2008年2月22日(金)  湊寄りの堤防
              午後5時50分〜午後7時半
ノビタの釣り天国



     今日も冴えない日だった
   
                                   
    まだ早い
坊主街道驀進中
ここしばらく玉砕の日々が続いている。
「おこるな しゃべるな」
 むさぼるな
 ゆっくり歩け しっかり歩け」
    (山頭火)

人生は我慢だ、我慢。
へこたれるな、やけになるな、元気を出せ。
いつか花咲く時もあるサ。
と今日も冬の海へ。
しかし・・・。
「奮闘努力の甲斐も無く
 今日も涙の 今日も涙の
 日が落ちる 日が落ちる♪」
今日もフーテンの寅さんになっちまったヨッ。

フラメンコ「風と炎/裸ではだしの子供」
釣りがパッとしないせいでもないが、今はフラメンコ(音楽)にはまっている。
先日、1996年キング・レコード(株)作成のCD「フラメンコのすべてーNEW BEST BOX」を、東海村の図書館で発見しそれをiPodにダウンロードした。
2枚1組になっていて全32曲が収録されている。
フラメンコは、これまでその舞踊をテレビで見たぐらいで、音楽を真面目に聞いたことはなかったが。
大ケーストラの華麗な演奏を聞き慣れた耳には、カスタネットのカタカタカタ・・・と、カッ、カッ、カッ・・・と鳴り響くサパテアード(靴音)と、それにギターかピアノのいずれかが伴奏に加わるだけの単調で素朴なメロデーが、随分と新鮮に感じた。

32曲全て聞きごたえあるが、特に「うるわしのマラガよさらば」、「アストゥリアス」、そして「風と炎/裸ではだしの子供」が良い。
なかでも「風と炎/裸ではだしの子供」は、静かに奏でるギターの調べと、カスタネットとサパテアード(靴音)の鬼気迫る情熱的なリズム、それに男性の叫びに近い哀切調子のボーカル、この3者が互いにコントラストをなし、独奏し、そして調和しているのだ。
左、中央、右の音が完全に分かれたステレオになっていて。
左のスピーカーからは、メルチョール・デ・マルチェーナが爪弾くギターの音が。
中央からは、スペイン最高の舞踊家であるアントニオ・ルイス・ソレールのカスタネットとサパテアード(靴音)が。
右のスピーカーからは、チャノ・ロバートとセルニータ・デ・ヘレスのボーカルが。
それぞれ主役を交代しながら至高の芸を披露している。

      
CDジャケット
フラメンコも恋の歌が多い、この歌も憂愁の味わいが際立つ恋の歌である。
「風があれば 炎はますます燃えさかる
 悩みがあれば 夜はますます深くなる
 おれの恋が さらにいっそうつのるのは
 お前がそばに居てくれぬとき
 風があれば炎は ますます燃えさかる
 悩みがあれば 夜はますます深くなる♪」
5分8秒の録音が短く感じる、何度聞いてもあきがこない名曲だ。

鳥達に侵略された戦場
午後5時15分、現場着。
黄昏ていたが、まだ昼間の明るさだ。
今日は暖かい。
寒さ対策の重装備で来たので、汗がにじみ出てくる。
緩い東風が、海面に無数の皺を刻んでいた。
青々とした海は透け、底に沈む黒々とした岩石がその姿を露わにしていた。
やがて西の山並みに日が沈み、黒々とした稜線から空へのオレンジから桔梗色に変化していくグラデーションが鮮やかだ。
日が沈んでも、昼は未練がましくいつまでも去ろうとしない。

メバルは暗くならないと釣れないので、のんびり準備をした。
愛用の磯1号5.3メートル竿を出し、電気浮子3号、メバル針10号の1本針仕掛けを用意していると。
突然、メバルのストライクゾーンにカモメが現われ、プカプカ浮いてやがるの。
「コラッ、邪魔をするな!」
と手を大きく振り回し脅すと、チラとこちらを振り向いて、
「フン、魚はいねーよ」
と捨て台詞を残しながら沖へ、ゆっくり泳いで行った。
そのカモメ、丸々と太っていて空も飛べなさそうだったゾ。
おそらく腹の中には、子メバルをしこたま詰めているに違いない。

午後5時50分。
うす紫の闇があたり一面を染めたとき、仕掛けをポチャーン!。
そのまま煌々と輝く電気浮子をみつめ、今か、今かと、その時を待っていると。
ーなんと!
電気浮子の隣りに、いきなり黒々とした棒が立ったのだ。
よく見ると、それは鵜の首だった。ーああ。
その近くには、手の拳ほどの水鳥が2羽、ひっきりなしに海に潜っている。
ここは、どうやら鳥たちに侵略されてしまったようだ。
ここでは何も期待できないと、そこから100メートルほど離れた戦場に移動した。

豆メバルばかりの海
新天地で、新たに仕掛けを投げ直す。
すっかり夜の底に沈んだ海に、リチウム電池を交換したばかりの赤い電気浮子が眩いほどに輝いている。
と・・・。
浮子がどす黒い海に、ズボッと勢いよく沈んだ。
心の臓が、ピンと跳ねた。
赤い灯りが、海中をぼんやり赤く染めながら沈んでいく。
ーそのまま消えろ!
心の中で何度も叫んでいると。
期待に反し、赤い灯りがスーッと海面に浮上してきた。
いつもの小メバルのアタリだ。
こんなアタリが何度も、何度も繰り返す。

針掛かりしない苛立ち、カッカ、カッカとのぼせてくる。
むきになって戦うこと1時間半、やっとのことで豆メバルを9匹ゲット。
釣り上げた証拠として記念写真を撮ったあと、海に返品した。

納竿
午後7時半、アタリが消えたところで納竿。
飛躍し発展することを、最後の最後まで期待したのだが、それはなかった。

「やるぞ見ておれ 口には出さず
腹におさめた一途な夢を
曲げてなるかよ 挫けちゃならぬ
そうだ その気で行こうじゃないか♪」
   (『出世街道』 by 作詞 星野哲郎 曲 市川昭介)

そうだ、「ボーズ・ビー・アンビシャス」だ。
明日に賭けるのだ。(チャン、チャン)

本日釣果

豆メバル  10センチ前後  9匹(海へ返品)



















The END
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