立フイッシングセンターサウス店に行き、Eー子さんに聞くと船は出ますよ、と言われホッ。
それから3分もしないうちに龍翔丸のライトが点灯。

         
うねりあり
今日は、ノビタの定席である右舷操舵室前に釣り座を確保した。
ロッドキーパーを船縁に固定していると、ミタ船長が側に来て、
「今日は一束はいかないと」
と話しかけられた。
ー?
一瞬、なんのことやら理解に苦しむ。
この間、おそらく間が抜けたような顔をしていたのだろう。
「一束だよ、一束」
とミタ船長に念をおされ、やっと分かった。
一束とは、100匹の意味である。
無理だよと応えると、ちゃんとシャクレば釣れるよ、と言いながらミタ船長は操舵室に消えた。
久々に聞く船長の自信たっぷりの言葉。
時々、大きく外れるが。
ひょっとすると今日は・・・、と胸の中にデッカイ希望の白い雲が、みるみる湧き上がってきたヨッ。
                                         
ルイ・アームストロング
この素晴らしき世界!
午前6時10分。
ドラゴン(龍翔丸)は、日立港第五埠頭を離岸し、暁の海へドドドドドド・・・・・と出撃して行った。
まだ日の出前。
海岸線に沿い屏風のように連なる黒々とした山並み、その裾に伸びる街の灯りは、青、黄、赤、橙、とまだ色とりどりに輝いていた。
水平線上に、青黒い雲が帯状に横たわり。
雲の上は紅く染まり、その紅が琥珀色に変化しながら青々とした空に薄く溶けていく。
快晴。大潮。風も穏やか。
ー釣り日和だ!
どこからか、ルイ・アームストロングが歌う「この素晴らしき世界!(What a wonderful world !)」が聞こえてきそうな夜明けだ。(この歌は、ホンダのCIVICのCMにも使われブレーク)

  
スペースシャトルから
2月6日(水)の深夜(2月7日0時10分〜0時59分)、NHKスペシャルの「ウェイクアップコール〜宇宙飛行士が見つめた地球」の再放送を見た。
スペースシャトルにいる宇宙飛行士たちは、ヒューストン管制センターから送られてくるウェイクアップコール(目覚ましの音楽)で起きる。
曲は宇宙飛行士自らのリクエストや、家族や友人、地上スタッフからのプレゼントなどで、これまで宇宙に流れた曲は1000を越えるそうである。
その中で最もリクエストが多かったのが、ルイ・アームストロングが歌う「この素晴らしき世界」だったそうだ。
スペースシャトルから地球を見て聞くなら、やはりそうであろうかと納得する歌である。
ルイ・アームストロング(愛称サッチモ)は1971年に亡くなっているが、その生前の録画が見られる。
こちら=>
ルイ・アームストロング『この素晴らしき世界』のビデオ
歌詞は下記。

「I see trees of green        木々の緑
red roses, too            赤く萌える薔薇
I see them bloom          あなたとわたしのために
for me and you                 咲き繁る
And I think to myself         そしてわたしはひとりつぶやく
 "What a wonderful world !"    「なんて世の中は素晴らしい!」

I see skies of blue           紺碧の空
and clouds of white          純白な雲
On the bright sunny day,      輝くように晴れた日も
or in the dark sacred night      神秘的な夜も
And I think to myself         そしてわたしはひとりつぶやく
"What a wonderful world !"      「なんて世の中は素晴らしい!」

I see the colors of the rainbow  七色の虹が
so pretty in the sky          空に美しく映える
And also on the faces         通りゆく人々の上にも輝く
of people going by           握手を交わす人々
I see friends shakin' hands      「はじめまして」と
sayin' "How do you do?"          挨拶を交わしている
I know they're really saying      だけど本当は「愛しています」と
"I love you"                  言っているのさ」
       (『この素晴らしき世界』 by G.P.Weiss/G.Douglas)

この歌を聞いていると、「人類皆兄弟、愛こそ全て!」
と叫びたくなるような・・・。

        
ヒラメか?
ミタ船長が・・・
釣り開始、午前6時40分。
紺色の海は大きくうねリ。
ふくらんだ波が、次々と船の下に沈んで行く。
その度に船が左右に大きく傾いた。
仕掛けを投入するとすぐから、あちらで、こちらで、喜悦の声が上がり始めた。
ノビタには、いつものようにまだ来ない。
それでも、
「梅は咲いたか
 桜はまだかいな
 柳なよなよ風しだい
 山吹きゃ浮気で 色ばかり
  チントンシャン♪」
とお花見気分で竿をシャクッテいると。

突然。
「オエー、オエー」
と右舷大トモの方から動物のような唸り声。
ー何だ、何だ?
船釣り初心者が、花見が始まったばかりなのに酔ってしまったのか、と振り返ると。
見てビックリ、思わず笑える光景がそこに。
船縁に両手をつき「オエー、オエー」をしていた船釣り初心者とは。
ナンタルサンタルチア、ミタ船長だった。
船長が船に酔うなんて、前代未聞じゃないですか。
まるで「サルも木から落ちる」「弘法も筆の誤り」「百足(ムカデ)も転ける」、の実例を見たような気がしたよ。
ーしっかりしてよ船長さん。
さすがにミタ船長、この後は立ち直ったけど、一時はどうなることやらと、こちらまで焦ってしまったよ。

入れ食いだったけど・・・
午前7時。
竿を上下しながら、
「応答せよ。応答せよ」
を繰り返すも、まるで応答なし。
ー生存者は一名もいないのか?
と少々焦ったが”待てば海路の日和あり”。

とうとう、
「ククッ、ククッ、ククッ」
と待ちに待った応答が手元に。
「生存者発見!」
の報せに、現場は一気に活気ずく。
初めに海から引き上げたのは、20センチ前後の花鯛のダブル。

この2匹を皮切りに、入れ食いが始まったのだが。
「無いと思うな、運と災難」
である。
それも、運と災難が1セットで押しかけてきたのだ。
花鯛を数匹釣って喜んでいると、なんと左舷側の釣り士と派手なお祭りを。
このお祭りは、全治30分ほどの重症だった。

自分のPEラインを切って相手の仕掛けを離したのだが。
そのPEラインをインターラインの竿から抜き取ってしまい。
ーしまった。
と思ったが、あとの祭り。
揺れる船の上で、
「チャンスが二度、扉を叩くとは考えるな!」
   (シャンホール)
と焦りながら復元に汗を流したのだが、結局、復元に30分ほどを費やしてしまったのだ。
一難去ってまた一難、潮の流れが速いこともあり、このあとまた2回ほどお祭りをしてしまった。

それでも今日は、切れ目なく入れ食いが続き、幸いかなチャンスは無限で。
花鯛が一荷で上がって来るたびに、
「千客万来、熱烈歓迎」
の幟を、頭の上で振り続けているような気分だったヨ。
ミタ船長の意のまま各戦場を転戦したが、どの戦場でも花鯛は入れ食い。
まさに今、日立沖の海底は花鯛が満開のような様相だった。

欲を言えば、出来たら真鯛や外道のホーボーも釣りたかったのだが・・・最後の最後まで、そのチャンスは訪れなかった。
船中では良形真鯛や、50センチ級ホーボーが数匹上がったのだが。

沖上がり
午後1時、沖上がり。
形は今一だったが、魚が涸れるこの季節に入れ食いは嬉しい。
「大きいのでも1匹、小さいのでも1匹、
 一匹は一匹、女は女や、
 からすると今日はモテモテや」
         (開高 健)

本日釣果
花鯛  16〜22センチ  58匹
沖メバル  18〜24センチ  2匹






















The END
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