2008年6月1日(日)  湊寄りの堤防
              午後3時半〜午後6時
ノビタの釣り天国



        作戦失敗の日
   

                                        モヤモヤの中で
お魚センターに行け
釣りに行こうとすると、
「釣りに行くなら、お魚センターに行きないさいよ」
とカミさんの声が追いかけてきた。
毎度のことながらこの言葉、釣り師のプライドを著しく傷つける。

ましてやここ数日貧果続き、その傷心に、これでもかと塩を塗られるような気がした。
「ストレスの 元が君とは 言えぬ僕」
    (講談社「サラリーマン川柳傑作選」より)
ではないが。
ここで言い返すと、元も子もなくなると、その痛みに耐えながら家を飛び出してきた。
ストレスがなくなると、早くボケてしまうと他人は言う。
そういう意味でカミさんは、ノビタにとってボケ防止とあきらめている。

先客の仲間に
久々の晴れ間のせいか。
港は、磁石に引き寄せられる鉄片のように釣り人が群がっていた。
白い靄が空と陸を覆い、海は視界が30メートルほどと見通しが悪い。
北東からの風が冷たかった。
外洋は、うねりがありテトラで飛沫が上がっていたが。
湾内は、うねりもなく穏やかだった。

先日、アジを釣った場所に、先客が5〜6人。
様子を見ていると、
「アジ釣りがこんなに難しいとは思わなかった」
と、誰かのぼやきが聞こえてきた。
それでも、ポツリ、ポツリだが、小ぶりのアジが釣れていた。

と・・・。
「今日はやらないのか」
と声をかけられた。
振り向くと、真っ黒い顔に歯だけ白い親父さんが、こちらを見ている。
仁王のような、やくざの親分のような、鬼軍曹のような。
その苦味渋った顔に、見覚えがある。

今年は初めてだが、昨年、此処で時々会った釣り師だ。
とにかくとっつきにくい顔をした親父さんで、無口。
これまで彼の笑った顔はみたことがない。
彼と話しをしていると、まるで猛犬と話しをしているような錯覚が・・・。
根は良い人なのだが・・・、会う度にもう少し愛嬌があっても良いと思わせられるよ。
結局、彼ら先客の仲間に入れてもらうことに。

 
小アジ専科135
作戦失敗
午後3時半。
今日は、先日名人に教えられたアジ釣法で攻めることに。
ところが、いきなり番狂わせ。
周囲は、針に沖アミを付け遠投する浮子釣りばかり。
こんな日は、アジが餌に誘われ沖に行くので、名人の岸際でコマセだけで釣るやり方は非常に不利となる。
慌てて、浮子釣りに変えようとしたが。
ーガーーン!
思いだした。
餌の沖アミを用意してこなかったのだ。−ああ。

しかたがないと、コマセを付けた仕掛けを足元に落とすと、いきなりキューンと竿先が引っ張られ。
落ちて行く仕掛けの重力が消え。
パシャッ!と、水面に白い魚が跳ね上がった。
「フイッシュ・オン!」
と、いきなり世の中がバラ色に染まったのだが。

仕掛けを団子にして上がってきたのは、15〜16センチのサッパが3匹。
この襲撃に、仕掛けがいっぺんにゴチャゴチャにされ再起不能に。
1度あることは、2度ある。
続けて2投目、これも瞬時にサッパに襲われ、仕掛けがまたも再起不能に。
名人に教えられた仕掛けは、釣りを開始してから5分もしないうちに全滅。

逃がした魚は・・・
気を取り直して。
アジ釣り定番の「小アジ専科135」で攻めることにした。
今日は、フグもスナメリも登場しなかったが。
一難去って、また一難、サッパという新たな伏兵が。
それでも小ぶりなアジがサッパ混じりで数匹ゲット、この間に浮子釣りの人は全員2桁以上釣ったようだ。
ノビタは、「枯れ木も山の賑わい」なら、「サッパも海の賑わい」と、釣ったサッパも全て持ち帰ることにした。

ラストが近いころに、かなり良い引きがきて。
ビシ、ビシと竿が張り倒されるなか、ソロ、ソロ、とリールを巻いてくると。
ナント!、水面に浮上したのは、25センチは軽くオーバーしている良形のアジが。
心臓の鼓動が、激しく鳴り響いたね。

この魚を見た鬼軍曹が、
「おおーーーー、大物だ」
と叫んだ。
とうとうノビタにも、逆転ホームランのチャンスがきたと思ったね。
ところが、竿が一瞬、強く下方に引っ張られると。
ナント、そのまま大アジは海中に消えてしまったのである。
「ああ、天も泣け、地も叫べ!」
と2嘆、3嘆。

このあと海は沈黙を続け。
チャンスは2度と、ドアを叩くことはなかった。

納竿
午後6時。
風止み。
靄に包まれた港は、人影もまばらとなり静けさが深くなる。
アタリも全く消え、これ以上続けても無駄と納竿。
隣りで釣っていた栃木の人は、小ぶりだがアジを36匹釣ったと言う。
夕方の気配が薄く漂いはじめた堤防を、彼と一緒に帰ってきた。

「人が幸福になる道は、失ったものや、ないものを数えず、残っているものを喜ぶことである」
           (「最高に笑える人生」by 曽野綾子より)
本日釣果
   アジ  15〜21センチ  6匹
   サッパ 15〜18センチ  7匹




















The END
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